欧米の文化や技術を取り入れ近代化してきた日本ですが、近年は逆に日本の文化が世界に広く受け入れられるようになりました。


世界では寿司レストランやラーメン屋さんが続々とオープン、アニメや漫画といった娯楽も人気、最近では女性のファッションなども注目を集めているようです。


こうしたものが知られるようになるずっと前から、日本の工芸品として愛好家を増やしてきたのが 折り紙、 1950年代から海外で折り紙サークルが設立されるほどの人気を誇り、現在でも世界中に多数の愛好団体が存在しています。



折り紙の魅力の1つは、元々はただの一枚の紙であるところから、美しい造形を自らの手で創り上げるという事でしょう。


それはきっとブドウという果物から、芳醇なワインを産み出す 醸造 という作業にも通じるところがあるのか、ワイン生産者の中にも折り紙にインスピレーションを感じる人物がいるようです。


ボルドーのサンテミリオン・グラン・クリュに格付けされる シャトー・レヴェシェ のオーナー、彼は折り紙をはじめ日本文化を深く愛しており、 自身のワインのラベルに折り紙の絵を採用 しました。



こうしてリリースされたボルドーワインの名は、ずばり オリガミ！


2009年ヴィンテージのラベルをよくよく見てみると、 シャトー・レヴェシェのラベルを折って造られた鶏 だという事がわかります。


オリガミは日本の工芸品である折り紙の、長い歴史や丁寧に手で折られる様子、儀式的な目的で使用されてきた伝統を、ボルドーで育まれてきた伝統に重ね合わせ、 日仏の文化の深遠さに敬意を込めて造られたワイン なのです。



シャトー・レヴェシェのオーナーは芸術をこよなく愛しており、過去のラベルにも一流のアーティストにデザインを依頼してきました。


オリガミ・2009年ヴィンテージのデザインを手がけたのはクロード・ベルナールというデザイナーで、オーナーの 「気軽に楽しめるワイン」 というリクエストを受けて描かれたもの、今後もヴィンテージ毎にどんな折り紙が登場するのか楽しみなところです。