ワイン名エテルヌム・ヴィティは「永遠のブドウ樹」という意味があります。


1863年頃から全世界に猛威を振るったブドウの病害虫「フィロキセラ」。その威力は当時のブドウ樹をほぼ壊滅せてしまう程の大打撃を与えました。今では、フィロキセラ前のブドウ樹（プレ・フィロキセラ）は、ほとんど残っていないとされていますが、このワインはそんな貴重なプレ・フィロキセラの樹を含んだブドウを使って作られているのです！


生産地はスペインの中央やや北寄りに位置する「トロ」という場所です。トロはスペイン語で闘牛の意味があり、その名の通りパワフルな赤ワインが生み出される地です。 高温と乾燥、そして砂質の土壌が影響してフィロキセラの難を逃れたと言われ、樹齢の高い樹の畑が多数存在します。ここで生まれるのが土着品種「ティンタ・デ・トロ」です。


生産者ラファエル・デ・ハーンは、トロの真髄はこのティンタ・デ・トロの古樹がもたらすピュアでパワフルなキャラクターだと確信し、力強さと凝縮感のマッチしたワインを生み出しました。


初ヴィンテージの2007年に早くもワインアドヴォケイト誌で取り上げられ、スペインのバリューワイン100にも選出されました。

また、予約が取れないレストランとして名を馳せたスペインの名店「エル・ブジ」で、ソムリエを務めていたダビッド・セイハス氏は彼の著書「2010年に飲みたい世界の110のワイン」で、このワインを取り上げ、お気に入りのワインとして絶賛しています。


ほとんど黒と言っても良い程の濃く艶のある紫色の色調に、濃いスパイスやオーク由来のトースト香が感じられます。味わいはリッチで甘い果実を感じる中で、きめ細かいタンニンが心地よく感じられるベストバランス。品種の持つパワフルさと、古樹の凝縮さが秀逸な一本を生み出しました。