シャトー・ベイシュヴェルは、ボルドー地方サン・ジュリアン村にあるメドック格付け第4級のシャトーです。

サン・ジュリアンのワインは、北にあるポイヤックの持つ力強さと、南にあるマルゴーの香り高さをあわせ持っているのが特徴で、バランスの良い調和の取れたワインが多く生み出されます。カベルネ・ソーヴィニヨン主体で長期熟成型のどっしりとしたワインが多いメドック地区において、ベイシュヴェルではメルローの比率を高く設定し、早くから飲める親しみやすいスタイルを目指しています。

1855年の格付け当初は、フランス革命の混乱などもあり品質がやや低迷し、４級に甘んじてしまいました。しかし現在は、その品質は飛躍的に向上しサン・ジュリアンのトップシャトーと肩を並べられるほどに回復しました。そのため現在のベイシュヴェルは「格付け２級に匹敵する」とも言われています！

芯の強さと繊細さを併せ持ち合わせながら、余韻が長く優しく染み入る味わいは、決して主張しすぎることなく飲む人の舌に寄り添います。いつ飲んでも美味しいベイシュヴェルのスタイルは、レストラン業界からも厚い信頼を寄せられています。

今回ご紹介するのは、そのベイシュヴェルの1996年ヴィンテージ。

1996年のボルドーは、前年と同様にフランス全土で天候に恵まれた非常に秀逸なヴィンテージです。特に、右岸よりも左岸の評価が高く、さらにその中でも北側に位置するサンテステフ〜サン・ジュリアンにかけての地域が素晴らしい出来だと評価されています！

25年の熟成を経て、複雑さを増した格付けシャトーの特別な味わいを、是非ご堪能ください。