ボルドー大学醸造学部の教授で、白ワイン醸造の世界的権威でもあるドゥニ・デュブルデュー教授。彼がグラーブの南部プジョリス・サ・シロン村に所有するシャトーが「クロ・フロリデーヌ」です。

デュブルデュー教授は、「マセラシオン・ペリキュレール」という技術を確立しボルドー白ワイン醸造界に革命を起こしました。これはブドウの果皮を果汁に低温で長く接触させることでブドウの果皮に含まれるアロマ成分を引き出す方法で、その手法は1980年代からボルドーの白ワイン造りによく採用されるようになります。

デュブルデュー教授は、コンサルタントとして自ら編み出した発酵方法をボルドーの多くのシャトーに伝授しました。その後、シャトー・カルボニューやシャトー・ド・フューザルといった素晴らしいワインが生み出され、ボルドーは白ワインの銘醸地として名を馳せるようになります。

実はボルドーだけでなく日本ワインにも深い関わりが。シャトー・メルシャンの甲州きいろ香を考案した故・富永敬俊博士の指導教官として、甲州の醸造も進化させた経緯を持ちます。

ロバート・パーカーは、2004年発行の「ボルドー第４版」で、 「彼が造る素晴らしいワインを一度テイスティングすれば、クロ・フロリデーヌがラヴィル・オー・ブリオン、ドメーヌ・ドゥ・シュヴァリエのような伝説なワインの品質にも匹敵する、見事な白のグラーヴだということが明らかになる。どこから見ても格付けシャトーに値する秀逸なワインだ。」と評価しています。

「フロリデーヌ」というワインの名前は、愛妻フローランスさんと、自身のドゥニの名からつけられたもの。ラベルに書かれた白い帆船は、自身のワイン造りを航海に例えたものと言われています。

残念ながら、デュブルデュー教授は2016年に亡くなってしまいましたが、その意志は2人の息子たちに受け継がれています。

「白ワインの法王」が手掛ける、華やかなアロマとキレの良さが素晴らしいボルドーブラン。白ワインのトップの風格を、お楽しみください！