ブルゴーニュ白ワイン生産者の頂点に君臨する「ドメーヌ・ルフレーヴ」。


ドメーヌの設立は20世紀の始めで、ワイン造りの歴史は実に1700年代からという超老舗。


ジョゼフ・ルフレーヴ氏が設立したこのドメーヌは、息子のジョーとヴァンサンに引き継がれ、その評価を確固たるものにしていきます。


ジョーとヴァンサンが亡くなった後は、それぞれの子供であるオリヴィエとアンヌ・クロード（女性）が引き継ぎましたが、オリヴィエは自身のネゴシアン業に集中するためドメーヌを離れ、その後はアンヌ・クロードが経営を担ってきました。


ドメーヌはピュリニー・モンラッシェを本拠地とし、実に25haという広大な畑を所有。シュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビアンヴィニュ・バタール・モンラッシェを始め、その殆どをグラン・クリュ、プルミエ・クリュが占めるという豪華なラインナップです！


シュヴァリエ・モンラッシェのレベルがあまりにも高いことから、「フルレーヴにモンラッシェは必要なし」とまで言われていましたが、1991年には念願のモンラッシェも購入！僅か0.08haという極小の区画で、生産量は毎年1樽に満たない程。殆ど入手出来ないワインで、あったとしても100万円クラスのワインです。


当主のアンヌ・クロードは1990年からドメーヌに参画し、 翌年の1991年からは全面的にビオディナミへの移行を決定。 既に高い評価を受けていたワインは更に研ぎ澄まされ、ドメーヌの評価を伝説的な位置にまで引き上げていきました。


2006年にはイギリスのデカンター誌が選ぶ 世界の白ワイン生産者TOP10で見事第1位を獲得するなど、その評価は世界一と言ってもいい程です。


テロワールを純粋に表現するそのワインは、過度な力づけを行わないピュアな味わい。ぶどうの持つ生命力が溢れてくるような華やかな香りと、鋼のようなミネラルが入り混じり、長期熟成にも耐えられる偉大なワインとなります。


ビオディナミを実践する女性当主として、マダム・ルロワとも度々並び称されてきたアンヌ・クロード氏は、残念ながら乳がんで2015年4月に死去。 「ビオディナミは単なる栽培法ではなく、生き方に関わっている」と語っていた彼女らしく、放射線治療などの科学的な治療を拒んでいたといいます。


ドメーヌはアンヌ・クロード氏のおいである、ブリス・ド・ラ・モランディエ氏に引き継がれましたが、「自然の力に対する謙虚さ、アンヌ・クロードが実践してきた優れたワイン造りへのあくなき追求を続ける」と語るように、今後もその名声を守っていく事でしょう。