コート・ド・ニュイ最大の産地にして、最多9つのグラン・クリュを擁するジュヴレ・シャンベルタン。


「ブルゴーニュの王」として、世界中のワイン愛好家から愛されています。


9つあるグラン・クリュは、隣り合っていたとしてもそれぞれの特徴を持ち、出来上がるワインは、異なる特徴を持ちます。


今回紹介する ラトリシエール・シャンベルタン は、グラン・クリュの中でも、軽快で繊細、ミネラリーな印象を持った女性的なワイン。


パワフルで力強い、男性的なジュヴレ・シャンベルタンのワインとは一線を画し、一風変わったグラン・クリュ、ともいえるでしょう。


そんなグラン・クリュを所有し、ワインを造っているドメーヌが・・・


●カミュ・ペール・エ・フィス


ブルゴーニュが好きな方なら、一度はその名前を、見たことや聞いたことがあると思います。


1830年にジョセフ・カミュが創業し、1974年に孫であるユベール・カミュがドメーヌを継承しました。


3代目となるユベール氏は、原産地呼称を管理するフランスの公的機関INAOの地域代表や、BIVB（ブルゴーニュワイン委員会）の局長を務める、などブルゴーニュの発展に尽くした人物。


シンプルで昔ながらのクラシックな造りで、発酵時の温度調節機を導入した以外は、 50年以上、同じ作り方を守っています。


このスタンスは称賛を受けつつも、「現代的でない」「薄い」といったネガティブな意見も存在し、しばらくの間一部の評論家から、酷評を受ける時代もありました。


しかし2010年以降、世界的に趣向が変わって、エレガントなワインを求めるようになり、徐々にカミュが脚光を浴びるようになります。


流行に左右されない、 一本芯の通った職人気質のエレガントなワイン 。これを市場が評価するようになりました。

「我々は年間数十万本を生産しているわけではありません。我々がずっと造り続けているものは、ジュヴレ・シャンベルタンという特別な土地の魂をワインに宿すこと。伝統にこだわるのもそのためで、それがクラシックな味わいと評価されるのは当たり前のこと。それでも我々のワインを認めてくれる人たちがいるのはとてもありがたいし、その人たちのためのワイン造りが、今後も続けられれば幸せです。」

カミュ家の当主の言葉です。


この信念が、力強さよりもエレガントさ、濃厚さよりも繊細さを重んじた、 滋味深く優しい味わいのワインを造りだしています。


この信念は価格にも影響し、必要以上に市場の価格を追わず、自らが思う価値というものを、素直に価格に表しています。


その結果、何が起こるかというと・・・


●消費者にとってお買い得なワインが現れるんです！


実際、このワインは、ラトリシエール・シャンベルタンとして 市場最安値！ （2020年2月現在）


他のシャンベルタン・グラン・クリュと比べても、かなり値ごろな価格設定となっています！


時間も手間もかかるやり方であろうと、評論家や市場から酷評されようとも、昔ながらの伝統的な製法を守った職人。


先祖代々の信念を貫き、80歳を超えた今なお畑に出て、ブドウやワインと真正面から向き合っているユベール・カミュ氏が造り上げたワイン。


ぜひこのワインの持つ繊細さや優しさを自らの舌で感じてみて下さい！