あの有名ドメーヌ「プス・ドール」の偉大なる醸造家であり、ブルゴーニュの生産者の指導者でもあった、故ジェラール・ポテルを父に持つ二コラ・ポテル。

かつて若かりしニコラにとって、未来に限界はないように見えたに違いありません。 彼もまた才能にあふれ、野心があり、より深くブルゴーニュワインを理解するため、オーストラリアやアメリカへ修行の旅に出ます。

彼はまた自分の故郷を忘れることなく、シャンボール・ミュジニーやムルソーの名門マトロでブルゴーニュで屈指の人気を誇るあのクリストフ・ルーミエと1年間働きます。

その後、父ジェラール・ポテルは急逝し、ドメーヌは売却されてしまいます。 二コラ・ポテルは父親、家、そして醸造家として成長するための道を一度に失ってしまうのです。

ワインの造り方は知っていますが、ブドウ園はありません。彼が醸造家として成功するにはネゴシアンになるしかありません。

「父の評判は私を大いに助けてくれました。」と二コラ・ポテルが言うように彼にブドウを供給してくれた多くの栽培者はジェラールの個人的な友人だったのだとか。

当時のネゴシアンには大変珍しく、完成したワインではなくブドウの状態で入手することにこだわり「新しいタイプのネゴシアン」として脚光を浴びます。

二コラ・ポテルのワインが大成功を収めたのは「ワインがとても良かった」という単純な理由からでしょう。

ところが、2008年には当時の親会社であったコタン・フレール社と決別、二コラ・ポテル氏は自らの名前を冠した会社を去ります。

現在はネゴシアン「メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌ」を運営し、一方の「メゾン・ニコラ・ポテル」は醸造家ジャン・クリストフ・パスコー氏が運営しています。

現在ではIWSCやワイン・スペクターやデキャンタ―など各ワイン冊子より高い評価を受け続けているのです。

クリオ・バタール・モンラッシェはブルゴーニュ地方のコート・ド・ボーヌ地区の南部シャサーニュ・モンラッシェ村に位置するとても小さなグラン・クリュ特級畑。

「ブルゴーニュのコート・ド・ブラン（白）」とも呼ばれ、ここでは複雑な芳香、豊かな果実実の白ワインが生まれます。

この小さな畑を複数の生産者が分割して所有しているためなんとも生産量が少なく、市場で見かけることがとても稀なワインなのです。

二コラ・ポテルは2002年には年間30万本ものワインをリリースしていますが、「クオリティを完璧にコントロールするため、将来的には生産量を約3分の1にまで減らしたい」と熱心に語っていたのだとか。

波瀾万丈な二コラ・ポテルが造る、極めて希少なワインのご紹介です！