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パリ農産物コンクール金賞受賞! このワインについて 真夜中に機械で収穫を行ないます。24〜48時間スキンコンタクトを行ない、15度の低温で圧搾します。この果汁を醗酵させずに3週間保存しておきます。そして、フルーティさを引き出します。酵母は25年間同じものを使っています。最低18度で約6週間醗酵させます。大事なのは果実の温度を保つことです。ステンレスタンクで澱と攪拌しながら3ヶ月熟成します。やや薄い黄色、フルーティで熟した洋ナシや白桃のようなはっきりとした甘い香りと、余韻にはローズマリーのようなハーブの香りもあります。熟したリンゴやバナナのようにフレッシュで果実味にあふれ、酸味は穏やかで凝縮度の高い目の詰まった味わいです。ほのかな苦味が全体に締りを与えてくれます。しかも程良いボディとまるみがあるので、飲み応えも感じられます。 生産者について 会う度に、数々の名言を生むパスカル。ワイン造りについても、多くを語ってくれます。 『キーワードは、「オープンマインド」。偏見を持たずに、世界の素晴らしいワインに触れることが出来た。また、革新的なワイン造り(スキンコンタクト、夜間の収穫)を始められた。「自由であること」。ビオディナミ、オーガニック、様々な農法がある。どれも否定しないが、ひとつだけで完璧なものはない。葡萄、品質に良いと思えば取り入れる。「コストパフォーマンス」。人々は昔より世界中のワインを知っている。ラベルやブランドでワインを買う人は減っている。個人的にも様々なワインを買い、消費者の目線になって考えている。ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。』(2013年来日)。 『私は、ワイン造りは90%が自然の力によるものだと信じている。そして残りの10%は理解できない未知の部分を持つ。私にはその10%の未知の世界が面白くてしかたがない。私のワインはどこのコピーでもない、私のワインなのである。それはまるで料理つくりと同じである(彼は元料理人)。よい材料が肝心で、さらに個々の料理人の味わいが出る。』(2006年春)。 pick up
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フランスワインの産地区分では、 「南西地方」 とされる ベルジュラック地区 ですが、位置としては ボルドーに隣接、 サンテミリオンやポムロルといった屈指の銘醸地が、ドルトーニュ河を下ればすぐそこの場所にあります。
使用されるブドウ品種やワインのタイプもボルドーとよく似ていますが、何しろこれだけ近ければ無理もありません。
高名なボルドーの影に隠れてしまうイメージが強いのですが、ワイン造りの歴史はボルドーよりも古く、歴代の王室にも愛されるワインを生産してきた、 高いポテンシャルを秘めた産地 なのです。
このベルジュラックよりご紹介するのは、自然派生産者の シャトー・デ・ゼサール。
化学肥料を一切使わず、畑の土にできる限り手をかけ、後は自然の力に委ねるブドウの栽培にこだわっています。
そのワインは非常にコストパフォーマンスが高く、 同価格帯で比べたらボルドーを脅かすほどの実力 であり、デカンタ誌による南西地方の特集記事「フロンティア・スピリット」では、写真入りで掲載される待遇を受けました。
オーナーのパスカル・キュイセさんは元料理人であり、良い材料と個性が肝心なのはワイン造りでも変わらず、どこのワインでもない 自分だけのオリジナルワイン を意識しています。
今回シャトー・デ・ゼサールより入荷してきたのは、 AOCベルジュラックの辛口白ワイン、 ソーヴィニヨン・ブランを主体にセミヨンのブレンドで、傾向も使用品種もまさに ボルドーの白ワインとそっくり。
熟したリンゴやバナナのようにフレッシュで果実味にあふれ、酸味は穏やかで凝縮度の高い目の詰まった味わい、ほのかな苦味が全体に締りを与えてくれます。
程良いボディと丸みがあって飲み応えも感じられ、 2013年ヴィンテージではパリ農作物コンクールで金賞を獲得した逸品です。
「この地域でこんなにコスパの高いワインを造っているのだから、自分はワイン造りで絶対に金持ちになれない」 とパスカルさんは語りますが、そのセリフは自らの造るワインに大きな自信を持っている証拠。
ベルジュラックを地区はじめ南西地方ではシャトー・デ・ゼサールのように、洗練されたワインを造る生産者が増加しており、もはや「影が薄い」なんて言えない、 目の離せない産地 へと進化を続けています。