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価格4,664円(本体価格:4,240円)
価格9,680円(本体価格:8,800円)
価格6,600円(本体価格:6,000円)
価格3,696円(本体価格:3,360円)
価格3,520円(本体価格:3,200円)
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価格2,585円(本体価格:2,350円)
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価格33,000円(本体価格:30,000円)
価格2,486円(本体価格:2,260円)
価格5,280円(本体価格:4,800円)
プイィ・フュメ Pouilly-Fume
世界的なソーヴィニヨン・ブランの銘醸地として知られる、ロワール地方のプイィ・フュメ。ソーヴィニヨン・ブランの一大生産地であるロワールでは、この品種を用いるアペラシオンが他にも多く存在しますが、その中でもサンセールとプイィ・フュメだけは別格の扱い。それどころか昔は、ソーヴィニヨン・ブランと言えばサンセールかプイィ・フュメのワインを指していたほど、ワイン界で圧倒的な存在感を誇っていました。ボルドーでも偉大なワインを産み出していますが、たいていは他の品種とブレンドされてしまう事を考えれば、純粋なソーヴィニヨン・ブランのワインと言い切れないところがあります。ニュージーランドやカリフォルニアなど、新たな銘醸地が台頭してきた現在も、偉大な産地としてプイィ・フュメの評価は変わる事なく、最高峰のソーヴィニヨン・ブランとして愛好家の高い支持を得ています。
プイィ・フュメという産地とワインの特徴
プイィ・フュメの「フュメ」とは、煙や燻製を意味するフランス語。ブドウの実の表面につく白い粉が、煙で燻したように見えるためという説もありますが、その名の通りスモークしたようなニュアンスがワインに感じられる事が由来とされています。これは火打石の香りと表現されますが、実際にプイィ・フュメの土壌はシレックス、すなわち火打石の成分(ケイ酸塩)が多く含まれている事でも有名。この地質はまたワインに独特のミネラル感を与え、プイィ・フュメとしての特徴を形づくる大きな要素となっています。
そのスモーキーなニュアンスが、スモークサーモンなどの燻製とマッチする他、ホタテなどの貝類にエビやカニなど、魚介類全般とも相性良好。サンセール同様、他の産地ではなかなか真似できない気品の高さが感じられ、シェーブルチーズとも良く合うし、品種の強い個性がありながらも、不思議と繊細な料理の味わいも壊さず引き立て役にもなれる器用なワインです。
プイィ・フュメではソーヴィニヨン・ブランがあまりに有名なため、その陰に隠れて目立たない存在となってしまっていますが、全く同じ産地でシャスラによる白ワインも造られており、プイィ・シュール・ロワールの名でわずかに流通しています。品種は違えど同じ土地で育まれた白ワインであり、飲んでみればプイィ・フュメのテロワールを理解する事に役立つかもしれません。
ちなみカリフォルニアで生産されるソーヴィニヨン・ブランは、フュメ・ブランと呼ばれる事があります。これはかつてロバート・モンダヴィがカリフォルニアで産み出した、ソーヴィニヨン・ブランのワインに名づけられたもので、発想の元となった偉大なプイィ・フュメを意識してのネーミングでした。このワインは1971年の初リリースより大好評を収め、現在のようにソーヴィニヨン・ブランがカリフォルニアで広く栽培されるきっかけとなった1本でもあります。
まるで双子のアペラシオン、サンセールとプイィ・フュメ
川の対岸に位置するAOCサンセールも、プイィ・フュメと一緒に語られる事の多い銘酒です。ソーヴィニヨン・ブラン100%で造られるだけでなく、土壌や気候が似通っている事もあって、ワインに感じられる印象はかなり似ています。サンセールはわずかにボディがふくよか、プイィ・フュメはわずかに香りの面で勝るという意見もありますが、区画や畑によって微妙に土壌は異なる上に生産者のスタイルも多様。正直なところブラインドテイスティングで並べられたら、サンセールとプイィ・フュメを完璧に言い当てるのは至難の業でしょう…。
実はブドウの栽培面積では、プイィ・フュメはサンセールの約半分しかありません。なのでどちらかと言えばサンセールよりも、プイィ・フュメの方が流通量も少なく入手しづらいワインではあります。またサンセールが赤・ロゼを生産できるのに対し、プイィ・フュメでは白しか認められておらず、シャスラの畑がわずかにあるものの、よりソーヴィニヨン・ブランに特化したアペラシオンと言えるかもしれません。
カリスマ生産者を筆頭に、優れたプイィ・フュメを造る生産者
プイィ・フュメにおいて、伝説的な生産者がディディエ・ダグノーです。ワイン造りをはじめる前はモトクロスのレーサーだったという異色の経歴に、一般的な生産者のイメージとかけ離れた派手なファッション。アンリ・ジャイエやドゥニ・デュブルデューといった大御所に教えを仰ぎ、ワイン界に彗星のごとく現れると瞬く間にトップ生産者の階段を駆け上がり、「ロワールの鬼才」の異名をとるほどまでに栄進しましたそのワインは、酸味、果実味、ミネラル感という、各要素が強くありながらもうまく調和した、まさに最高レベルのプイィ・フュメ。そんなディディエ・ダグノーは2008年、まさかの飛行機事故でこの世を去ってしまいます。その畑は息子のルイ・ベンジャミン・ダグノーに受け継がれましたが、彼は偉大な父親に劣らない才覚を発揮、先代と変わらないクオリティで評判となっています。
もう一つ、プイィ・フュメを語る上で外せない生産者がラドゥセット。その歴史は古く、1787年にシャトー・ドゥ・ノゼと周辺の広大な畑を譲り受け、以降一族はこの地で圧倒的な存在感を放ってきました。現在はプイィ・フュメ全体の実に半分以上を生産しており、サンセールや下流のヴーヴレイなどにも進出している、ロワールで最大規模の生産者でもあります。もちろんただ生産量が多いだけでなく、その品質は多くの愛好家が認めるところですが、中でもラドゥセットを代表するフラッグシップがバロン・ド・エル。秀逸なヴィンテージしか生産されない特別なキュヴェで、シャトー・デュ・ノゼの中で最も優良な区画のブドウを使って造られており、こちらもプイィ・フュメの最高峰と言うべき気品あふれる1本です。
ディディエ・ダグノーもラドゥセットも、素晴らしい品質だけあってそのワインはかなり高価なのですが、もっとリーズナブルに楽しめて、なおかつ良質なプイィ・フュメを造る生産者は他にも存在しています。その一例を挙げれば、ソーヴィニヨン・ブランの魔術師と呼ばれ注目を集めているパスカル・ジョリヴェや、ディディエ・ダグノーの親戚にあたるセルジュ・ダグノーなど。有機栽培によって生産されたソーヴィニヨン・ブランで、オーガニックのプイィ・フュメを造る優秀な自然派生産者にも注目が集まっています。