トップ > ボルドー > サン・テミリオン > サン・テミリオン格付け > シャトー・ラ・ガフリエール

シャトー・ラ・ガフリエール

Chateau La Gaffeliere

シャトー・ラ・ガフリエールは、ボルドー右岸にあるサン・テミリオンのアペラシオンで、最も古い歴史を持つ家族経営の生産者です。マレ・ロックフォール家によって運営されており、シャトーは個性的なシルエットを備え、毎年数千人の観光客を歓迎しています。

彼らの所有する敷地は32ヘクタールを超えており、そのうち22ヘクタールはグラン・クリュです。テロワールは粘土、石灰岩、チョーク、砂質の土で出来ており、テロワールの持つ個性を最大限に表現して造られる彼らのワインは、サン・テミリオン特級格付けにおいて、第一特別級B(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB)を獲得しています。

シャトー・ラ・ガフリエールの歴史


シャトー・ラ・ガフリエールの歴史を辿ると、1400年代まで遡ることができます。古代ローマ人によって残された遺跡により、遥か昔からこのシャトーの地ではブドウの木が植えられていたことが明らかとなっています。15世紀のこのシャトーは、ワイン造りのために建てられたものではなく、ハンセン病患者を受け入れるための施設であった可能性があると言われています。

シャトー・ラ・ガフリエールの現在の姿は、17世紀にコント・ド・マレ・ロックフォール氏がこのシャトーの所有者になったことから始まりました。ワイン造りに適した土地においてマレ・ロックフォール家は努力を重ね続け、18世紀には、シャトー・ラ・ガフリエールは高品質のサン・テミリオンワインを生産するという評判を得るまでとなりました。1961年までは、「ラ・ガフリエール・ノード」として名を持つ彼らのワインがとても際立っていました。

しかし1961年以降、シャトー・ラ・ガフリエールのワインは、その品質を低下させてしまいます。1980年代は、彼らにとってベストな時期ではありませんでした。この時代の10年間は、現在のヴュー・シャトー・セルタンのオーナーであるアレクサンドル・ティエンポン氏が、若い頃にシャトー・ラ・ガフリエールで経験を積んでいた頃でした。

マレ・ロックフォール家は、天才醸造家として有名なステファン・デュルノンクール氏とチームを組むことで彼らの造るワインの品質を向上させ、完全回復を果たしました。

2014年末、マレ・ロックフォール家は、カサット家からシャトー・モーヴザン、ドメーヌ・ド・ペルロング、シャトー・オー・バドンを含む13ヘクタールの土地を購入しました。また同年、3ヘクタールのブドウの木を再栽植しました。

シャトー・ラ・ガフリエールのワイン生産


現在、サン・テミリオンにあるシャトー・ラ・ガフリエールのブドウ畑では、メルロー75%、カルベネ・フラン25%が植えられています。1990年代半ばでは、メルローは65%しか植えられておらず、かわりにカルベネ・ソーヴィニヨンが10%植えられていました。

彼らのブドウ畑は3つの地域に分かれています。最も優れたテロワールは、シャトー・オーゾンヌとシャトー・べレール・モナンジュの近く位置する、7ヘクタールのブドウ畑です。また、シャトー・ムーラン・サン・ジョルジュの隣には、より平らで小さな区画のブドウ畑を所有しています。そして、最も大きな所有となるブドウ畑は、シャトー・パヴィの道路を挟んだ所にあります。

2000年以来、彼らはブドウの木の移植プログラムを開始し、現在では平均35年ほど穏やかに成長させることが可能となりました。彼らのブドウ畑では、1ヘクタールに付き6000本のブドウの木が植えられています。

彼らは環境に優しいブドウ栽培を行っています。ブドウの木は栽植密度に応じて、一度または二度の剪定を行います。ブドウに最大限の太陽の光を浴びせることで、完全な熟度をもたらすために、細心の注意の払いながら葉を剥き取ります。

1980年代初期の頃は、ブドウの収穫を機械によって行っていましたが、その方法は取りやめ、現在は手作業で行っています。選別されながら収穫されたブドウは、小さな箱を使用して運び、一晩8℃の冷蔵庫に保管します。その後、さらに機械による選別が行われます。

シャトー・ラ・ガフリエールでは、温度制御が可能なステンレス鋼のタンクを使用して醸造を行っています。2013年に全面改装された醸造庫は、20個ある紫色のステンレス鋼のタンクで構成され、その形は上下逆さまな円錐形となっています。この新しい空間は革新的かつ実用的でありながらも、建物自体は石の壁と木枠が使用された伝統的な風貌となっています。

各プロットは、テロワールの持つ個性を最大限に抽出するために、個別で処理されます。収穫されたブドウは、全果実が発酵され、優しくゆっくりとアルコール発酵が行われます。その後、フレンチオークのバレルを使用し、マロラクティック発酵を行います。 熟成には、平均50%の新しい木を含んだフレンチオーク樽を使用し、ワインはヴィンテージの個性と品質に応じて、14〜16か月間熟成されます。

ヴィンテージごとの生産量は、4000ケースをわずかに超える程度です。また、シャトー・ラ・ガフリエールでは「クロ・ラ・ガフリエール」と呼ばれるセカンドラベルも生産されています。

1995年以来、マレ・ロックフォール家は「レ・オー・デュ・ラ・ガフリエール」を生産しており、それはサン・テミリオンとAOCボルドーワインの両方として、彼らのネゴシアン会社であるメゾン・マレ・ロックフォールで販売されています。