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メキシコ

Mexico


メキシコの代表的なお酒といえばテキーラですが、実はメキシコはワインが格安で高品質な産地であることは、まだまだピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

実は、メキシコのワイン造りの歴史は古く、400年以上も前から造られており、アメリカ大陸最古のワイン生産地はメキシコなのです。現在国内の10以上の州でワインが生産されており、気候や土壌がアメリカのカリフォルニアワインに類似していることから、大変良質なワインが多く造られているのです。

メキシコ有名生産地 グアダルーペ・バレー


アメリカ・カリフォルニア州の直下にあるバハカリフォルニア州のエンセナーダ近郊のグアダルーペ・バレーはメキシコ有数の高価なワイン生産地として知られています。バハ・カリフォルニアはカリフォルニア州のサンディエゴから15分南から行けるほどアメリカからの至近距離でカリフォルニア湾と太平洋に挟まれた沿岸部の縦1250キロほどの半島です。地域柄かアメリカからの観光客が多く訪れます。

グアダルーペ・バレーは、1980年代頃から本格的なぶどう栽培によるワイン造りが始まり、現在は同地に25ヶ所のワイナリーが存在しています。そのブドウの品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、テンプラニーニョ、ジンファンデル、グルナッシュ、カベルネ・フラン、ネッビオーロなどを使った赤ワイン、そしてソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ヴィオニエなどを使った白ワインが造られています。

ワインカントリーとしてのアピールか、エンセナーダ市の車のナンバープレートのデザインは、ぶどうのデザインになっているほどです。

グアダルーペ・バレーの気候と土壌


グアダルーペ・バレーは、太平洋から約22km、海抜350mの高さに位置しています。アメリカ・カリフォルニアと同じく地中海性気候で、11月〜3月までは雨期があるものの、夏はカラッと湿度が低く乾燥しています。

顕著な違いはグアダルーペ・バレーの土壌には、塩分が含まれている点です。時にその塩分がワインに現れることもあり、テロワールで考えると、このままこの独特の味を生かすべきだという意見もあれば、塩分がワインの味わいにそれほど目立たないようにぶどう品種の変更など、日々品質改良に尽力しているワイナリーもあるようです。

メキシコワインの特徴


メキシコワインの造り手のそのほとんどはイタリアからの移民者です。つまりワインの味にもそのテイストが出ており、今、流行りの色の濃い、リッチな赤ワインとは一線を画し、その深みと落ち着きのある赤は、スペインワインを彷彿とさせます。

そのほとんどにカベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランなどフランス品種のブドウを使いますが、しかし、フランス原産のブドウから造られたワインであっても、スペイン人から伝承したワイン造りの技により、それらをメキシコの地に浸透させ、加えてイタリア人のセンスがそこに融合し、造り出されたワインはしっかりと「メキシコワイン」の新たな地位を確立させています。そのテイストの特徴は、穏やかな果実味、落ち着きがあり、芳香な香りと深みのある味わいです。

メキシコワイン 代表ワイナリー


ラセット

現代のメキシコのワイナリーとして忘れてはならないのが、前述しましたイタリア系のワイナリー、「ラセット」です。ラセットはメキシコ最高峰のワイン生産地グアダルーペ・ヴァレーの名門ワイナリーです。グアダルーペ・ヴァレーが位置するエンセナーダ産のブドウはメキシコでは最高級となっており、ラセットのワイン造りに使用するブドウは100%自社畑で収穫された物のみを使っています。

そんなメキシコの名門ワイナリー、ラセットが生産するワインは、その50%強をメキシコ国内での販売分、残りは世界30カ国に輸出をしています。つまりラセットのワインは世界で認められているなによりの証と言えるでしょう。

使用しているブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンやプティ・シラー、ソーヴィニヨン等がメインですが、イタリアの影響として、ネッビオーロも栽培しています。このネッビオーロは国際的な評価も非常に高く、ワイナリーのフラッグシップワインとして君臨しています。

カーサ・マデロ

メキシコワインの代表的な有名ワイナリーといえば、「カーサ・マデロ」。1597年に設立されたカーサ・マデロは、 南北アメリカ大陸では、最古のワイナリーです。

メキシコの第3都市モンテレイから西へ約220kmのコアウイラ州のパラスに位置する パラス・ヴァレー。パラス・ヴァレーの気候は年間を通して冷涼で、昼夜の気温差も激しいため、ブドウの栽培・熟成に大変適しています。

16世紀の古来よりワイン造りの歴史があった同地ですが、その後は皆様ご存じのように、メキシコで公用語としてスペイン語が話されているように、長きに渡りスペインの統治下になります。スペイン国王のフェリペU世はこのメキシコ統治下時代、メキシコでのワインを全面禁止にしました。自国産のスペインワインの販売を優先するためです。この生産禁止はメキシコがスペインからの独立を果たす1810年頃まで続くこととなります。そして、この時期よりカーサ・マデロはワインの生産を再び開始し、現在メキシコ全土でトップのワイン生産者の1つとなるワイナリーとなるまでの成長を遂げました。

カーサ・マデロは近代的なブドウ栽培設備の導入や研究を惜しみなく続け、ワイン造りそのものには、伝統的な手法で丹念に製造されます。彼らが造るワインは国際的にも高い評価を受けています。