トップ > イタリア > ロンバルディア > フランチャコルタ

フランチャコルタ Franciacorta

イタリアでは数多くの発泡性ワインが造られていますが、この国屈指のプレミアム・スパークリングワインであり、抜きん出て高い評価を受けているのがフランチャコルタです。すっかり名声が知れ渡っているので、さぞかし伝統も長いのだろうと思いきや、その歴史が始まったのは1960年代になってからのこと。やがてDOCGへと認定されたのは1995年であり、意外なほど新しい銘柄でもあります。

フランチャコルタが造られるのは、イタリア北部のロンバルディア州。この州にはイタリア全人口の6分の1が集中しており、近代的な大都市・ミラノがあまりにも有名です。ミラノ周辺にもインフラが整備され、住宅地や工業地帯が広がっており、一般的に都会的なイメージの強い地域になるでしょう。しかし都市部から離れてみれば、名産品のチーズやオリーブオイルが生産される、他の州と変わらない長閑な風景が目に飛び込んできます。フランチャコルタの生産地域があるのも、ミラノから80kmほど東に行ったブレシア県。あまり種類の多くないロンバルディア産ワインの中で、フランチャコルタは一際大きい存在感を放っています。

フランチャコルタのテロワールと成り立ち


フランチャコルタの産地となっている、イゼオ湖周辺に広がる丘陵地帯は、はるか昔アルプス山脈から押し寄せた氷河が、太古からの地層を削った事によって形成されました。この氷河の浸食によって、様々な年代の地質が表面に現れた事で、一帯は様々な岩や土が入り組んだ非常に複雑な土壌を形成。さらに水深が250mもあるイゼオ湖は、水温が年間を通して安定しており、アルプス山脈からの冷たい空気を遮ってくれます。これによって気候は比較的温暖になり、ブドウの生育しやすい条件が整っているのです。

このようにフランチャコルタというワインは、特殊な気候と地質の恩恵を受けた賜物と言えます。現在は19の自治体にまたがる、2000〜3000ヘクタールほどのブドウ畑があるとはいえ、これ以上に畑を拡大する事は物理的に難しいのが現状のようです。なので他のイタリアの銘酒、例えばキャンティやソアーヴェのように、認定地域を広げる事で生産量を増やそうという戦略は不可能。しかし逆に言えば、この状況こそがフランチャコルタの品質を守っており、無理に拡大する事で低品質化する轍を踏まなくて済んでいるとも言えます。

近年ではフランチャコルタでも、テロワールを追求する動きが盛んになっています。なにしろ地質が複雑に入り組んでいるので、テロワールを特に意識していなければ、同じフランチャコルタに使われるブドウにも関わらず、育った土壌はバラバラというケースもあります。こだわりを持った生産者や愛好家からしてみれば、これはちょっともったいなく思うところでしょう。イゼオ湖周辺の地質は大きく6つに分類されていますが、もちろんさらに小区画単位で相異を見出す事もでき、各々のテロワール表現という要素は、今後もフランチャコルタで重要度を増してくるはずです。

既に述べた通り、フランチャコルタは比較的新しい銘柄です。しかしこの産地では、発泡していない普通のワインが盛んに生産されてきた歴史があり、16世紀頃から既に銘醸地として名声を得ていました。この高いポテンシャルを備えた土地なら、良質なスパークリングワインが造れるはず。そう考えた人物こそ、ベルルッキ社のグイド・ベルルッキだったのです。

彼は若き醸造家フランコ・ジリアーニを相棒に、手始めとしてフランチャコルタの前身となるスプマンテ、「ピノ・ディ・フランチャコルタ」を1961年にリリースしました。この時はわずか3000本ほどの量しか造れませんでしたが、その品質は非常に大きな評判を呼び、やがてベルルッキ社は大成功を収める事になります。その後は他の生産者たちも、続々とこの地で品質重視のスプマンテを生産するようになり、DOCGフランチャコルタが誕生する下地が形成されていきました。

フランチャコルタの元祖となり、その誕生に多きく貢献したベルルッキ社は、現在もフランチャコルタを代表するワイナリーです。当初は3000本だった生産量は、今やなんと年間450万本にまで拡大、そしてイタリア本国で年間400万本という量が消費されており、大きな支持を受けています。他にも日本で人気の高い生産者として挙げられるのが、カ・デル・ボスコやベラヴィスタ、コンタ・ディ・カスタルディ、モンテロッサ、ウベルティ、フェルゲッティーナなどで、いずれも良質なフランチャコルタを世に送り出す一流ワイナリーです。

フランチャコルタの規定と味わい


フランチャコルタでは、シャンパーニュなどで用いられる本格的な製法、瓶内二次発酵方式での生産が義務付けられています。さらに使用できる品種は、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)、シャルドネの3種類のみ。これらの規定だけを見ても、発泡性ワインの王様・シャンパーニュを意識した造りである事は明白です。その品質も申し分なしのクオリティで、まさにイタリア版のシャンパーニュと呼ぶに相応しい存在でしょう。

最低瓶内熟成期間は、一般的なフランチャコルタでも18ヶ月以上が必要になりますが、これはシャンパーニュの15ヶ月を上回る長期の規定。これがロゼになると24ヶ月以上、ミレジメは30ヶ月、リゼルヴァ表記になると60ヶ月以上と定められています。さらにピノ・ビアンコの使用は50%まで、ロゼの場合はピノ・ネロを25%以上使わなくてはならないなど、細かいところまで厳しいルールがあります。フランチャコルタはスプマンテの規格として、イタリアでほとんど例を見ないほど厳格に守られたワインなのです。

またフランチャコルタには、サテンという独特の分類があるのも特徴。これはピノ・ネロを使っていない、いわゆるブラン・ド・ブランのフランチャコルタで、さらにガス圧が4バール程度(5気圧以下)のものに認められる呼称で、最低瓶内熟成期間は24ヶ月以上と定められています。泡が強すぎないように抑えられている事、また長期の熟成を経ている事で、サテンはクリーミーで上品な口当たりと味わいを楽しむ事ができます。

フランチャコルタの味わいは、生産者のスタイルにもよるので一概には言えません。全体的な傾向としては、フルーティーでありつつもしっかりとした酸が備わり、果実感の力強さと繊細さのバランスが絶妙でエレガントにまとまっている点が、他のスプマンテと一線を画すところです。ここまで見てきたように、ハイレベルな内容を考えれば仕方ないところですが、フランチャコルタは安価なものでも、2000円台以上の価格で流通しているのが普通。お値段もシャンパーニュ並みというわけで、毎日気軽に楽しむのにはなかなか難しい価格帯ですが、特別な日に開ける1本として選んでも期待を裏切らないはずです。

17 件中 1-17 件表示 












フランチャコルタ キュヴェ・プレステージ NV カ・デル・ボスコ 白 <br>Franciacorta Cuvee Prestige / Ca' del Bosco  スピード出荷

フランチャコルタ キュヴェ・プレステージ エディツィオーネ NV カ・デル・ボスコ 白
Franciacorta Cuvee Prestige / Ca del Bosco スピード出荷

  • スピード出荷品
  • スピード出荷品

価格5,423円(本体価格:4,930円)

■クール便別途送料加算【660円・1梱包毎(9本)】

在庫切れ








17 件中 1-17 件表示