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カラブリア Calabria
イタリア半島の最南端、長靴の形で言うとつま先にあたるカラブリア州。 南西はメッシーナ海峡を隔てて目前にシチリア島があります。 東はイオニア海、西はティレニア海が広がる南北に細長い州です。両側に海があるのでプーリア州の様に平地が開けているのかと思うとその逆で、バジリカータ州の州境にはポッリーノ山塊、州の中央にはシーラ高原とアスプロモンテ山塊あり、平地は海岸沿いの僅かな地域に限られます。 そのため、イタリア半島の南部に位置しているにもかかわらず、内陸部は冷涼で昼夜の温度差が激しい地域です。
日本ではあまり知られていない州ですが、広い海岸線と真っ青な海は大変美しく、春夏は海水浴客で溢れます。また冬になると山間部でスキーもできるので、年中自然を楽しむ事ができる見どころの多い州なのです。
エノトリア・テレス(ワインの大地)はカラブリア州の事だった!?
ギリシャの植民地となっていた古代には、カラブリアワインの名声は非常に高かったそうです。 ギリシャ人が、イタリアの事を「エノトリア・テレス」(ワインの大地)と呼んでいたのは有名な話ですが、実はここカラブリア州のイオニア海岸沿いで造られていたワインを当時のギリシャ人が称賛し、そう呼ぶようになったそうです。
そんな歴史あるカラブリアワインの中で、最も有名なワインと言えば「DOCチロ」です。 州の東側、イオニア海に近い丘陵地帯が生産エリアです。 白、赤、ロゼの3タイプ造ることができますが、特筆すべきは土着品種ガリオッポ種から造られる赤ワインです。 このガリオッポは世界最古の品種の一つとされていて、ギリシャ人によってカラブリアへ持ち込まれた品種です。 当時、イオニア海側にクレミッサと呼ばれる都市があり、そこで造られる「クレミサ」という名のワインは大変評価が高く、オリンピック勝利者への賞品に使われていたそうです。そしてこのクレミサが、今日のチロの元祖と言われています。 ガリオッポ主体のチロ・ロッソは、チェリーの様なアロマと十分な果実味があります。タンニンは豊かですが、ビロードの様に滑らかで、ボディのしっかりとしたワインです。
州の先端の地域では、DOCグレーコ・ディ・ビアンコという名の甘口白ワインが生産されています。 ブドウの品種名でもあるグレーコ・ディ・ビアンコの「ビアンコ」は、白ぶどうという意味だけでなく、生産地域のビアンコ村に由来しています。収穫されたブドウは棚で吊るすか、太陽の熱で暖められた石の上にのせるかして干され、その後発酵させます。熟成させるとオレンジの花の香りが現れ優美な甘口ワインになりますが、生産量は年間12キロリットルしかないため、殆ど市場に出回ることがない南イタリア屈指の美酒です。
辛い料理とのマリアージュに迷ったら・・・チロ・ロッソ!
マリアージュにおいて、ソムリエ泣かせの代表格が「辛い料理」ではないでしょうか。 特に唐辛子の辛さは刺激が強く、ワインの繊細な香りと味わいを消し去り、口の中は辛さのみが支配してしまいます。ゆえに唐辛子とワインは合せるのが難しいのです。
そんな難関料理に対して救世主とも言えるのが、DOCチロ・ロッソです! 現地カラブリアでは、チロ・ロッソと辛い料理が定番の組み合わせなのですが、なぜでしょうか??
それは「カラブリア料理が辛いから」です。 ペペロンチーノ(唐辛子)を多様に使う辛いもの好きなカラブリア人は、料理に使用するだけでなく、サラミやサルシッチャなどの加工肉や、海産物の加工品にも唐辛子が欠かせません。
カラブリア料理は昔から「ピアット・ポーヴェロ(貧しい食事)」と呼ばれていたそうで、その理由はカラブリアで辛い料理が食べられる様になった中世にまで遡ります。
唐辛子は、15世紀以降の大航海時代に中南米から世界に広まったとされています。 当時カラブリアは諸外国に支配され、住民は貧しい生活を強いられていましたが、ちょうどその頃に持ち込まれ栽培される様になった唐辛子を使って、一年中食べられる保存食を作り始めました。
今では特産品にもなっている「ンドゥイア」は、ピアット・ポーヴェロを象徴する料理です。豚の安い脂肪部位と大量の唐辛子を練って腸詰めし発酵させたもので、パスタソースやパンにつけて食されます。刺激的な辛さの中に旨味もあり、辛いもの好きならばやみつきになってしまう一品です。 他にも、しらうおの唐辛子漬けや、ツナを丸型の唐辛子に詰めたペペロンチーニ・リピエーノ・アル・トンノなど唐辛子を使った郷土料理は様々です。
これらの料理を地元の人達は当たり前の様に伝統的なチロワインと合わせ楽しんできました。
舌をピリリと刺激させるカラブリア料理は、チロ・ロッソの緻密なタンニンと調和し、豊かな果実味が突出した辛味を穏やかにさせます。双方の良さを補い、強さを抑える。 「地のものには地のものを」という定番の組み合わせですが、相性の良さを実感させてくれる納得のマリアージュです。