ジャン・マルク・ボワイヨ

Jean Marc Boillot

コート・ド・ボーヌにおいても一目置かれる赤ワインを生み出すのがポマール村。その土地でジャン・マルク・ボワイヨは偉大な祖父の教えを糧に、赤白共に最高品質のワインを造り出しています。

歴史〜幸運のもとに生まれたドメーヌ〜

ジャン・マルク・ボワイヨはワイン醸造家としては、大変恵まれた環境に生まれました。

父方はヴォルネイの、母方はピュリニーの、それぞれ由緒あるドメーヌの出身で、母方の祖父はブルゴーニュ白ワインの偉大な作り手エティエンヌ・ソゼという、ワイン醸造を学ぶにはこの上ない環境に育ちました。

父や祖父のもとでワイン醸造を仕込まれた彼は、ピュリニー・モンラッシェの「オリヴィエ・ルフレーヴ」で醸造責任者を務めるまでになります。エネルギッシュな彼は、その一方で、1985年に自分のドメーヌを立ち上げたのでした。

はじめは自分の畑を持たずに、ポマールの畑を借りてワイン造りを始めたといいます。しかし、彼の恵まれた血筋は、のちのち彼に素晴らしい畑をもたらしてくれることになるのです。1988年にヴォルネイとポマールの畑を引き継ぎ、さらに1991年にはピュリニー・モンラッシェの1級畑；コンベット、シャン・カネ、ルフェール、トリュフィエールをエティエンヌから譲り受けています。

現在所有している畑は約11ha。赤白共にブルゴーニュの名醸地に畑を持ち、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェなど、そのそうそうたる顔ぶれはワイン好きをうならせます。現在は娘であるリディと、息子ベンジャミンもドメーヌに参加し、赤ワインを5銘柄、白ワインを6銘柄生産しています。

また、1989年からはコート・シャロネーズの白ワインを中心に扱うワイン・ネゴシアンのビジネスもスタートしています。こちらのワインは原料となる果汁をそのままの状態で買い付け、ドメーヌのワインと同様に醸造し、同じラベルを貼って販売しますがドメーヌの表記はありません。

さらに、1999年からは南仏ラングドックにも乗り出し、シラーやルーサンヌの栽培に力を入れています。そのワインは南仏でありながらも、ブルゴーニュのような上品さに溢れた驚きの品質です。

ジャン・マルク・ボワイヨのワイン造り

口数の少ないジャンの代わりに、そのワインが多くを物語ると言ってもいいほど、彼の造るワインは表情が豊かです。赤ワインはふくよかで丸みがあり、果実のみずみずしさをぎゅっと閉じ込めたようであり、白ワインは彼ら作り手の技術がそのテロワールの素晴らしさを存分に表現しています。

ブドウの植樹密度は高く、1haにつき最低1万2千本のブドウの木を植えています。こうすることで、ブドウの木は地中深くまで競い合うように根を張り、テロワールの個性を強く吸収するようになるのです。ブドウの根が土の表面で増えないように、土を耕し、また耕すことで土の中に酸素を送り込み、微生物の活性化を促すという考えのもとで、栽培を行っています。

白ワインはグランクリュを除き、すべて同じ工程で造られます。収穫したブドウは除梗はせずに空気の力で圧搾。絞った果汁は静置し、上澄みをオークの樽で発酵します。新樽の使用率は25〜30％。11か月の熟成期間中は週に1回ピジャージュ（人力による櫂入れ。滓をかき回すこと）をします。

赤ワインは100％除梗。ルモンタージュ（タンクの下から果汁を抜いて、タンク上部から果皮や果肉を沈めるように散布すること）を行うかどうかは、ヴィンテージや畑によって決まります。13度の低温で醸しの作業が行われ、32〜34度でアルコール発酵を行います。新樽使用率は50％。13か月の樽熟成の後タンクで6か月さらに熟成させます。滓引きはせずに瓶詰めを行います。

ジャン・マルク・ボワイヨのワイン

ジャン・マルク・ボワイヨの白ワインは、そのボリューム感とミネラル感が魅力です。エティエンヌ・ソゼの技術を受け継いだパワフルな味わいは常に人気を集めています。

バタール・モンラッシェ

ポマール　プルミエ・クリュ　ジャロリエール

ポマール　プルミエ・クリュ　リュジアン

ピュリニー・モンラッシェ　プルミエ・クリュ　コンベット

ピュリニー・モンラッシェ　プルミエ・クリュ　トリュフィエール

ポマール

ヴォルネイ

ムルソー

ピュリニー・モンラッシェ

シャサーニュ・モンラッシェ

ドメーヌ・レ・ロケ