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ボーヌ Beaune

ブルゴーニュの中心都市であり、ブルゴーニュの商業の中心部でもあるボーヌ。パリからはTGVで約2時間。ブルゴーニュ観光の拠点であり、多くの観光客も訪れる、ブルゴーニュでは珍しい賑やかな街があります。ルイ・ジャド、ルイ・ラトゥール、ジョゼフ・ドルーアン、ブシャールといった、ブルゴーニュ各地の畑を所有する大手ネゴシアンの本拠地も、殆どがこのボーヌにあります。街の地下にはこうした大手ネゴシアンの熟成庫が広がっており、シャンパーニュのランスやエペルネのような地下空間が広がっています。

前述のランスやエペルネ同様に、ボーヌに住む住民も裕福で、フランス国内でもトップクラスの平均所得を誇ります。富裕層が多いこの街は、中世からの歴史的建造物も多く、オスピス・ド・ボーヌ(ボーヌの慈善病院)の最初の建造物である、オテル・デューを始め、数多くの観光名所も残っています。

ブドウ畑は街から少し離れた西側にあります。ボーヌにはグラン・クリュ(特級畑)はありませんが、畑全体の75%をプルミエ・クリュ(一級畑)が占めます。プルミエ・クリュといっても名ばかりなものも稀にありますが、優秀なボーヌのプルミエ・クリュは、品質の割に価格もさほど高くないので、ブルゴーニュきってのコストパフォーマンスを誇るワインとなり、ブルゴーニュの掘出し物を探す人には格好のターゲットになります。

生産されるのは赤ワインが中心で、生産量の85%程度を占めます。白ワインは生産量も少なく、品質もそこそこですが、例外的にジョゼフ・ドルーアンが造るクロ・デ・ムーシュの白は、ボーヌの白ワインの中でも突出した高品質を誇ります。

オスピス・ド・ボーヌと栄光の3日間


ボーヌを語る上でこれ抜きでは語ることが出来ないのが、オスピス・ド・ボーヌ。直訳すると「ボーヌの病院」いう意味の、慈善病院です。1443年、当時ブルゴーニュ公国の財務長官であったニコラ・ロラン氏が、今も残る歴史的建造物であるオテル・デューを建設。そこが病院になり、貧しい人でも治療を受けられるようにと、無料で奉仕することになりました。一方で、病院経営には資金が必要で、その資金を捻出するために、ニコラ氏は自らが所有するブドウ畑を病院に寄付し、そこで造られたワインを販売することで、病院の運営費に充てるようになりました。

この考えに共感したブルゴーニュの生産者達は、ニコラ氏亡き後も次々に自らの畑を寄付していきます。その畑は、コート・ド・ボーヌ全域と、一部コート・ド・ニュイも含まれます。自らの畑の中でも、優秀な区画を寄付するケースが多く、オスピス・ド・ボーヌには秀逸なブドウが集まるようになりました。

現在は既に病院としての機能はありませんが、毎年11月の第三日曜日に開かれるオークションには、世界各国からワイン関係者が集まります。ワインのラベルには、落札者の名前を記載する事が出来ますので、「いつかオスピスのオークションでワインを落札し、ラベルに名前を飾りたい」と言うのは、ワイン業界人の一つの目標でもあります。その年のブルゴーニュワインがいち早く売りに出されるため、ここでの落札価格はブルゴーニュ全体のそのヴィンテージの価格にも影響を及ぼします。

オークションが行われる日曜日を挟んだ土曜、日曜、月曜日の3日間は「栄光の3日間(Les Trois Glorieuses)」と呼ばれ、土曜日にクロ・ヴージョのシャトーで行われるシュヴァリエ・ド・タストヴァンの就任式&晩餐会を幕開けに、メインイベントとなる日曜日のオスピス・ド・ボーヌのオークション。月曜日のポーレ・ド・ムルソーと呼ばれる晩餐会で幕を閉じます。街にはパレードやワイン関連のイベントで溢れかえっており、一般の観光客の方でも試飲(無料も優良も)が楽しめます。

ボーヌの主なプルミエ・クリュ(一級畑)


ボーヌには数多くのプルミエ・クリュが存在し、その畑の数は実に40以上に上ります。畑によっては殆ど村名レベルのものもありますので、ここではプルミエ・クリュの中でもオススメの畑をご紹介します。

レ・ブレッサンド(Les Bressandes)
シャン・ピモン(Champs Pimont)
クロ・デ・ムーシュ(Le Clos des Mouches)
クロ・ド・ラ・ムス(Clos de la Mousse)
オー・クラ(Aux Cras)
レ・フェーヴ(Les Feves)
レ・グレーヴ(Les Greves)
レ・マルコネ(Les Marconnets)

ボーヌの主な生産者


有名な大手ネゴシアンが本拠地としているケースが多いボーヌ。彼らはボーヌ以外でも様々なワインを造っていますが、看板ワインはボーヌ・プルミエ・クリュである事も多いので、迷ったらまずはボーヌを飲んでみると、ネゴシアン毎の特徴がよく分かります。

ドメーヌ・ド・ベレーヌ(Donaine de Bellene)
アルベール・ビショー(Albert Bichot)
ブシャール・ペール・エ・フィス(Bouchard Pere et Fils)
メゾン・シャンピ(Maison Champy)
シャンソン・ペール・エ・フィス(Chanson Pere et Fils)
ジョゼフ・ドルーアン(Joseph Drouhin)
アレックス・ガンバル(Alex Gambal)
カミーユ・ジロー(Camille Giroud)
オスピス・ド・ボーヌ(Hospices de Beaune)
ルイ・ジャド(Louis Jadot)
ドミニク・ラフォン(Dominique Lafon)
ルイ・ラトゥール(Louis Latour)
バンジャマン・ルルー(Benjamin Leroux)
アルベール・モロー(Albert Morot)
ルモワスネ(Remoissenet)


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