ラ・ブリュレ(La Brulee)
クロ・デュ・クラ・ロン(Clos du Cras Long)
クロ・デュ・ヴェルネイ(Clos du Vernay)
クロ・マルソー(Clos Marceaux)
レ・グラン・プレタン(Les Grands Pretans)
レ・ボワ・シュヴォー(Les Bois Chevaux)
プティ・マロール(Petit Marole)
クロゾー(Crausot)
セリエ・オー・モワンヌ(Clos du Cellier aux Moines)
セルヴォワジーヌ(Servoisine)
ジヴリ
Givry
ブルゴーニュの銘ワインが集中するコート・ドール地区の南にある "コート・シャロネーズ地区" は、標高250〜370mの丘陵地に位置しています。この地区にある村名AOCは全部で5つ。AOCジヴリはそのうちのひとつです。
「コート・シャロネーズ」という名前は、ローマ時代から貿易の中心として栄えていた河港"シャロン・シュル・ソーヌ市"からとられています。ブルゴーニュ地方のワイン造りの歴史は4世紀にまでさかのぼりますが、このコート・シャロネーズ地区も例外ではありません。
その真ん中にあるジヴリ村の標高は240〜280m。中世にキリスト教のクリュニー派やシトー派の修道士たちによってワイン造りの基盤が作られたこの地域は、古くからフランス国王の寵愛を受けていました。のどかな風景が広がる村の中心に建てられている教会は18世紀のもので、その教会を取り囲むようにブドウ畑が広がっています。
ブルゴーニュの気候は大陸性気候で涼しく乾燥し、一日の寒暖差が大きいという特徴がありますが、この地域は北部に比べて地中海性気候の影響を受けていることから、温暖で穏やかな面もあります。
こちらのAOCはあまり知名度が高くないことから、これまでは日常的な気軽なワインの産地としての位置づけでしたが、近年は著名な醸造家がこの地域でワイン造りを始めるなど、注目度が上がっています。
AOCジヴリ
ジヴリはフランス国民に人気の高い16世紀の《初代フランス国王アンリ4世》のお気に入りのワインとしても知られており、現在もそのボトルに"favorite wine of King Henri W"「アンリ4世のお気に入り」と表記しているものがあります。
AOCは1946年に制定され、赤白共に村名アペラシオンに認定されていますが、生産の大半は赤ワインです。その他、プルミエ・クリュのクリマ(区画)が26もあります。
ジヴリを生産している村は《Givry, Poncey, Cortiamble, Russily, Dracy-le-Fort, Jambles》の6つで、その畑のほとんどが南向きの好立地。畑は歴史ある中世の城壁を囲む斜面に並んでいます。この地は日照時間に恵まれ、指定品種ピノ・ノワール、シャルドネのほか、カクテル《キール》のベースとなる白ワイン「アリゴテ」の栽培もされています。
AOCジヴリとジヴリ・プルミエ・クリュはアペラシオンの後にクリマの名前を記載することが許されていて、その栽培面積は約270ha。そのうち大半の228haがピノ・ノワール、42haでシャルドネを栽培しています。
コート・シャロネーズ地区における代表的なワインはこのジヴリ村の北部にある "メルキュレイ" が有名ですが、ジブリの赤ワインはそのメルキュレイの弟分にあたります。メルキュレイ同様に濃厚な色合いが特徴です。メルキュレイと比べると優しいストラクチャーで、香りが素晴らしく、ピノ・ノワールの魅力を存分に感じられるワインとなっています。
ジヴリのワインの特徴
AOCジヴリの丘陵地に植えられているブドウはジュラ紀後期の粘土石灰質の土壌で育まれています。カルシウムをしっかり含んだテロワールから生まれるワインの特徴は、ふくよかな赤ワインとフルーティーで軽やかな白ワイン。赤白共にコストパフォーマンスが高い品質を誇ります。
ピノ・ノワールはスミレやイチゴのかわいらしい香りに甘草やクローヴなどのスパイス香も感じられます。しっかりしたタンニンも5年ほどの熟成を経てやわらかく、まろやかになります。
シャルドネは生き生きとした酸とハチミツのような甘さがバランスよく、余韻の長いワインです。柑橘の香りは熟成させると華やかな花の香りや濃厚なフルーツの香りへと変化をとげます。
ジヴリのワインと合わせたい料理とチーズ
郷土料理である"コック・オ・ヴァン"(鶏肉の赤ワイン煮込み)や"ブッフ・ブルギニョン"(牛肉の赤ワイン煮込み)などこの土地の上質な肉とワインを使った料理との相性は抜群です。「シャロレー牛」というフランス最古の肉牛はブルゴーニュでの名産ですが、この肉を骨付きのまま赤ワインのソースとともに現地では提供されます。
ジヴリに合わせたいチーズとしては、濃厚で噛み応えのある山のハード系チーズ、もしくはねっとりとコクのあるウォッシュ系もおすすめです。修道士が作る "アベイ・ド・シトー" や "カンタル" "コンテ" はぜひそのマリアージュを楽しみたいチーズです。
ジヴリの代表的な生産者
フランソワ・ランプ Francois Lumpp
ドメーヌ・ジョブロ Domaine Joblot
ジヴリの代表的な1級畑
ラ・ブリュレ(La Brulee)
クロ・デュ・クラ・ロン(Clos du Cras Long)
クロ・デュ・ヴェルネイ(Clos du Vernay)
クロ・マルソー(Clos Marceaux)
レ・グラン・プレタン(Les Grands Pretans)
レ・ボワ・シュヴォー(Les Bois Chevaux)
プティ・マロール(Petit Marole)
クロゾー(Crausot)
セリエ・オー・モワンヌ(Clos du Cellier aux Moines)
セルヴォワジーヌ(Servoisine)