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シャトー・ラフォリ・ペラゲ

Chateau Lafaurie-Peyraguey

シャトー・ラフォリ・ペラゲは、ボルドーのAOCソーテルヌとバルサックの甘口白ワイン格付け1級プルミエ・クリュに選ばれている11のシャトーのうちの一つです。

ソーテルヌ地区ボンヌでもっとも古い歴史建造物を持つシャトー


シャトー・ラフォリ・ペラゲは、AOCソーテルヌの中心、ボンヌにあります。シャトーの敷地の一部「メゾン・ルージュ」と呼ばれる区画は、ローマ時代の宿泊所として利用されていたもので、城壁に使用されている最も古い石と入り口のポーチは、13世紀のものになり、ボンヌでは最も古い建造物になります。

シャトーに残る13世紀からの石、及び1742年からの記録文書は、シャトー・ラフォリ・ペラゲが歩んだ8世紀にもおよぶ長い歴史を証明しているのです。

所有者の変遷


シャトー・ラフォリ・ペラゲは、長い歴史の中で様々な所有者の手に渡っていきます。

1618年、農村でブルジョワとして知られていたレイモン・ペラゲ氏が最初の所有者となります。彼は甘口ワインを生産するため、この土地を開発していきます。シンプルな醸造方法でしたが、この甘口ワインは17世紀において評価されます。

1742年にピエール・ドゥ・ピシャール氏が所有者となり、彼によってシャトーのブドウ畑のさらなる開墾と生産技術の向上、生産量の増加を実現させます。

次いで、ボルドー議会の最初の議長だった孫のニコラ・ピエール・ドゥ・ピシャールが引き継ぎますが、フランス革命後の1794年、ギロチンにかけられ処刑されてしまいます。このためシャトーは、国によって売りに出されることになります。

そして1796年、ピエール・ラフォリ氏がシャトー・ラフォリ・ペラゲを購入、彼は30年ほどかけてシャトーのブドウ畑を銘醸ワインを生産する畑に成長させ、シャトーのイメージ向上に大きく貢献します。

1837年、ピエール・ラフォリ氏の長男がシャトーを引き継ぎ、さらにクオリティの高いワインが生産されるようになります。そして、シャトー・ラフォリ・ペラゲは1855年、ボルドー、AOCソーテルヌにおいてプルミエ・クリュに格付けされます。

1865年、ラフォリ氏が亡くなった後、シャトーはその妻によって、シャトー・ラグランジュ Chateau Lagrange(サン・ジュリアン)のオーナーでもあったタヌギ・デュシャテル伯爵に売却されます。デュシャテル伯爵は、シャトーの改修、及び近代化を進めます。

1879年、二人のボルドーのネゴシアン、ファリネル氏とグレディ氏がシャトー・ラフォリ・ペラゲを購入します。

1917年、ロレーヌ地方出身のネゴシアン、デジレ・コルディエ氏がシャトー・ラフォリ・ペラゲの新たな所有者となります。彼はメドックのシャトー・グリュオ・ラローズ Chateau Gruaud Larose、シャトー・タルボ Chateau Talbotも所有し、ほぼ70年にわたってボルドーの有力なワイン商として名を馳せます。

1984年、スエズ・グループ(現:エンジー)がシャトー・ラフォリ・ペラゲを購入、大規模な改修と近代化を実行します。

そして、2014年2月からシルヴィオ・デンツ氏(スイス人実業家)がシャトー・ラフォリ・ペラゲの所有者となります。

現在のオーナー、シルヴィオ・デンツ氏


2014年から、シャトーのオーナーであるシルヴィオ・デンツ氏は、1956年生まれのスイス人起業家であり、またグラン・クリュワインとアートのコレクター、建築などにも造形の深い人物です。

大変なワインの愛好家であるデンツ氏は、自国スイスだけではなく、イタリアやスペインなどにもワインに関する会社を設立しています(「Ermitage Holding S.A」、「Denz Weine」、「Casa del Vino」、「Clos d’Agon」、「Montepeloso」)。

さらには2005年に、シャトー・ペビー・フォジェール Chateau Peby Faugeres、シャトー・フォジェール Chateau Faugeres(サンテミリオン グラン・クリュ)、 シャトー・カプ・ド・フォジェールChateau Cap de Faugeresのオーナーとなります。

2010年には、友人のピーター・シセック(デンマーク出身の醸造家で、あの伝説的スペインのワイン、「ピングス Pingus」のオーナー)とともにシャトー・ロシェロン Chateau Rocheyron(サンテミリオン グラン・クリュ)のオーナーとなります。

彼の関心と目的は、古い歴史と最良のテロワールを持つシャトー・ラフォリ・ペラゲのワインを、さらに高品質なものへと高めていくことにあります。

また、彼はソーテルヌにおけるワインツーリズムが世界中の多くの希望者を受け入れるキャパシティが十分で無いと考え、シャトー・ラフォリ・ペラゲとともに貢献したいと考えます。その思いから、宿泊施設としてシャトーに13室をもうけ、ワインのプロから愛好家まで受け入れる体制を整えました。

スペイン王アルフォンソ12世も愛したワイン


シャトー・ラフォリ・ペラゲの極甘口白ワインの評価は1855年のプルミエ・クリュへの格付けによって認めれらることになります。そして、スペイン王アルフォンソ12世は、シャトー・ラフォリ・ペラゲを愛飲し、1858年には高額で樽ごと購入したほどです。

シャトー・ラフォリ・ペラゲのテロワール


シャトー・ラフォリ・ペラゲは、AOCソーテルヌの中心、ボンヌの小高い丘に位置しています。海抜70メートル 、36ヘクタールある敷地のすぐそばには、あのシャトー・ディケムがあります。自然環境へ配慮したブドウ栽培を行い、除草剤も一切使用していません。

土壌は、珪酸質と粘土質の砂利で構成されています。植栽密度は、1ヘクタールあたり6500から9000本になります。ブドウの樹齢の平均は40年で、もっとも古い区画には1926年からのブドウ樹があり、樹齢約90年にもなります。

シャトー・ラフォリ・ペラゲのブドウ品種、醸造方法


品種はソーテルヌにおける伝統の3品種、セミヨン93%、ソーヴィニョン・ブラン6%、ミュスカデル1%になります。

アルコール発酵は、空調管理と湿度調整の徹底した醸造所にて18日間から30日間かけてフレンチオーク樽で行います。

その後の熟成には、同じくフレンチオーク樽で約18ヶ月から20か月を費やし、うち40%から70%は新樽を使用しています(ヴィンテージによって異なります)。

シャトー・ラフォリ・ペラゲのワイン


栽培されている3品種は、それぞれがブレンドの際に最高の個性を発揮し、甘美なワインを生み出しています。

セミヨンによって、美しい粘性とストラクチャーを与え、ソーヴィニョン・ブランの果実の快い酸味、そこへミュカデルの上品な複雑味が加わります。

シャトー・ラフォリ・ペラゲの貴腐ワインは、数十年の年月を重ねてもなお、芳醇なワインのまま変わることがありません。シャトー・ラフォリ・ペラゲとして、年間30,000から40,000本を生産しています。

セカンド・ラベルの「シャペル・ドゥ・ラフォリ・ペラゲ」は、年間24,000本を生産しています。

また2014年からは、辛口白ワインの生産も開始しています。