ドゥラモット

Delamotte

自分が楽しむためだけに極上シャンパーニュを造り始め、今や世界でも指折りの最高峰シャンパーニュメゾンとなった、「サロン」。

シャンパーニュ好きであれば、知らぬ者はいない伝説のシャンパーニュです。このメゾンはもちろん素晴らしいのですが、その妹分として存在している、あのシャンパーニュメゾンも忘れてはなりません。それが、「ドゥラモット」。このメゾンについて、ここでは解説していきたいと思います。

サロンという存在とドゥラモット

シャンパーニュの中でも、生産数自体が極端に少なく、高級品として知られているのがサロンですが、その姉妹分の存在として世界にその名を轟かせているのが、ドゥラモットです。1760年に創業している、非常に由緒正しき歴史を持っているシャンパーニュメゾンとしても知られており、その生産量の少なさと品質の高さは世界中のワイン批評家の舌を唸らせ続けています。

創業者は、フランソワ・ドゥラモットという人物であり、その息子であるニコラは、ワインに関する事業だけではなく、数多くの名誉ある賞を受賞し続けたという、現地でも大変有名なメゾンです。

このメゾンの本拠地はルメニルシュールオジェ村という、数あるシャンパーニュの畑の中でも品質が高いブドウが収穫できると知られているグランクリュの産地に存在しており、長年この地域の地位を守り続けているメゾンのひとつとされています。

サロンという、一流メゾンの妹分として話題となるこのメゾンではありますが、決して品質が劣っているということではなく、しっかりと個性を発揮している、ほかとは比べることができない、特別な存在として今も最高品質のシャンパーニュを生み出し続けているのです。

奇跡のブドウはサロンから

さて、どんなに品質が高く、それとは別次元の存在として認識されているのですが、なぜ未だにサロンの妹分と呼ばれるのでしょうか。

もちろん、サロンは本当に素晴らしい存在であり、まさに最高位シャンパーニュメゾンの10本の指に入るほどの、名門です。実は、ドゥラモットはサロンが造られなかった年のブドウを全て使っている、という背景があるからなのです。

そもそも、サロンは自家用シャンパーニュを造るためにはじまったメゾンです。そのため、小さな単一畑で一定の品種を使い、その年だけのブドウを仕込んで造られていました。しかし、それがビジネスになると話は変わってきてしまいます。

仮に、自分たちが楽しめれば良い、というクオリティであっても、「サロン」という品質を維持できない場合、どうしてもそのヴィンテージにはシャンパーニュを造ることはできないのです。

しかし、毎年常に最高のブドウを栽培していることは間違いなく、そのブドウを放置して廃棄することはできません。そのブドウを使用して、極上のシャンパーニュを造っているのが、ドゥラモットなのです。

サロンと同様の醸造レベル

どれだけ素晴らしいブドウを使用したとしても、醸造のレベルが低ければ、それはシャンパーニュとして認められることはありません。サロンで使用されていないブドウだからといって、決して品質が劣っているわけでもなく、手を抜くことはあり得ません。

実は、ドゥラモットという名門シャンパーニュの醸造を手掛けているのは、サロンとまったく同様の醸造メンバーが手掛けていることでも知られており、サロンと同レベルのクオリティで丹誠込めて、スパークリングワインを生み出しています。ノンミレジムというカテゴリであっても、完璧なドゥラモットの世界観をつくり出すために、徹底されてアッサンブラージュされている1本となっており、通が特に好むようなシャンパーニュを生み出し続けているのです。

ラインナップも豊富

ドゥラモットの魅力といえば、そのラインナップの豊富さにあります。最高品質のブドウを使用して造られているのですが、さまざまなアプローチを駆使して、シャンパーニュファンに高品質かつ手に入れやすい価格で提供してくれています。

まず、定番とされているのが、「ブリュットNV」と、「ブラン・ド・ブランNV」。ノンヴィンテージではありますが、ほかには無い、極上のアッサンブラージュが楽しめるとシャンパーニュファンを歓喜させているラインナップです。

そして、サロンを彷彿とさせる最高級品の、「ブラン・ド・ブラン・ミレジメ」。最高位のシャルドネのみを使用している、贅沢極まる1本を醸しています。実は、ノンヴィンテージはシャンパーニュの規定では15ヶ月以上となっているのですが、ドゥラモットは最低でも30ヶ月という、驚くべき熟成期間を設けており、ものによっては5年以上熟成させることもあります。

品質を高めて行く長期熟成のノウハウを知っているサロンのチームが手掛けているからこそ、どのカテゴリでさえも、最高のシャンパーニュを楽しむことができるのです。

品質を楽しむ

シャンパーニュ何かにつけて、「妹分」となると、品質が劣るとか、代替品というイメージを与えます。しかし、ドゥラモットは代替品などではなく、完全なる独立された品質が高いシャンパーニュメゾンと言ってよいでしょう。全てにこだわる、極上の1本を知ることは、シャンパーニュの歴史や奥深さを知ることになるでしょう。