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シェリー Sherry

スペインワインの中でも特別な位置づけであるシェリー。アルコール添加により酒精強化されるなど、独特の製法で造られるそのワインは、長い間スペインワインの代名詞とされて来ました。シェリー(Sherry)は英語表記で、スペインではヘレス(Jerez)と呼ばれています。

ヘレスのブドウ栽培の歴史は紀元前にまで遡ることが出来ます。現在シェリーと言えば酒精強化されたワインを意味しますが、古くはヘレス産のワインとしてスティルワインと一括りにされていた為、いつ頃から酒精強化が始まったのかは不明とされています。恐らく、予め酸化熟成させることで、船による長旅においても品質保持をしやすくする事が目的だったと思いますので、15世紀頃の大航海時代には酒精強化されたシェリーが海を渡っていたと考えられます。

日本でも今のようにスペインが安旨ワインの名産地であると認識される前は、スペインワインといえばシェリーの印象が強くありました。味云々ではなく、「シェリーを食前酒に飲むのがヨーロッパ風でカッコイイ」と、純粋にワインを楽しむというよりは、スペインの文化を味わうという感じのお酒だったのです。

シェリーの産地


シェリーの産地はスペイン南部のアンダルシア地方にあり、生産地域はヘレス周辺の三角地帯(エル・プエルト・デ・サンタ・マリア、サンルカール・デ・バラメダ、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラを結ぶ地域)とその周辺認定地域だけに限られます。

フランスのシャンパーニュと同様に地理的規定があり、酸化熟成されたスペインワインが全てシェリーを名乗れるわけではありません。

シェリーの製法と、ぶどう品種


お酒のタイプで分類すると、シェリーはフォーティファイド・ワインというタイプに属します。これはワインの発酵途中、あるいは発酵後に蒸留酒を添加した酒精強化ワインのことです。

シェリーの他には、ポルトガルのポートワインやマディラワイン、イタリアのシチリア島のマルサラ、スペインのアンダルシア地方のマラガがこれにあたります。

シェリー酒に使用されるぶどう品種はパロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルの白ぶどう3品種で、このうちパロミノが95%を占めます。このパロミノに適した土壌はアルバリサという石灰質土壌で、辛口のシェリーはすべてこのパロミノから造られます。ペドロ・ヒメネスとモスカテルはパロミノより甘みの強い品種で、この品種を使ったシェリーは極甘口タイプとなります。

シェリー独自の発酵形態、フロール(産膜酵母)


シェリーは酒精強化ワインなのでワインの発酵途中からの造りに特徴があります。まずパロミノから辛口白ワインを造り、それをそのまま置いておくとワインの表面にフロールと呼ばれる白い酵母の膜(産膜酵母)ができます。この酵母の膜がワインの香りや風味に大きな影響を及ぼします。

シェリーは新酒の段階で2つに分類されます。色が淡くデリケートなものを「フィノ」、それよりも色も口当たりもしっかりしたものを「オロロソ」とします。

分類されたワインはそれぞれ澱を除かれ酒精強化が行なわれます。フィノの場合はアルコール度数を15度までに抑え、逆にオロロソは17度まで上げます。この違いで両者は全く別の熟成行程をたどることになります。

フロールはアルコール度数が15度程度の時が一番活発に活動します。その後の熟成期間中、フロールは呼吸しながらワインに独特の香りを与えます。アルコール度数が17度まで上げられたオロロソにはフロールの膜が張りません。そのためワインは空気にさらされ酸化し、琥珀色に変り、どんどん香り豊かに力強くなっていきます。このほんの少しの度数の違いで全く違うタイプのシェリーとなります。

シェリーの種類


シェリーと言えばフィノが有名ですが、製法により多くの種類が存在します。それぞれに味わいも大きく違うため、分類には注意が必要です。バーやレストランでで「シェリー下さい」と言っても、「シェリーの何ですか?」と言われる事もあるので、覚えておくと役に立ちます。以下で、味わいの軽いもの→重いものの順番で説明します。

マンサニージャ(Manzanilla)

フィノの中で、サンルカール・デ・バラメダ産のもの。個別のDOを所有。海沿いの地域らしく、フィノよりもドライで塩気があるのが特徴。

フィノ(Fino)

淡い麦わら色でアーモンドのような香り。シャープな辛口。一般的にシェリーというと、フィノを表すことも多いシェリーの代表。

アモンティリャード(Amontillado)

フィノを熟成させたもの。琥珀色でやさしい口当たり。ナッツのような風味をもち、中甘口から辛口まである。

パロ・コルタード(Palo Cortado)

フィノの熟成過程でフロールの付きが不十分だったシェリーを熟成。何故途中で膜が消えてしまうかは謎で、人為的に再現することが出来ないため、希少。オロロソとアモンティリャードの中間的な性格をもつ。色は淡いが、旨味が十分にあり、シェリーのブルゴーニュのよう。

オロロソ(Oloroso)

茶色がかった琥珀色。フロールがつかなかったシェリーを熟成させたもの。独特の風味をもち、芳醇なコクがある。辛口から甘口まであり、クリーム・シェリーはこのオロロソをベースに甘口ワインをブレンドしてつくられる。

ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximenez)

同名のぶどう品種から造られる。暗色でリキュールのような濃厚な甘口。世界のワインの中で一番甘いと言われています。

シェリー独自の熟成法 ソレラシステム


シェリーにはソレラ・システム(Solera system)という独特な熟成方法が用いられます。100樽ほどの熟成中の樽を、下から古い順に3〜4段ほどに積み重ね、最下段から熟成したシェリーを出荷用に汲み出すと、上段から順番に足りなくなった分を補充してゆくという方法です。このように古いものと新しいものを少しずつ混ぜることによって、安定した品質のシェリーを生産できるのです。

樽を重ねる様子が非常に伝統的に映る為、長い歴史がありそうな仕組みですが、ソレラ・システムが確立したのは19世紀半ばのこと。意外と最近の出来事なのです。

ちなみに、熟成中のシェリーの試飲をする際に、ベネンシアという器具を使います。鯨のヒゲで出来た細い棒の先にカップがついた柄杓のようなもので、このベネンシアを使って樽からワインを汲み、グラスに注ぎます。その優れた技術を持つ人をベネンシアドール(Veneciandoor)と呼びます。

ベネンシアを高く掲げて、遠く離れたグラスに注ぐ姿はエンターテイメント感があり、現在はシェリーのプロモーションなどで活躍しています。日本でも2002年から日本ソムリエ協会や日本バーテンダー協会などの共催により、ベネンシアドールの公式資格称号認定試験が実施されています。

食前だけではもったいない!食事とも合わせられるシェリー


日本では食前酒のイメージが強すぎるシェリーですが、多様なその味わいは、食中、食後にも勿論楽しめます。

イカ等の白身の魚介と塩気のあるスッキリとしたマンサニージャはよく合いますし、白身魚のフライや天ぷら等にはほんのりとイースト香のあるフィノがピッタリです。アモンティリャードにはオイスターソース等で炒めた野菜や、オロロソには豚の角煮やカレーもよく合います。デザートにはペドロ・ヒメネスを少量。そのままでも良いですし、アイスクリームにかけて食べても美味しいですよ。

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