トップ > ローヌ > ディー

ディー

Die


アルプス山脈は、ヨーロッパを東西に横切る大きな山脈ですが、オーストリア、スロベニアを東端とし、フランスはその南西端になります。ディーは、そのアルプス山脈の最西端地に位置しています。

ディーは、フランス中を魅了するスパークリングワインの産地として有名です。ディーでは、クレレット・ド・ディー、クレマン・ド・ディーという2種類のAOCワインが生産されています。とりわけ、クレレット・ド・ディーは、ディー地方に伝わる、伝統の方法で造られています。

クレレット・ド・ディーの特徴


シャンパーニュは、どなたもが知っているシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインですが、クレレット・ド・ディーは、コート・デュ・ローヌ中部、ローヌ川の支流、ドローム川流域で造られる、ほのかな甘口の天然スパークリングワインです。

製法は独特で、ディー地区にのみ伝わり、継承されてきた方法です。発酵途中の果汁を冷却後、糖分を残したまま瓶詰めします。そして、瓶詰めしたまま、再び発酵させる方法です。冷却してアルコール発酵を遅らせ、ゆっくりブドウのアロマを引き出しますから、ブドウ本来の自然な甘みとアロマを堪能できます。使用されるブドウは、クレレット、ミュスカです。

知名度の点で、シャンパーニュに一歩遅れを取るかもしれませんが、伝統に裏打ちされた方法で造られたクレレット・ド・ディーは、本格的スパークリングワインとしての実力では引けを取りません。コスパの点でも、優秀です。

ディーのスパークリングワインの歴史


ディーのスパークリングワイン製造の手法は2000年以上にもわたり、ディーに伝わってきた、フランス最古のスパークリングワインの製造方法です。

言い伝えによりますと、ある農民が、ブドウ果汁の入った樽を放置しておいたら、翌春、発泡しているワインになっていて、とてもフルーティだったので、みんながこぞって、この方法で造り始めたとのことです。

ディーのロケーション


ディーはフランス南東部、ローヌ地方北部、アルプス山脈の最西端の麓にあり、ローヌ川の支流、ドローム川がアルプスから流れ出る中流域にあります。ローヌ地方にありながら、アルプスのテロワールの個性を持っています。また、標高700m前後で、フランスでも高い生産地域の一つです。

気候は地中海性気候の北限にあたり、高度の高いロケーションゆえ、冷涼です。高地にあり、なおかつ山肌にしがみつくような畑が多いので、厳しい作業を要求されますが、ブドウ栽培に適した土壌、気候であるので、困難な作業に見合う良質のブドウを産出します。

ディーのブドウ畑


ディー地区はアルプス山脈の南西部にあり、イーゼル川とドローム川にはさまれています。また、フランス山脈のひとつ、ヴェルコール山脈の南西部に位置しています。ヴェルコール山脈は日本ではあまり知られていませんが、とても広いヨーロッパでも有数の石灰岩の天然の要塞です。土壌は、黒土と粘土石灰質で構成されていて、その土地を、人々は「黒い土地」と呼び、昔から白ブドウを作ってきました。一方、粘土石灰質は、地中海式気候の夏の乾燥期にも、十分な水分を保つことができます。

この地方も、フィロキセラで壊滅的打撃を一時受け、低迷していましたが、1950年代以降、ディー地区のブドウ栽培家たちは、協同組合を作りました。その協同組合の元、近代化を図り、知名度アップに努力した結果、ディーのスパークリングワインの名声は、フランスのみならず、世界にも知れ渡るようになりました。

ディーの著名生産者


ジャイアンス

前述の協同組合は、1975年、クレール・ディーという会社を設立しました。その後2001年には、ジャイアンスに名前を改め、今に至ります。今や、フランスを代表する優良協同組合の一つで、クレレット・ド・ディーのトップブランドといっていいでしょう。

300にも及ぶ地元栽培農家の、20年以上にわたって完全無農薬で栽培されたブドウを使用した自然派スパークリングワインは、現代の自然志向にマッチし、人気が高まっています。

ピエール・サラベル

ピエール・サラベルは、ディー地区内のバルザック村の小規模生産者です。9haと小規模ながら、歴史は古く、1845年からワインを造っています。大量生産ではなく、品質重視で丁寧に造られたワインが魅力です。

2 件中 1-2 件表示 


2 件中 1-2 件表示