グラン・エシェゾー Grands Echezeaux

ブルゴーニュ屈指の銘醸ワインを生むヴォーヌ・ロマネ村。この村の東隣にフラジェ・エシェゾー村はあります。偉大なグラン・クリュ（特級畑）を２つも抱えながら、この村のアペラシオンは存在しません。この村のグラン･クリュの一つであるエシェゾーは、コート・ド・ニュイの中ではクロ・ド・ヴージョに次ぐ広さを誇ります。ですがそのワインがグラン・クリュの条件に満たなければ、フラジェ・エシェゾーではなく、ヴォーヌ・ロマネやヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュの表示となるのです。

フラジェ・エシェゾーはヴージョ村、シャンボール・ミュジニー村、ヴォーヌ･ロマネ村に囲まれた人口は約500人ほどの村ですが、このエリアは特殊な形をしており、村自体は広大です。ただ国道や鉄道の東側にある平坦なエリアは良いワインが出来ないため殆どが野菜畑となっています。西側のシャンボール・ミュジニー村に接するエシェゾー、特級畑クロ・ド・ヴージョに接するグラン・エシェゾーがこの村の2つのグラン・クリュです。ただこの村にはアペラシオンが無いので通常ヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュとして取り扱われており、この二つの村はペアでひとつのエリアと位置づけられています。

フラジェ・エシェゾーの歴史

フラジェ・エシェゾーのフラジェ（Flagey）の名は、この村の土地を所有していたローマ人フラヴィウス（Flavius)の名から来ています。その後はフラジウムやフレゲ（1131年の文献にはFlagyと記されています）などいろいろな名前が使われていました。フラジェ・エシェゾーになる直前までは、長い間フラジェ・レ・ジリイ（Flagey-les-Gilly）と呼ばれていましたが、1886年3月3日に特級畑のEchezeauxの名と統合されフラジェ・エシェゾー村が誕生しました。ちなみにエシェゾーというのはラテン語で「古びた家、小屋」を意味する「Es casa cabane」から来ているそうです。歴史的には12世紀に畑を開拓したシトー派修道院がこの地を支配しており、当時はエシェゾーやグラン・エシェゾーもクロ・ド・ヴージョで醸造されていたといいます。

グラン・エシェゾー（Grands Echezeaux）9.14ヘクタール

エシェゾーの東側に接し、クロ・ド・ヴージョに隣接する畑。エシェゾーの最も優れたリュー・ディであるエシェゾー・デュ・ドシュの下部に位置するクリマ。フランス革命以前はレ・エシェゾー・デュ・バ（下部のエシェゾー）と呼ばれていたが、19世紀初めにはエシェゾー・デュ・ドシュ（3.55ヘクタール）よりも畑が大きいことで、グラン・エシェゾーと一般的に呼ばれるようになった。AOC制定時にはそのままの名前が認定されている。

エシェゾーと違い畑は単一リュー・ディであるため土壌が均一である。土壌は薄く、水はけの良い粘土層が載っていて酸化鉄を多く含んでいるのがこのクリマの特徴。グラン・エシェゾーを所有する代表的な生産者はドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社。他の造り手は以下のとおり。

グラン・エシェゾーの生産者

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ（Domaine de la Romanee-Conti）
ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ（Mongeard Mugneret）
ジャン・ピエール・ミュニュレ（Jean Pierre Mugneret）
ドメーヌ・テナール（Thenard）
ドメーヌ・デュージェニー（d'Eugenie）
ドメーヌ・アンリ・ド・ヴィラモン（Henri de Villamont）
ジョゼフ・ドルーアン（Joseph Drouhin）
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール（Gros Frere et Soeur）
ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ（Francois Lamarche）
ドメーヌ・デュ・クロ・フランタン（Domaine du Clos Frantin）
ドメーヌ・ジャン・マルク・ミヨ（Jean-Marc Millot）
ドメーヌ・ロベール・シュルグ（ Robert Sirugue）