シャンベルタン Chambertin

ブルゴーニュワインの王様と称えられるシャンベルタン。そのワインを生む村がジュヴレ･シャンベルタンです。色合いの濃い芳醇なワインで、力強さと品格を備えたワインは、将にブルゴーニュの王と呼ばれるに相応しいワインとされています。 この村において特に偉大なワインとされているのが、シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズです。この偉大な畑のまわりに、シャンベルタンの名前を付けることのできる7つの特級畑があります。

グラン・クリュの畑は標高260〜300メートルの斜面の中腹に集中している。土壌は石灰岩質土壌で砂利や粘土がさまざまな割合で混ざっている。シャンベルタンを名乗れるワインは赤ワインのみに限られる。

ジュヴレ・シャンベルタンの9つの特級畑

シャンベルタン(Chambertin)12.9ヘクタール

ディジョンから県道122号線（D122）のグラン・クリュ街道を走ると、最初にぶつかる村がジュブレ・シャンベルタンです。この村のなかで、最も偉大で歴史のあるワインがシャンベルタンです。

この地でのブドウ栽培は、紀元１世紀ごろにはすでに行われており、その後中世においては、修道院が畑を持つことでワイン造りが盛んになります。シャンベルタンという名前は、13世紀ごろに「ベルタン」という農夫が所有していた畑（Champ）から、「ベルタンの畑」（シャン・ド・ベルタン）が「シャンベルタン」となりました。

18世紀のフランスの英雄ナポレオンは、このシャンベルタンだけを愛飲し、遠征先の戦地にまでシャンベルタンを持ち込むほどです。この逸話によりシャンベルタンの名は世界中に知れ渡り、その名は不動のものとなりました。「シャンベルタンの友」という意味のチーズがあります。ラミ・デュ・シャンベルタンという名のチーズですが、これはシャンベルタンを味わうために作られたチーズなのです。

シャンベルタンは、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズとともにジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュの中でも飛びぬけたポテンシャルを誇る畑です。色合いの濃い芳醇なワインで、力強さと品格を備えた男性的な要素を備えているので、ブルゴーニュワインの王様と称えられます。

畑は標高270〜300メートルの斜面に位置し、土壌は石灰岩質土壌だが、粘土質石灰岩、泥灰岩、ウミユリ石灰岩などにも覆われた非常に複雑な土壌。グリザールの谷間から吹き降ろす風の冷涼さと、土壌の複雑さが伴い、堅牢で芳醇、そして複雑さの備わったワインが生まれます。

特級畑シャンベルタンの最大の所有者はアルマン・ルソーで、ブルゴーニュの中でも最も偉大な生産者のひとつです。では他の生産者というと、ルロワ、ジャック・プリウール、ピエール・ダモワ、ドニ・モルテ、ポンソ、デュジャックと綺羅、星のごとく輝くブルゴーニュの生産者たち。あまりにも豪華すぎる顔ぶれです。

シャンベルタンの主な生産者