サントネー Santenay

南北縦長に伸びるブルゴーニュの黄金の丘と言われるコート・ドール。北はコート・ド・ニュイ、南はコート・ド・ボーヌと南北に分かれていますが、そのコート・ド・ボーヌの南に位置するのがサントネーです。更に南にはマランジュがありますが、コート・ドール県に属する村としては一番南にあるので、サントネーをコート・ド・ボーヌの南端と語る人も多くいらっしゃいます。

コート・ド・ボーヌ最南とはいえ、中心都市であるボーヌからは車で15分ほど。ボーヌから南に、ポマール、ヴォルネイと来て、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェと白ワインの銘醸地が3つ続きますが、その南にあるサントネーは赤ワインがメインの産地で、生産量の約80％は赤ワインとなります。

赤ワインはバラなどの花の香りにチェリーなどの赤い果実のアロマがあり、若いうちはタンニンがやや粗いものもあります。タンニンは熟成によってこなれてきますので、早のみというよりは3〜5年程度で飲むのがオススメです。もちろん一流生産者のプルミエ・クリュなどなら、10年以上の熟成に耐えられます。コート・ド・ボーヌの中でも比較的熟成によって真価を発揮するタイプといえます。

少量造られている白ワインは、お隣のシャサーニュ・モンラッシェの恩恵を受けてか、ミネラル豊富でヘーゼルナッツの香りが特徴的。バターのような濃厚さとまではいきませんが、品質の高い白ワインが造られています。

他のコート・ドールの産地に比べると、いささか地味な印象のサントネーですが、その分まだ価格は安く、価格高騰が続くブルゴーニュの中では注目の産地になりつつあります。ある程度熟成されたワインでも、お手頃価格で入手できる場合がありますので、熟成ブルゴーニュの入門酒としてもオススメです。

サントネーには古くから温泉施設があり、「スルス・カルノ（カルノ源泉）」というヨーロッパでも有数の泉質を誇るそうです。また、カジノがある事でも知られていますので、ブルゴーニュワインと料理を楽しんで、温泉に入り、カジノに興じるという、いかにも享楽的な余暇を過ごせます。ブルゴーニュを訪れる際には、ボーヌを拠点として一泊はサントネーで楽しむのも良いかもしれません。

サントネーの主なプルミエ・クリュ（一級畑）

サントネイは畑全体の面積が約400ヘクタールに対し、プルミエ・クリュが140ヘクタールと約3分の1を占めます。グラン・クリュはありません。

プルミエ・クリュは大きく3つの地域に分かれます。一つはシャサーニュ・モンラッシェとの境界近くに位置する東側のエリアで、ここが最上のエリアと言われています。中でも、ラ・コム、レ・グラヴィエール、クロ・ド・タヴァンヌの評価が高いです。2つ目は中部にあるマラディエールやボールペールがあるエリア。ここでは力強いワインが造られます。3つ目はマランジュにほど近い西側のエリアです。

サントネーの主な生産者