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カリフォルニア California

アメリカのワインの実に90%を生産する大銘醸地であるカリフォルニア州。今でこそオレゴンやワシントンが存在感を見せてきていますが、2010年頃まで日本でアメリカのワインと言えばイコール、カリフォルニアワインを指していました。

カリフォルニアではブドウが良く熟すため、ジューシーさのある果実味たっぷりのフルーティーなワインが産み出されます。パワーを感じるカリフォルニアワインは、一口目の第一印象が良く、ワインを飲みなれていない人にも取っ付きやすいので、ワイン好きがまず最初にハマるワインでもあります。

カリフォルニアの気候


太平洋沿岸に位置するカリフォルニア。緯度的にはスペインやポルトガルに近いものの、この辺りの太平洋の海は冷たく、その冷気が流れ込むことで、暑さを和らげてくれます。主要産地であるナパ・ヴァレーの7月の平均気温は18度前後と比較的冷涼(ちなみに東京の7月の平均気温は25度以上です)。

一方で日照時間は長く、これがブドウがよく熟す要因となります。また、雨は年明けの数ヶ月に多く振り、収穫期である秋には殆ど振りません。その為、カリフォルニアではブドウが完熟するのを待つ為に、収穫をギリギリまで遅らせることが出来ます。その結果、カリフォルニアワインには糖度の高いブドウが使用されるため、濃厚でアルコール度数の高いワインがよく見られます。

フランスでは収穫を待っている間に雨が振り、ブドウが水っぽくなってしまうリスクもありますが、このリスクが殆どないことが、カリフォルニアワインがヴィンテージが変わっても品質が安定している一番の原因です。

カリフォルニアワインの歴史


多くのヨーロッパ人がアメリカにワイン用のブドウを持ち込み、栽培を試みたものの、アメリカ東部では病害などの影響で、ヨーロッパ系のブドウはなかなか根付くことが出来ませんでした。19世紀半ばにメキシコからアメリカ領となったばかりのカリフォルニアには、同時期に発生したゴールドラッシュの影響で、東部から一気に人が押し寄せましたが、その際に持ち込まれたヨーロッパ系のブドウは、比較的ブドウに対する病害が少ないこの地でようやく根付くことが出来たのです。

19世紀の終わりにかけて、カリフォルニアのワイン産業は大いに発展します。フィロキセラの影響で大きな被害を受けますが、自国のヴィティス・ラブルスカ種のブドウを台木にすることでこれを克服。しかし、1918年から1933年まで続いた禁酒法の為、アメリカのワイン産業の発展は一旦ストップすることになります。

禁酒法が廃止されてからは、本格的にワイン生産が再開されましたが、ブランクの影響は大きく、酒類に関する規制は引き続き厳しかったため、アメリカのワインが世界に認められるようになるには、1960年代まで待たなければなりませんでした。

1960年代になると、今やカリフォルニアワインの帝王と言われるロバート・モンダヴィがカリフォルニアにワイナリーを建設するなど、世界を目指す意識の高い生産者が次々と現れてきます。

そうなると成長のスピードが恐ろしく早いのは、アメリカ人の特徴なのでしょうか。1970年代には本場フランスの最上級ワインに匹敵するワインが生まれ始めます。そして、ある事件が起こります。

カリフォルニアワインの実力を世に知らしめた、歴史機に残るパリ・テイスティング(Judgement of Paris)


アメリカのワイン業界にとって大きな転機になった出来事が1970年代に起こります。急速に品質を向上させていたものの、ワイン先進国であるヨーロッパ人の評価は低く、当時フランス国内ではプロヴァンス産のワインは大量生産で低品質であったことから、「カリフォルニアワインはプロヴァンスのようだ」などと揶揄されていました。

そんな中、1976年に、日本でも有名なワインスクール「アカデミー・デュヴァン」の創始者である、イギリス人のスティーブン・スパリエが、アメリカの独立200周年記念と銘打って開催した、テイスティング企画。そこで、カリフォルニアのワインとフランスを代表するワインを対決させたのです。

審査員は、フランスのAOCを司るINAOの検査委員長を始め、ボルドーの格付けシャトー委員会の事務局長、ロマネ・コンティのオーナー、フランスの権威あるワイン誌の編集者や、ミシュラン三星レストランのオーナー等、フランスワイン会の重鎮たち。

出品されたワインも、フランスからは赤ワインがムートン、オー・ブリオン、ラスカーズ、モンローズといったメドックの格付け1級&2級のシャトー。白ワインはラモネのバタール・モンラシェや、ムルソー、ジョゼフ・ドルーアンの看板ワインであるボーヌ・クロ・デ・ムーシュといったラインナップでした。

テイスティングはブラインドで行われ、審査員の合計点数でランク付けが行われます。錚々たるフランスの高級ワインを、フランス人が評価するのですから、当然フランスワインの圧勝だと誰もが思っていましたが、結果は赤・白共にカリフォルニアワインが第1位を獲得。このフランスにとっては屈辱的な結果を、タイム誌が「Judgement of Paris(パリの審判)」という見出しで大々的に配信したことで、カリフォルニアワインに対するイメージ向上に大きく役立ちました。

<結果>

赤ワイン部門

1位 スタッグス・リープ・ワインセラーズ カベルネ・ソーヴィニヨン 1973(アメリカ)
2位 シャトー・ムートン・ロートシルト 1970(フランス)
3位 シャトー・オー・ブリオン 1970(フランス)
4位 シャトー・モンローズ 1970(フランス)
5位 リッジ・ヴィンヤーズ モンテ・ベッロ カベルネ・ソーヴィニヨン 1971(アメリカ)
6位 シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 1971(フランス)
7位 マヤカマス カベルネ・ソーヴィニヨン 1971(アメリカ)
8位 クロ・デュ・ヴァル カベルネ・ソーヴィニヨン 1972(アメリカ)
9位 ハイツ・セラーズ カベルネ・ソーヴィニヨン 1970(アメリカ)
10位 フリーマーク・アビー カベルネ・ソーヴィニヨン 1969(アメリカ)

白ワイン部門

1位 シャトー・モンテリーナ シャルドネ 1973(アメリカ)
2位 ムルソー シャルム ルーロ 1973(フランス)
3位 シャローン・ヴィンヤード シャルドネ 1974(アメリカ)
4位 スプリング・マウンテン シャルドネ 1973(アメリカ)
5位 ボーヌ・ブラン 1er クロ・デ・ムーシュ ジョゼフ・ドルーアン 1973(フランス)
6位 フリーマーク・アビー シャルドネ 1972(アメリカ)
7位 バタール・モンラッシェ ラモネ 1973(フランス)
8位 ピュリニー・モンラッシェ 1er レ・ピュセル ルフレーヴ 1972(フランス)
9位 ヴィーダークレスト シャルドネ 1972(アメリカ)
10位 デヴィッド・ブルース シャルドネ 1973(アメリカ)

当時フランス側は、「カリフォルニアワインは熟成しない。出品されたフランスのワインはまだ若く、本来の実力を発揮できなかった。熟成して花開けば、フランスワインこそ世界一である」と主張していました。

そこで、30年後にリターンマッチが開かれます。1976年から30年後の2006年、約30年の熟成を経た赤ワイン同士でブラインドテイスティング対決が行われましたが、ここでもカリフォルニアワインが1位を獲得。カリフォルニアワインの熟成能力が証明される結果となりました。

カリフォルニアのカルトワイン


1990年代後半には、少量生産ながらもずば抜けて評価の高いワインが生まれ、その希少性から「カルトワイン」としてもてはやされました。そのワインは殆どがワイナリー自らのメーリングリストだけで完売してしまい、それ以外はオークション等で手に入れるしかなかった為、そのメールマガジンの会員資格が売買されるほどの異常さでした。

そのブームの火付け役であり、カルトワインの代表と言われるのが、スクリーミング・イーグル。不動産業で成功を収めたジーン・フィリップス氏が、ナパ・ヴァレーに開いたワイナリーです。1992年にファーストヴィンテージとなるワインをリリースしますが、このワインに世界的ワイン評論家のロバート・パーカーが、準パーフェクトと言える99点の評価をしたものですから、生産量僅か6000本のワインが世界中から注目を浴びることになりました。

その後もパーカーポイント100点満点を連発するなど、ファーストヴィンテージがマグレではなかった事を証明したスクリーミング・イーグル。2000年に行われたオークションでは、マグナムボトルが50万ドルと、日本円にして5000万円以上で落札されました…。

他にも、ハーラン・エステートやグレース・ファミリー、コルギン、シェイファーといったワインがカルトワインと言われ、特にアメリカの富豪達がこぞってコレクションしました。一方で、敢えて生産量を少なくしたりするやり方はマーケティング的な要素も強く、異常な価格の高騰は程なくして収束していきます。

現在ではカルトワイン並の高品質を持ちながら、生産量を増やして手に届く価格(とはいえ5,000円以上はしますが)で販売することを目指しているワイナリーも増えてきています。

カリフォルニアの主な産地


ナパ・ヴァレー

サンフランシスコの北に位置する、やや内陸に位置するエリア。カリフォルニアワインの心臓部とも言われ、数々の有名ワインを算出する大銘醸地。

ソノマ

ナパ・ヴァレーの西側に位置する海沿いのエリア。ナパ・ヴァレーよりも若干冷涼で、中でも海に近いエリアではピノ・ノワールも多く栽培される。内陸側はカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルが中心。

セントラル・コースト

サンフランシスコ周辺から、南に約160kmも続く海沿いの広大なエリア。冬は暖かく、夏は涼しい。

セントラル・ヴァレー

セントラル・コーストの東側に位置する、内陸部。カリフォルニア州最大のブドウ生産を誇るが、デイリーワインが中心。

サウス・コースト

ロサンゼルスの南、サンディエゴ周辺の産地。メキシコとの国境であり、かつてのスペイン植民地時代にワイン造りがもたらされた歴史あるエリアですが、現在はピアス病の影響もあり、苦戦している。



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