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シャトー・リューセック

Chateau Rieussec

名門ロスチャイルド家所有のソーテルヌ格付け第1級シャトー。非常に困難なビンテージにはワインを生産しないという、コダワリの貴腐ワイン。

シャトー・リューセックの歴史


シャトー・リューセックは、カルメル修道会によって設立されました。多くのボルドーワインと同様に、フランス革命の際、シャトーは押収・競売されます。1790年には、シャトーはマシアック家に売却されました。彼らは、ペサック・レオニャンにシャトー・ラ・ルビエールを所有していました。このシャトーもフランス革命時に押収され、その後の競売でマシアック家が取得しています。

1855年、リューセックはソーテルヌ1級に格付けされましたが、以降、オーナーは次々と変わっていきます。

ガスクトン家もそんなオーナーの一つで、彼らはサンテステフのシャトー・カロン・セギュールを所有していました。リューセックはガスクトン家が手放した後も、数多のオーナーが入手しては手放していきました。

ロスチャイルド家になり、豊富な資金力で畑を拡大


1984年、当時所有していたアラン・ヴュイエは資金不足から、リューセックを手放します。売却先は、シャトー・ラフィットやドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドでも有名なロスチャイルド家でした。彼らはアルベルト・フルーレと共同でシャトー・リューセックを購入しました。アルベルト・フルーレはボルドーに精通していて、既にサンテミリオンのシャトー・シュヴァル・ブランの一部を所有していました。

翌年の1985年には、シャトー・リューセックはその豊富な資金力で、畑を拡大していきます。1985年に40ha、その30年後には所有畑は約90haに及びます。

シャトー・リューセックのテロワール


作付け比率は、セミヨン90%、ソーヴィニヨン・ブラン7%、ミュスカデル3%。土壌は、砂利、砂、粘土、石灰岩で構成され、標高は78メートルの小高い丘の頂上付近で、リューセックよりも標高が高い畑はシャトー・ディケムのみです。平均樹齢は25年。1ha辺り7,500本の密植を行っています。

シャトー・リューセックは、ソーテルヌで最も広大で且つ、素晴らしいテロワールを持っています。シャトー・ディケムやシャトー・ド・ファルグに隣接していて、リューセックの畑はソーテルヌの境界線まで延びており、2つのコミューンにまたがります。これにより、多彩なテロワールで栽培されたブドウをブレンドでき、ワインに奥行きをもたらします。

出来が悪いヴィンテージにはワインをリリースしない、コダワリのワイン造り


また、品質への拘りも厳格で、非常に困難なヴィンテージは、ワインの生産をしません。これまでのところ、1977年、1993年、2012年が、品質基準を満たさず、生産を断念しました。

ブドウの選別は、醸造所で行うのではなく、収穫時に畑で行います。醸造をフレンチオークで行い、97年からは、シャトー・ラフィットで使用したフレンチオークで熟成を行います。期間は、ヴィンテージやキャラクターに応じて、平均18〜24か月、50%の新樽で行います。

シャトー・リューセックの味わい


シャトー・リューセックは、熟成していない状態や若いヴィンテージでも十分に楽しめます。ワイン自体は貴腐ワインらしく甘いですが、新鮮な酸が全体を引き締め、ワイン自体の印象がフレッシュ感にあふれています。

もし、熟成したリューセックを楽しまれたいのでしたら、20年〜30年で熟成のピークに達します。熟成がピークに達すると、濃厚な味わいを楽しめます。ハチミツ、パイナップル、オレンジ、アプリコットやマンゴー、ネクタリンのような果実香に、バニラやカラメルのようなまろやかで香ばしい樽香や熟成香を楽しむことが出来ます。

全てのソーテルヌは、熟成よりも温度が重要です。これは、ソーテルヌの貴腐ワインにはグルコン酸が多く含まれているためです。一般的に、アイスワインを始めとして、甘口ワインは温度を低くすることでリンゴ酸や酒石酸の切れ味が増し、相対的に甘味を抑えられて、飲みやすくなりますが、ソーテルヌの貴腐ワインにはグルコン酸が多く含まれ、この酸は14℃前後でまろやかでボリューム感のある味わいに感じます。

フードペアリングは、シーフード(特に貝)や、エビ、カニなどの甲殻類、フォアグラは甘味、塩味など絶妙なマリアージュを体験できます。また、寿司、刺身などの生魚やチーズもソフト、ハード問わず、合わせられます。

辛口タイプのエール・ド・リューセック


また、シャトー・リューセックにはエール・ド・リューセック("R"de Rieussec)という辛口白ワインがあります。このエール・ド・リューセックのブドウは、シャトー・リューセックの畑のブドウを使用します。概ね、セミヨン50%、ソーヴィニヨン・ブラン50%です。

発酵の20%をバリックで行います。これにより、新鮮な印象を保ちながら、熟成にも耐えうる白ワインとなります。柑橘系果実の香り、マンゴーのような南国フルーツの香りの中に、バリック発酵由来のバターのようなノートが確かに存在する、ふくよかな味わいの辛口白ワインです。

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