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チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア
Cerasuolo Di Vittoria
シチリアにはギリシャ、ローマ、スペイン、イスラムなど、古くからさまざまな民族が支配してきた歴史があります。また海に囲まれ、内陸には高い山があり、土地の特徴もバラエティに富んでいます。土壌のタイプもとても多く、当然ながらつくられるワインの趣はその土地その土地によって大きく変わってきます。チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、そんなシチリアのラグーザ県にある地区です。
1973年からDOC(統制原産地呼称ワイン)に認定されていましたが、2005年にはシチリアの中で初めて、最も厳しい規定を持つことにより認定が難しいとされるDOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)に認定されました。
DOCGの認定ワインにしては珍しく、東西に70kmにもわたって適用されているほど生産地の範囲が広いです。2010年には、ロゼにおいてもDOCが認定され、「チェラスオーロ・ダブルッツォ」と呼ぶようになりました。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの気候から生まれるワイン
土壌は主に石灰岩と粘土質で、海岸に近づくほどに砂質が増えていきます。夏には日差しが強く、滅多に雨は降りません。チェラスオーロとは日本語にすると「チェリーのような」といった意味になり、アブルッツォ地方ではロゼを指しますが、シチリアでは色の濃い赤ワインのことを指します。
ブドウの品種は、島の南東ヴィットーリア周辺で生育するネーロ・ターヴォラ種(50〜70%)とフラパート種(30〜50%)が使用されており、色彩はルビー色に似たチェリーレッドの色合いをまとった、ボディーのしっかりしたワインです。ネーロ・ターヴォラ種の比率の高いものは13〜15年と長寿で、ネーロ・ターヴォラ種の割合を増やすことにより、熟成に耐えることのできる品質となります。ベリー系の果物の香りやスパイス、タンニンの渋みを感じさせるしっかりしたボディーのユニークな味わいによって、多くのファンを獲得しています。
チェラスオーロ・ダブルッツォはモンテプルチャーノを85%以上使用したロゼのことを言い、フルーティな香りとともにほんのりとしたタンニンが魅力です。すっきりとした爽やかな甘みは、常温でも冷やしても楽しめます。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを形づくるフラパートの個性
近年人気が出てきたブドウ品種フラパートは、その育成において特にラグーザが最も適しているといわれています。ラグーザは、シチリア島の南東部、ヴァル・ディ・ノートと呼ばれる渓谷地帯にある小さな街です。シチリアにおける初めてのDOCGであるチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、フラパートとネロダーヴォラのブレンドでつくられますが、特にラグーザのフラパートの特徴が生かされた味わいとなっています。フラパートは甘さを感じる心地よい香りがあり、そのアロマを感じるだけで自然に笑顔になるため「スマイリングワイン」と言われています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを知らずに初めて飲んだ人は、その軽やかさに驚きます。シチリアのDOCGであれば、自然と濃厚フルボディなワインだと思う人もいるようですが、実際はそうではありません。
フラパートのように非常にエレガントかつ軽やかで、凛とした張りを感じるワインは、シチリアワインのこれまでのイメージとは異なります。しかしこれがフラパートの個性であり、この素晴らしい個性を理解していないとチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを正しく評価はできないでしょう。
現在、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアDOCGとしてのワイン生産量は約100万本と、それほど多いとは言えません。しかし、エレガントスタイルのワインが人気となってきたことにより、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアに取り組み始めたワイナリーが増えてきています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの主な生産者
シチリアでは「ブドウ栽培に失敗した人間は尊敬に値しない」と言われます。それだけ誰もがブドウ栽培を容易に行うことができる土地である、とも言えますが、これまで量産はすれど、その質を高めようという人間はそういませんでした。
しかし現在は、そうしたこれまでの慣習に抗うように土壌を改良し、新しいブドウ樹を植え付け、良質のワインづくりに励む生産者が増えてきました。チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの生産者であるCos(コス)もその1つです。
1980年代からこの土地でワインづくりを始めたCosでは、ぶどう栽培から醸造にいたるまで、自然に任せたワインづくりを行っています。具体的には、畑において農薬を使用せず、タンクはステンレスを用いず、セメントタンクもしくは陶器でできたアンフォラという壺で発酵・熟成させています。可能な限り自然に委ねたワインづくりによって、ヴィットーリアの豊かな大地のミネラル、そして作り手の個性をワインで表現できるとCosでは考えているそうです。イタリアの多くのワイン愛好家は、CosをDOCGとして認められるだけの品質を支えている、主要な生産者の1つだと考えています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの主な生産者
Cos(コス)
Buccellat(ブッチェッラート)
Avide(アヴィデ)
Pianeta(プラネタ)
Maggio Vini(マッジョ・ヴィーニ)
Pobbio di Bartolone(ポッジョ・ディ・バルトローネ)
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チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア 2020 プラネタ 赤
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チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア
Cerasuolo Di Vittoria
シチリアにはギリシャ、ローマ、スペイン、イスラムなど、古くからさまざまな民族が支配してきた歴史があります。また海に囲まれ、内陸には高い山があり、土地の特徴もバラエティに富んでいます。土壌のタイプもとても多く、当然ながらつくられるワインの趣はその土地その土地によって大きく変わってきます。チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、そんなシチリアのラグーザ県にある地区です。
1973年からDOC(統制原産地呼称ワイン)に認定されていましたが、2005年にはシチリアの中で初めて、最も厳しい規定を持つことにより認定が難しいとされるDOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)に認定されました。
DOCGの認定ワインにしては珍しく、東西に70kmにもわたって適用されているほど生産地の範囲が広いです。2010年には、ロゼにおいてもDOCが認定され、「チェラスオーロ・ダブルッツォ」と呼ぶようになりました。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの気候から生まれるワイン
土壌は主に石灰岩と粘土質で、海岸に近づくほどに砂質が増えていきます。夏には日差しが強く、滅多に雨は降りません。チェラスオーロとは日本語にすると「チェリーのような」といった意味になり、アブルッツォ地方ではロゼを指しますが、シチリアでは色の濃い赤ワインのことを指します。
ブドウの品種は、島の南東ヴィットーリア周辺で生育するネーロ・ターヴォラ種(50〜70%)とフラパート種(30〜50%)が使用されており、色彩はルビー色に似たチェリーレッドの色合いをまとった、ボディーのしっかりしたワインです。ネーロ・ターヴォラ種の比率の高いものは13〜15年と長寿で、ネーロ・ターヴォラ種の割合を増やすことにより、熟成に耐えることのできる品質となります。ベリー系の果物の香りやスパイス、タンニンの渋みを感じさせるしっかりしたボディーのユニークな味わいによって、多くのファンを獲得しています。
チェラスオーロ・ダブルッツォはモンテプルチャーノを85%以上使用したロゼのことを言い、フルーティな香りとともにほんのりとしたタンニンが魅力です。すっきりとした爽やかな甘みは、常温でも冷やしても楽しめます。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを形づくるフラパートの個性
近年人気が出てきたブドウ品種フラパートは、その育成において特にラグーザが最も適しているといわれています。ラグーザは、シチリア島の南東部、ヴァル・ディ・ノートと呼ばれる渓谷地帯にある小さな街です。シチリアにおける初めてのDOCGであるチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、フラパートとネロダーヴォラのブレンドでつくられますが、特にラグーザのフラパートの特徴が生かされた味わいとなっています。フラパートは甘さを感じる心地よい香りがあり、そのアロマを感じるだけで自然に笑顔になるため「スマイリングワイン」と言われています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを知らずに初めて飲んだ人は、その軽やかさに驚きます。シチリアのDOCGであれば、自然と濃厚フルボディなワインだと思う人もいるようですが、実際はそうではありません。
フラパートのように非常にエレガントかつ軽やかで、凛とした張りを感じるワインは、シチリアワインのこれまでのイメージとは異なります。しかしこれがフラパートの個性であり、この素晴らしい個性を理解していないとチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを正しく評価はできないでしょう。
現在、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアDOCGとしてのワイン生産量は約100万本と、それほど多いとは言えません。しかし、エレガントスタイルのワインが人気となってきたことにより、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアに取り組み始めたワイナリーが増えてきています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの主な生産者
シチリアでは「ブドウ栽培に失敗した人間は尊敬に値しない」と言われます。それだけ誰もがブドウ栽培を容易に行うことができる土地である、とも言えますが、これまで量産はすれど、その質を高めようという人間はそういませんでした。
しかし現在は、そうしたこれまでの慣習に抗うように土壌を改良し、新しいブドウ樹を植え付け、良質のワインづくりに励む生産者が増えてきました。チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの生産者であるCos(コス)もその1つです。
1980年代からこの土地でワインづくりを始めたCosでは、ぶどう栽培から醸造にいたるまで、自然に任せたワインづくりを行っています。具体的には、畑において農薬を使用せず、タンクはステンレスを用いず、セメントタンクもしくは陶器でできたアンフォラという壺で発酵・熟成させています。可能な限り自然に委ねたワインづくりによって、ヴィットーリアの豊かな大地のミネラル、そして作り手の個性をワインで表現できるとCosでは考えているそうです。イタリアの多くのワイン愛好家は、CosをDOCGとして認められるだけの品質を支えている、主要な生産者の1つだと考えています。
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアの主な生産者