多種多様なワインが生産される、ロワール地方の トゥーレーヌ地区。


アペラシオンもたくさんのものが存在し、そして例え同じアペラシオンだとしても、そのタイプは 造り方によって様々。


そんなわけでこの産地のワインは、ひと括りには語る事ができないほどバラエティーに富んでおり、生産者それぞれの意向によって味わいは 千差万別 なのです。



今回このトゥーレーヌ地区で注目したのは、中心都市トゥールに程近いロワール河右岸に広がる、白ワイン専門のアペラシオン・ ヴーヴレイ。


白ワイン専門とは言っても、この地の例に漏れずそのタイプは様々で、 甘口・辛口・スパークリング に加えて、 早飲みタイプから熟成向き のものまでいろいろなワインが存在しています。


ところがこれらの元となるブドウは、地元で ピノー・ド・ラ・ロワール とも呼ばれる、 シュナン・ブラン ただ一種類のみで造られているのだから、 この品種の柔軟性には驚きの一言！


特徴がはっきりしないと評される事もありますが、時に 「シャルドネより深い味わいを産む！」 と言う愛好家も存在するくらいの高いポテンシャルを秘めたブドウで、アロマティックで上品な酸を備え、熟成と共に完熟果実やアーモンドなどの芳しい風味も感じられるようにもなってくるのです。



このヴーヴレイにおいて、 「熟成タイプのワイン」 に一際強いこだわりのあるワイナリーが、今回ご案内する ドメーヌ・ブリュネ です。


9代目当主のニコラさんは、 「ヴーヴレイは熟成してこそ旨いんだ！」 と語りますが、それはこのドメーヌの伝統でもあり、50年も100年も平気で持ちこたえるヴーヴレイを造れるのは、シュナン・ブランの強さにテロワールの良さ、伝統的製法があってこそと考えているのです。


ドメーヌ・ブリュネではその言葉通り、 飲み頃を迎えたヴーヴレイでないと出荷しない というポリシーを持っており、ワインも長期間の熟成に耐えうる念頭に置いた造り方をしています。



今回入荷してきたヴーヴレイはなんと、 4年以上の熟成を経たヴーヴレイのスパークリングワイン！


たとえスパークリングワインであっても、ノン・ヴィンテージでなく熟成にこだわっているのはさすがドメーヌ・ブリュネ、 瓶内二次発酵 で造られデゴルジュマンまで3年の期間を経た本格派であり、しかも ドサージュ・ゼロの超辛口 というこの地では珍しいタイプなのです！


そこまで長期の熟成というわけではないですが、ニコラさんの納得がいく品質を満たした 「飲み頃」 の逸品であり、上質なイースト香に熟成したシュナン・ブランの特徴もほのかに感じられる、 じっくり味わって飲みたいスパークリングワイン となっています！