バロン・フィリップ・ド・ロートシルトで1985年から2005年に引退するまでの長年にわたりテクニカル・ディレクター（醸造責任者）を務めたパトリック・レオン氏。シャトー・ムートン・ロートシルトやシャトー・ダルマイヤック、オーパス・ワンなど名だたるシャトーで手腕を発揮した名醸造家です。

そんな彼が1995年に購入し自ら手掛けるワインが、シャトー・レ・トロワ・クロワ。ワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏も「ボルドーで最もお値打ち赤ワインのひとつ」と評しました。こちらのシャトー・ラモリエールはそのセカンドワインにあたります。

バロン・ド・フィリップ社の醸造長として長年左岸でのワイン造りを続けてきたパトリックですが、実は右岸出身ということもありメルローへの思い入れから右岸フロンサックにシャトーを購入しました。

ガーネットの色調にベリーやカシスのニュアンス。心地よいバニラ香とスパイシーさが漂います。メルロー主体らしいまろやかなタンニンと程よいボリューム感、カベルネ・フランあらくる青さを伴ったニュアンス、繊細さもある余韻が続きます。

残念ながら2018年に逝去されましたが、その技術と想いはワインから感じ取ることができます。偉大な元ムートン醸造長の手腕をお手頃価格で楽しめる秀逸フロンサックをご堪能ください。