今飲みたい!おススメのオーストラリアワイン15選

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「世界最大の島」オーストラリア
ヨーロッパ全体の7割にも匹敵する国土の広さを持ちながら、ワイン産地の栽培面積はボルドー全体の面積よりも少し多い程度。

一言で言えば「多様性の産地」と言われるオーストラリアワインですが、コストパフォーマンスに優れ、庶民の懐にも優しい反面、フランスを代表とするヨーロッパほどワインの評価が定まっていない、というのが悩みの種・・・

そこで今回は細かい産地や歴史、法律の話は一旦置いといて、ドラジェおすすめのワインを紹介したいと思います!

「旨くて安い」を地で行く、オーストラリアワインの世界にようこそ!

オーストラリアワインとは?

まずはおおまかにオーストラリアのワインについて触れて、全体的なイメージをつかんでもらいたいと思います。もう知ってるよ、って方は斜め読み推奨です。

冒頭で説明したように多様性に富んだワインが多く造られていることが特徴です。3000キロメートルにわたって産地が広がっています。

分かりやすく言うと北海道の根室市から日本の南端南鳥島までの直線距離がそのくらいです。いや分かりづらいですね。

オーストラリアと言えばシラーズ。かつてそのパンチのある味わいで、一世を風靡したブドウです。現在ではエレガントなスタイルも散見され、転換期を迎えています。

また白ワインもハンターセミヨンやテロワールを生かしたシャルドネなど、本当に多岐にわたる土壌を生かした逸品を生み出しています。

とにかく言いたいことは、高品質低価格なコストパフォーマンスに非常に優れたワインが多いということ!

ここからは種類ごとにワインを紹介していきます!

赤ワイン

オーストラリアと言えば、シラーズ一択!なんて時代もとうに過ぎ、土壌に合わせてブドウ品種が当たり前のように選別され、我々飲む側にとっても、選択肢が増えつつあります。

もちろんシラーズも時代に合わせて、進化し続けています。赤ワインの紹介です!

素晴らしいコストパフォーマンス!

ザ・グルメ シラーズ スリーピラーズ

なんだかんだ言いつつもやっぱり、オーストラリアと言えばシラーズなんですよね。このザ・グルメは、アメリカやオーストラリア各地のワイナリーで修行したワインメーカーが造るブランド。ほかにもカベルネ・ソーヴィニヨンがラインナップされています。
ワイナリー名のスリーピラーズは「食」「ワイン」「音楽」を意味し、人生を楽しむ3本柱でグッドライフを築く、というワインメーカーの信念が込められています。
オーストラリア国内の最大産地である南オーストラリアのシラーズを使用。タンクや古樽で熟成し、ブラックベリーなどのフレッシュな果実味に樽の風味がうまく調和し、スムースで滑らかなシラーズワインです。
ほんとにコストパフォーマンスがバツグンで、デイリーワインにピッタリです。

オーストラリア独自ブレンド!

ワインメーカーズ・ノート カベルネ/シラーズ アンドリュー・ピース

このワインに使われるカベルネ・ソーヴィニヨンは、フランスの銘醸地ボルドーを代表する超人気品種ですが、いまでは世界各地で栽培され、オーストラリアでも多く栽培されています。
高価格帯のワインでは、単一品種で仕立てられることも多いですが、このワインのようなデイリークラスのワインでは、シラーズとブレンドされているのをよく見かけます。
シラーズの単一品種ワインに比べると、よりエレガントな印象でしょうか。マッチョはマッチョでも細マッチョのような。このワインに関しては、最初のメントールのような香りがカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴。そのあとのベリー系の果実味はシラーズの特徴。オーク樽も使っているため樽の風味もあり、うまく調和しています。
この造り手のアンドリュー・ピースはオーストラリア国内での評価はさることながら、日本での評価も高く、一度飲んでみることをお勧めします。

海を渡ったボルドーブレンド!

ドッグ・リッジ ザ・パップ カベルネ/メルロー

カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの組み合わせと言えば、そうボルドーですね。もともと遺伝子的に近いこの2品種はボルドーだけでなく、いまや世界各地でタッグを組んでワイン界を盛り上げています。
このワインのブドウが採れるマクラーレン・ヴェイルは、オーストラリアで「最も緑豊かなワイン産地」として評され、海も近いことから様々な土壌を有し、シラーズがとくに有名だが、カベルネ・ソーヴィニヨンの評価も高い地域。
そんなこのザ・パップはこの価格帯には珍しく、フレンチオーク樽で醸造した贅沢さが売り。シラーズではなくメルローが入ることで、より酸味が強調された印象。ブラックベリーというよりかはカシスやプラム。その甘酸っぱさを感じる果実味と、樽由来のまろやかさが、バランスの取れた味わいを生み出します。

危険なほど飲めるシラーズ!

ストーンズ・スロー シラーズ ブティノ オーストラリア

一口にシラーズと言っても、造り手の考え方や栽培地域によって味わいが異なります。そのことがよーくわかるのがこのストーンズ・スロー。
このシラーズのワインメーカーはいまでもブルゴーニュワインに携わる人物で、エレガンスを愛しています。こだわりのポイントは夜間収穫や迅速な破砕、温度管理されたステンレスタンクでの醸造など、ブドウが本来持っているものを生かそう、という信念をもってワインを造っています。
近年流行りのクール・クライメット(冷涼産地)であるヴィクトリア州で取れたシラーズを使ったこの1本は、ブラックベリーやブルーベリーのニュアンスもありながら、あくまでもエレガント。シラーズ固有の黒コショウの香りもあり、絹のような質感を感じる、まさに危険なほど飲めるシラーズなのです。

世界的に評価の高いフルボディ・シラーズ!

トルブレック ウッドカッターズ・シラーズ

オーストラリアで最も有名、と言っても全く過言ではないバロッサ・ヴァレー。別名「シラーズの首都」とも言われるこの地は大手メーカーがしのぎを削る場所でもあり、また小規模生産者も存在する、オーストラリアでは少し特殊な場所です。
このバロッサ・ヴァレーで取れたシラーズは、ブラックベリーやプラムなどの豊富な香りとコーヒーやチョコレートなどのリッチなニュアンスも有しています。また凝縮感があり長命で、熟成にも耐えるワインが造られます。
このウッドカッターズ・シラーズも例外ではなく、ブラックベリーなどの黒系果実の香り豊かなアロマと丸みのある果実味、カシス、ダークチェリー、スパイス、バニラのニュアンスが口いっぱいに広がるフルボディなワインです。
世界的に評価が高く、有名ワイン評論家のロバート・パーカー氏もお墨付きのトルブレックの名に恥じぬスタンダード・キュヴェです。

世界に羽ばたく屈指の銘醸地ヤラ・ヴァレー産!

ヴィラージュ・ピノ・ノワール イエリング・ステーション

先ほど出てきた「クール・クライメット」のなかでも世界的に有名なのがヴィクトリア州最古の産地と言われる、このヤラ・ヴァレー。特にピノ・ノワールはオーストラリア最高級の品質である、とされており、従来のオーストラリアワインとは大きく趣が異なります。
そしてそのヤラ・ヴァレーで最初にブドウを植えた場所が、イエリング・ステーションであり、いまではこの地を代表するこのワイナリーの名前となっています。なんやかんやあって一度廃れてしまったヤラ・ヴァレーのワイン造りですが、今また世界に羽ばたき始めています。
このヴィラージュ・ピノ・ノワールは、フレンチオークの小樽で熟成するなど、ワンランク上の造りでラズベリーなどの果実香に甘やかなバニラビーンズ、アーシーなニュアンスも加わり、複雑。冷涼地ならではの繊細なタンニンと、ジューシーながらも酸味も伴った果実味が絶妙なバランス、凝縮感も感じられます。

少数精鋭のタスマニア・ピノ!

ピノ・ノワール テイマー・リッジ

オーストラリア南東部に浮かぶ島タスマニア。先ほどのヴィクトリア州よりも冷涼な産地で自然豊かな島です。ワインの生産量は国内生産量のわずか1%に満たないほどですが、数年前からそのポテンシャルには専門家が期待をかけており、事実として大手ワイナリーがこの地のブドウの特異の性質を求め、自社畑や契約栽培畑を展開しています。
その他にも中小ワイナリーが軒を連ねており、このテイマー・リッジもそのひとつ。タスマニアを代表するこのテイマー・リッジは現ワインメーカーをして「我々はワインメーカーではない、ピノメーカーなんだ。」というほどピノ・ノワールにこだわりを持っています。
そんなテイマー・リッジの傑作がこの1本。酸味、果実味、タンニンのバランスがとにかく秀逸、柔らかく繊細でシルキー。ニューワールドのピノ・ノワールを飲んでいるという感覚をどこかに置き忘れてしまうほど、エレガンスにあふれています。高価格になりがちなタスマニアワイン、かつフレンチオークの樽で10~12か月熟成という贅沢な造りながら、この価格で抑えられているのは驚愕の一言です。

言わずと知れたオーストラリア最高峰!

ヘンチキ ヒル・オブ・グレース

ヘンチキはオーストラリアで最高峰と言われるシラーズを生み出した生ける伝説。「素晴らしいワインは素晴らしい畑から」という考えに基づき、現在でも素晴らしい発展を遂げています。
そのフラッグシップがこのヒル・オブ・グレース。世界中のワイン愛好家から尊敬のまなざしを向けられ、垂涎の的の超希少キュヴェです。その希少性は樹齢150年かつフィロキセラに侵されていないというところにあります。
世界を見渡しても数えるほど、というか今日では見かける可能性は限りなくゼロに近い、樹齢150年を超えるブドウ樹×ヨーロッパはおろか、ニューワールドでさえほぼ見かけないフィロキセラに侵されていない自根のブドウを両方備えているという、もはや神聖とすらいえる畑のワイン。これがこの超希少キュヴェが愛好家に尊敬を受けている、あまりにも大きな一因でしょう。

白ワイン

オーストラリアと言えば、赤ワインを想像される方も多いでしょうが、およそ40%ほどは白ワインが生産されています。最も多く栽培されているのがシャルドネですが、さまざまな種類が植えられています。

いくつかブドウ品種ごとにセレクトしました。白ワインのご紹介です!

「飲み飽きしない」これぞデイリーワイン!

ザ・グルメ ソーヴィニヨン・ブラン スリーピラーズ

先に書いたスリーピラーズのザ・グルメシリーズのソーヴィニヨン・ブランです。他にもシャルドネや珍しいピノ・グリージョがラインナップにあります。
ソーヴィニヨン・ブランの品種特性が良く出ており、青草のような香り、ライチなどのトロピカルフルーツの果実香が立ち上り、しっかりとした果実味や爽やかな酸味がバランスを取り、ワインを造り上げています。
ニューワールドのソーヴィニヨン・ブランと言えば、ニュージーランドが有名ですが、オーストラリアのものはより親しみやすく、果実味が強い印象。また全体的にミネラリーなニュアンスはオーストラリア産からは感じづらく、シンプル&ストレート。また価格面でも安価なワインが多いですね。助かります。

ブルゴーニュのスピリッツを宿す逸品!

ストーンズ・スロー シャルドネ ブティノ オーストラリア

オーストラリア屈指の冷涼産地ヴィクトリア州で造られるシャルドネ。冷涼産地の美点を追求する産地と言われる、この地で造られているのがこのストーンズ・スローです。
世界中を飛び回る今もなお、ブルゴーニュワインに携わり続ける敏腕ワインメーカーは、ワインにエレガンスやテロワールの表現を求める、まさにブルゴーニュのスピリッツを宿していると言えます。
そんな造り手が夜間収穫やクローンの選別など、数々のこだわりを持って造り上げたこのシャルドネは、エレガント&ミネラリー。柑橘系や白桃などの豊富な果実味やフレッシュな酸味、余韻のミネラリーなニュアンス、伝統のブルゴーニュと革新のオーストラリアがうまく融合しています。

食を引き立てるリースリング!

ウィマーラ リースリング ローガン・ワインズ

オーストラリア先住民アボリジニの言葉で、「絶景」を意味するウィマーラ。「現代オーストラリアの象徴」を生み出すローガン・ワインズが造るアロマ豊かなワインがコンセプトのミドルレンジ・シリーズです。
オーストラリア・ワインの良さであるパワーとフルーティさ、それに旧世界の繊細さやバランスを融合させた独自のワインを目指し、ニュー・サウス・ウェールズの中でも標高が高く、冷涼な気候を持つ「オレンジ」地区と「マジー」地区に注目しました。
オレンジの皮やバラのようなアロマティックな香りと熟したライムやリンゴ、スパイスのニュアンスもあり、引き締まった酸味を持ち爽やかでありながら少々の甘みが残る味わいが特徴。
魚介類との相性もさることながら、スパイスの効いたエスニック料理とのマリアージュも試してもらいたい、一味違ったリースリングです。

小さな巨人タスマニア産シャルドネ!

デヴィルズ・コーナー シャルドネ テイマー・リッジ

極めて小さな産地でありながら、注目を浴びる産地タスマニア。オーストラリア産地の中で「小さな巨人」と言われるタスマニアでピノ・ノワールとともに、評価を上げているのがシャルドネです。
そんなタスマニアを代表するワイナリーのテイマー・リッジがデイリー・ラインとして作り始め、今やタスマニアで1、2を争うブランドがこのデヴィルズ・コーナーで、オーストラリア国内売上ナンバーワンブランドにまで成長しました。
冷涼産地タスマニアらしい良質な酸味、爽やかな柑橘系のアロマとほのかなクリーミーさ、熟してふくよかな果実味が魅力のエレガンスとリッチが、うまくバランスをとっている1本です。

スパークリングワイン・その他

コストパフォーマンス◎泡!

アンドリュー・ピース シャルドネ/ピノ・ノワール スパークリング

シャルドネとピノ・ノワールのスパークリングと言えば、王様シャンパーニュを始め、世界各地で造られているスパークリングワインの黄金コンビです。もちろんオーストラリアでも浸透していて、それほど高価格帯のスパークリングワインは見かけませんが、デイリー・レンジのワインが多く造られています。
オーストラリアの家族経営ワイナリーとしては、最大規模の生産量を誇るアンドリュー・ピース社が造るこの1本は、きめ細やかでクリーミーな泡立ち。シトラスのような繊細な香りにイースト香が続き、早摘みされたぶどうによる、フレッシュな味わいと自然な酸味。すばらしい余韻が感じられます。

珍しい赤のスパークリング!

イエローグレン レッド

オーストラリアではこのような黒ブドウを使った、赤スパークリングワインをよく見かけます。これはオーストラリアの食文化に密接に関連していて、移民の国であるオーストラリアでも、やはりシャンパーニュがスパークリングワインとして良く喜ばれたそうです。しかし肉(赤身)を食べる機会の多いオーストラリアの人々は、シャンパーニュとの相性の悪さに辟易し、シラーズやらを使った赤いスパークリングを開発したというのです。
さらっと書きましたが、いかに食文化にワインが密接に関わっているかが分かる、貴重なエピソードですね。
さてこのイエローグレンは、やや甘口で果実味が濃厚なタイプです。これとの相性がいい料理というと、照り焼きやすき焼きなどの醤油を使った甘辛い料理がよく合います。また中華料理にも合うとのことです。

今流行中のオレンジワイン!

クレメンタイン ピノ・グリ ローガン・ワインズ

先に出てきたローガン・ワインズの新たな試みとして誕生したクレメンタイン・ピノ・グリ。細かい技術的な説明は省きますが、皮や茎からもアロマや味わいを引きだしたワインです。
幾重にも重なった複雑味あふれるアロマと、白ワインとも赤ワインとも違う質感が今までのワインに飽きていたワイン愛好家たちを虜にしています。

最後に

おすすめのオーストラリアワイン、いかがだったでしょうか。

今まさにオーストラリアのワインは転換点を迎えています。量を売る時代から質を売る時代へ。1本数百円のワインと1本数万円のワインが主力という、二極化していたオーストラリアのワインに新たな風が吹いています。

ここで紹介したワインはいずれも(ヘンチキは除く)、手に取りやすいながらもしっかりとした質を追い求めて造られたワインたちです。

ぜひ試してみて下さいね!

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