カベルネ・ソーヴィニヨンの品種の特徴

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カベルネ・ソーヴィニヨンは最も名の知られた赤ワイン用のブドウ品種です。

あまりにも有名な品種ですが、その歴史は比較的新しく、17世紀にフランス南西部でカベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランが自然交配して生まれました。耐寒性の強さ・病害や害虫に対する抵抗性の強さといった栽培上の長所がある上に、品種特有の個性がワインとして表現しやすいことも伴い、世界中に普及しました。

若いうちからしっかりとしたタンニンが楽しめ、熟成を経て優美で複雑な風味が生まれます。1,000円前後のワインからボルドーの5大シャトーに代表されるような高級ワインにまで幅広く採用されています。どの産地どの価格帯でも「黒系果実の濃厚な風味としっかりとしたタンニン」というこの品種らしい個性が感じられるところが生産者からも消費者からも広く支持される理由です。

カベルネ・ソーヴィニヨンの起源と歴史

品種の起源は長く不明でしたが、1996年にカリフォルニア大学デイヴィス校醸造学科で行われたDNA解析の結果、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの子孫であり17世紀に自然交配で誕生した可能性が高いと判明しました。ボルドー地方ポイヤック地区の高名シャトーの採用により、ボルドー地方で一気に広まったと言われています。

カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培と醸造

この品種の基本的な栽培適地は比較的温暖な気候で水はけの良い砂礫質土壌です。房は小ぶりの円錐形、果実が熟すのにかかる時間は一般的にカベルネ・フランやメルロよりも1~2週間ほど長くなります。

カベルネ・ソーヴィニヨンは果実が小さく厚い果皮を持っています。これはワインのストラクチャーや香りに強く影響し、フェノール類やタンニンが極めて豊富なワインになります。醸造前に長時間のマセラシオン(果汁を種や果皮と接触させて色素やタンニンなどの成分を抽出させること)をする場合はその傾向は顕著です。ボルドー地方では伝統的にマセラシオンは3週間に渡って行われます。

カベルネ・ソーヴィニヨンの味わいの特徴

カシスなどの小さくて黒い果皮の果実を思わせる凝縮した果実味と、針葉樹やミント・ピーマンなどに例えられる清涼感のある植物系のアロマがあります。酸もタンニンも強めで、ガッチリとした構造を感じる味わいです。

ユーカリが生息する地域、例えばカリフォルニアのナパヴァレーやソノマ、オーストラリアの一部で作られたワインは、同じ植物系でもユーカリの香りを感じます。

カベルネ・ソーヴィニヨンの生産地ごとの特徴

冷涼な気候では黒スグリのような香りを持ち、熟成が進むと杉・ミント・ピーマンのような香りが主張を強くします。やや温暖な気候では、ブラックチェリーや黒オリーブのような香りも併せ持ち、暖かい地域では干しブドウのような甘い香りを持ちます。

フランス

フランスでこの品種の栽培は6割以上がボルドー地方です。原産地でもあるこの地方ではメドックやグラーヴと言った左岸地区で多く栽培され、引き締まった味わいの長期熟成タイプのワインが造られています。

ボルドー地方では単一品種でワインになる事はなく、メルロやカベルネ・フラン、マルベック、プティ・ヴェルドなどとブレンドされます。ボルドー地方以外では、南フランス、ロワール川流域で栽培されています。ボルドー地方以外のワインは、ボルドーと比較して軽い味わいです。南フランスではロゼワインにも使われます。

イタリア

トスカーナ州の「スーパータスカン」では主要品種です。また、現在、いくつかの原産地呼称統制でカベルネ・ソーヴィニヨンの使用が認められています。

アメリカ合衆国

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培面積や生産量はボルドー地方に匹敵します。この品種から造られるワインは、ボルドー地方ではアルコール度数12~13%が一般的ですが、カリフォルニアでは14%を超えることも珍しくありません。果実味が前面に出たデイリーワインから長期熟成に向くプレミアムワインにまで幅広く造られています。

南米

チリを中心に南米各国のほとんどで栽培されています。ワインとしての価格帯も比較的安価なヴァラエタルワインから良年に造られるプレミアムワインまで多岐に渡っています。

オーストラリア

1970年代に、南オーストラリア州クワナラのワインがオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては初めてが国際的に評価されました。しっかりとした果実味とミントを感じる清涼感のある香りが特徴。現在のオーストラリアでは、この品種は赤ワイン用ブドウ品種としてシラーズに次ぐ生産量を誇っています。

オーストラリア各地域のカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴としては、バロッサ・ヴァレーではしっかりとしたフルボディのワインが造られ、クレア・ヴァレーはバロッサ・ヴァレー同様のフルボディでかつより冷涼な気候に起因すする凝縮感が特徴です。ヴィクトリア州のヤラ・ヴァレーでは酸味とタンニン、果実味のバランスが取れたワインが造られます。

カベルネ・ソーヴィニヨンのマリアージュ

牛肉や仔羊肉など、肉質がしっかりと感じられる赤身肉を使った料理との相性が抜群です。調理法はグリルやローストがおすすめです。

和食であれば赤身の刺身やすき焼きなどが良いでしょう。チーズならハードタイプ全般や白カビタイプがぴったり。また、カカオ成分高めのチョコレートとも良い相性です。

 

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