「ワインで有名な国は？」と聞かれたら、多くの方がフランスを思い浮かべるのではないでしょうか。
世界中で生産されているワインですが、フランス産だとやっぱり特別感があって、圧倒的なブランド力を感じるところです。
もちろんイメージだけじゃなく、実際に高品質なワインが多いのも事実。
そこで今回は、数あるフランスワインの中から、「これぞおすすめ！」とソムリエが胸を張れるものだけ、コスパに優れた21本を選び抜いてみました！
どんなワインを飲もうか迷っているあなた、ぜひフランスワイン選びの参考にしてください！
おすすめフランスワインの選び方
ワイン大国の名に違わず、フランスにはワイン産地がいっぱい。
ボルドー＆ブルゴーニュという二大銘醸地を筆頭に、国土の東西南北にワイン産地が点在しています。
ワインは各地の伝統・文化に根ざし、名物料理と抜群にマリアージュする味わいとなって、地域の個性を映し出すように進化してきました。
なので一口にフランスワインと言っても、味わいや性格は多種多様、何を飲もうか悩んでしまう事も多い事でしょう。
この記事ではそんなフランスワインについて、各産地の特徴がよく出た代表的な銘柄を選んでいます。
さらに一定のクオリティを備えながら、1,000円～3,000円くらいで買えるという、手が届きやすいフランスワインを中心にセレクト。
ワインの個性を知る事こそ、ワインを楽しむ極意になります。
まずは一通り読んで頂いて、フィーリングに合うものを選んだら、ワインの持っている味わいの個性を存分に実感してくださいね！
フランスワインの王様！ボルドーワインのおすすめ4本
数あるフランスの銘醸地を代表するボルドー地方。
ワインに興味の無い方でも、名前を知っているほど有名ですよね。
物凄い高級産地のイメージがあるかもしれませんが、実はリーズナブルな価格でしっかり美味しい、というおすすめ銘柄もたくさんあるのです！
ワンランク上のオー・メドック産ボルドー
シャトー・オー・ケイラン キュヴェ・プレステージ 2015 赤
Chateau Haut Queyran Cuvee Prestige
ボルドーワインの産地として最も有名なメドック地区ですが、さらにその中心地として名高いのがオー・メドック地区。世界のセレブに愛される「五大シャトー」など、世界に名だたる高級ワインが生産されています。このシャトー・オー・ケイランは、正真正銘のオー・メドック産にして、大当たり年として知られる2015年ヴィンテージ。それなのに1,000円台前半の価格帯で買えてしまうという、圧倒的なコスパを誇るおすすめフランスワインなのです！
金メダル大量、コスパ抜群ボルドー・ブラン
シャトー・オー・プーニャン 白
Chateau Haut Pougnan
比較的リーズナブルながらしっかり美味しい、アントル・ドゥ・メール産の白ワイン。赤ワインのイメージが強いボルドーですが、実は白ワインの名声も高いんです。このシャトー・オー・プーニャンは、コンクールで金メダルを1個獲得するだけでは飽き足らず、毎年何個も獲得している実力派。フランスワインの中でも、これだけメダルを量産してる銘柄は珍しいです…。ハーブのような爽やかな味わいが特徴で、誰にでも飲みやすく初心者にもおすすめです！
高級ボルドーらしさが感じられる掘り出し物
レ・オー・ド・ラリヴェ・オー・ブリオン 2012 赤
Les Hauts de Larrivet Haut Brion
数々の高級ボルドーを産出する、銘醸地グラーヴ地区産の赤ワイン。実はグラーヴ地区を代表する、有名ワイナリーが造っているワインなのです。お値段は4,000円前後と少しお高めですが、ワインを飲み慣れない方でも、感覚的にクオリティの高さがわかる傑作。しっかりとした飲み応えで、複雑で上品な印象がありながら、ガッツリ肉料理にも負けない濃厚さも備えています。「どうせなら高級フランスワインの片鱗を味わいたい！」という方におすすめですよ。
極上の甘口ワインを産み出すソーテルヌの逸品
クレール・ド・リュヌ 500ml 白
Clair de Lune
さすがフランスを代表するワイン産地ボルドー、甘口ワインの品質も素晴らしいんです！ボルドーのソーテルヌ地区は、フランスワインだけにとどまらず、世界中のデザートワインの頂点とも言うべき産地です。そして文句無しの高級産地なのですが、この「クレーヌ・ド・リュヌ」は、数あるソーテルヌの中でもかなりリーズナブルに楽しめるおすすめの1本。フルーツタルトなどのスイーツと合わせて、甘美な極上の時間を楽しんでください！
フランスワインの女王！ブルゴーニュのおすすめ4選
ボルドーと並んで、フランスワインの二大銘醸地に数えられるブルゴーニュ。
近年は天災に見舞われ続けている事もあり、価格の高騰が続いているのが悲しいです…。
ロマネコンティやボジョレー、シャブリなど、日本でも有名な銘柄がある一方で、あまり知られていない「隠れた銘酒」もたくさん存在しています。
リーズナブルに飲める、貴重なブルゴーニュ1級畑
メルキュレイ プルミエ・クリュ クロ・レヴェック パトリアッシュ・ペール・エ・フィス 赤
Mercurey 1er Cru Clos L’Eveque / Patriarche
掘り出し物が多いコート・シャロネーズ地区で生産されたブルゴーニュワイン。「プルミエ・クリュ」は一級畑の事で、その名の通り一級品のブドウが育つ、素晴らしい畑だけに認められる呼称です。しっかりとしたブドウの果実味と、ブルゴーニュらしい繊細な味わいを兼ね備えた、とてもバランスの良い味わいが楽しめる1本。フランスワインの中でも高額になりがちなブルゴーニュにしては、4,000円前後で買えるというコスパの高さでもおすすめです！
ブルゴーニュの白としてお手本のようなクオリティ
ブルゴーニュ シャルドネ パトリアッシュ・ペール・エ・フィス 白
Bourgogne Aoc Chardonnay / Patriarche
ブルゴーニュで生産される白ワインとして、お手本になるような伝統的な味わい。果実感、酸味、ミネラル感などの要素が素晴らしくまとまっており、ブルゴーニュらしい繊細な印象のワインです。造っているのは上のメルキュレイと同じ、パトリアッシュ・ペール・エ・フィスというおすすめ生産者。18世紀からの歴史ある名門で、10,000㎡を超す広大なブドウ畑を所有し、ブルゴーニュ中から幅広く良質なワインを世界に供給しています。
シャブリで熱い注目を集めるエリート生産者
シャブリ ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン 白
Chablis / Jean Paul & Benoit Droin
フランスワインとして有数の知名度を誇るシャブリ。日本でも昔から人気の銘柄ですが、実はこのシャブリもブルゴーニュ地方って知ってましたか？ここでご紹介するおすすめシャブリは、評論家やワインメディアからベタ褒め状態の、ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワンという生産者が造る1本。「シャブリで一握りのエリート」「並外れた非常に高いレベル」など、まさに絶賛の嵐を浴びる凄腕なんです。シャブリらしい鋭い酸味とミネラル感が、口に入れた瞬間から余韻まで、しっかりとイイ仕事をしてくれています。
「聖なる愛」の名をつけた一味違うボジョレー
サン・タムール レ・ヴィニュロン・デ・ベレール 赤
Saint Amour / Vinescence
こちらもフランスワインでお馴染みのボジョレー。ボジョレー地方の新酒という事で、毎年恒例となっているボジョレー・ヌーボーですが、ボジョレーもまたブルゴーニュワインの一部なのですよ。このワインは新酒ではありませんが、ボジョレーの中でもワンランク上の位置づけとなる「サン・タムール」という銘柄。直訳すれば「聖なる愛」なので、プレゼントにもよく利用されています。普通のボジョレーよりも飲みごたえがあるものの、基本的には軽やか、繊細でとても飲みやすい味わいの赤ワインです。
ここも抑えておきたい！フランスワインの銘醸地おすすめ5本
世界に名高い高級ワインを産出する一方で、親しみやすくお手頃なワインも造るローヌ地方。
1,000kmにわたる流域一帯で、数多くの個性派ワインを産み出すロワール地方。
その他にもアルザス地方や南西地方など、これを知らなきゃもったいない、おすすめフランスワインをご紹介します！
ジョエル・ロブションも惚れ込むローヌの名門
クローズ・エルミタージュ・ルージュ レ・ジャレ ポール・ジャブレ・エネ 赤
Crozes Hermitage Rouge Les Jalets / Paul Jaboulet Aine
数あるフランスワイン産地の中でも、ボルドーやブルゴーニュに次ぐ銘醸地とされるのがローヌ地方です。ここで造られるワインは、果実味やタンニンがしっかりと主張して、飲み応えのあるワインが好きな方におすすめ。ローヌ最高峰の銘酒「エルミタージュ」は、世界に名高い高級ワインとして知られていますが、その弟分とも言うべき銘柄がこのクローズ・エルミタージュ。価格は抑えめながら、銘酒エルミタージュの片鱗が感じられる、繊細で奥深い味わいの赤ワインです。
濃厚ワイン好き必見、コスパ抜群のジゴンダス
ジゴンダス シグネチャー ジゴンダス・ラ・カーヴ 赤
Gigondas Signature / Hesiode
濃密でパワフルなワインになるジゴンダス。「濃い」ワインが好きな方に、かなりおすすめの産地なのですが、他のフランスワインと比べると知名度は高くありません。そのため高品質ながら価格も控えめで、ローヌワインの「穴場」として、ワイン通に重宝されております。そんなジゴンダスの中でも、このワインはかなり優秀。有名誌「ワインアドヴォケイト」で93-95点という高評価を獲得、ジゴンダスらしいパワフルさに加えて、洗練された上品さを兼ね備えている赤ワインです。
10年以上の熟成を経て、今なお力強いカオール
カオール 2009 シャトー・キャトル 赤
Chateau Quattre
フランス南西地方の銘酒カオール。近くにボルドー地方があった事で、昔からその名声の影に隠れてしまうという、不遇な産地でありました…。しかし近年になり、その力強く個性的な味わいが評価され、日本を含め世界中で根強い愛好家を獲得しています。ここでご紹介するカオールは、長期の熟成を経た2009年ヴィンテージ。10年以上の熟成を経た銘柄は希少ですが、それが1,000円台で飲めてしまうなんてさらに貴重！これだけの時間を経ているとは思えないパワーがありつつ、熟成による複雑なニュアンスが楽しめるおすすめワインです。
「究極」と絶賛された、海のワイン・ミュスカデ
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ヴィエイユ・ヴィーニュ シャトー・ド・ラゴティエール 白
LAbeille de Fieuzal Rouge
バラエティ豊かなワインを産出するロワール地方で、ひときわ個性の光るミュスカデ。「海のワイン」とも呼ばれるミュスカデは、お刺身やお寿司とも相性抜群の、酸味豊かでスッキリとした味わいが特徴です。日本人の口に合いやすいとされており、実際にかなり飲みやすい味わいで、フランスワインの中でも昔から人気の高いおすすめ銘柄。そんな中でもこのシャトー・ド・ラゴティエールは、有名ワイン誌に「究極のミュスカデ」とまで評された、絶大な評価を誇る1本なんです！
オーガニックの優しいアルザス・リースリング
アルザス リースリング ポール・ウンブレシュト 白
Alsace Riesling / Paul Humbrecht
三ツ星レストランにもオンリストされる生産者、ポール・ウンブレシュトが造るおすすめの1本。フランスワインでありながら、ドイツワインの影響を色濃く受けたアルザス地方の白ワインです。アルザスワインはとても優しく、繊細な味わいが特徴ですが、このワインはオーガニック栽培のブドウを使用していてさらにナチュラル。程よく主張する酸味がアクセントになっていて、わずかな果実の甘さが心地よい飲み口となっています。
爽やかな泡と繊細な味わい、フランスワインのスパークリングおすすめ3本
誰もが聞いた事のある「シャンパン」とは、フランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのことを指します。
シャンパンは世界中の発泡ワインの頂点とまで言われますが、フランスでは他にも様々な地域で、上質なスパークリングワインが生産されています。
普通のワインと同様に、よ～く味わって個性を飲み比べてみてください！
泡好きは一度飲むべき、コスパ傑出シャンパーニュ
アドリアン・ショパン ブリュット NV 白
Adrien Chopin Brut
品質が高いゆえに、お値段も立派なシャンパーニュ。数千円から数万円するような銘柄も珍しくない中で、2,000円ちょっとで入手できる銘柄は貴重です。しかもこのアドリアン・ショパンは、黒ブドウだけを使ったブラン・ド・ノワールと呼ばれるタイプで、この価格帯ではかなり珍しいタイプと言えるでしょう。コクのある複雑な味わいで、これだけ安いにも関わらず、シャンパーニュらしさが存分に楽しめる、抜群のクオリティが嬉しすぎる1本です！
クレマンの傑作、ワンランク上なのにリーズナブル
フランスワインの「クレマン」は、ワンランク上のスパークリングとして泡好きに大人気。厳しい規定をクリアしなければならず、普通のスパークリングワインとは一味違う品質を備えています。この「キュヴェ・エム・ド・モンゲレ」は、クレマンの熟成規定の2倍以上を経て作られたという、生産者の並々ならない気合が感じられる1本。それなのに1,000円台で買えてしまうという、コスパの高さは素晴らしい！有名ワイン誌「ギド・アシェット」でも高評価、爽やかながら複雑味のあるおすすめスパークです。
リンゴで造られる発泡ワイン「シードル」の実力派
シードル ブリュット クール・ド・リヨン 白
Cidre Bouche Brut de Normandie NV / Christian Drouhin
フランスワインはブドウだけじゃない！リンゴを原料として造られる「シードル」も、世界で根強い人気を誇るスパークリングワインです。こちらのシードルは、銘醸地ノルマンディー産の無農薬リンゴを使用して、スッキリ辛口に仕上げられた逸品。ニューヨークタイムズのシードルランキングで、第1位を獲得するなどの実力を誇りながら、1,000円台で楽しめるというコストパフォーマンス。ほとんどクセがなく、飲みやすさの面でもおすすめの銘柄です。
通が選ぶフランスワインおすすめ5本
一般的な知名度は高くなくても、愛好家の間ではもてはやされる素晴らしいワイン。
ワイン大国フランスには、隠れた銘酒がまだまだたくさん存在しています。
ここでは知られざる銘醸地から、飲めばきっとハマってしまう、寄りすぐりのおすすめワインをご紹介します！
爽やかで上品な味わい、通の好む銘酒サンセール
サンセール・ブラン レ・モンタシャン ジトン・ペール・エ・フィス 白
Sancerre Blanc Les Montachins / Gitton Pere et Fils
ロワール川の上流部で造られるサンセールは、通をうならせるフランスワインの銘酒。ソーヴィニヨン・ブランというブドウを100％使用した、ミネラル感にあふれるスッキリとした白ワインです。このワインの生産者ジトン・ペール・エ・フィスは、サンセールを代表する名門の一角。フランスの3つ星レストランでオンリストされるだけでなく、各国の大統領も顧客に持っているという、プロの料理人やセレブが認めるワイナリーなんです！
旨安ワイン天国で、ひときわ個性の光るピクプール
ピクプール・ド・ピネ ル・ジャドゥ 白
Picpoul de Pinet / Le Jade
高級なイメージの強いフランスワイン。でも南仏・ラングドック地方には、リーズナブルな価格で購入できるお手頃銘柄を大量に生産している事から、「旨安ワイン天国」なんて呼ばれる事も。そんなラングドックでも、ひときわ個性の光るおすすめ銘柄がピクプール・ド・ピネです。現地では生牡蠣をはじめ、様々なシーフードと合わせて楽しまれており、そのマリアージュは抜群！レモンなどの柑橘を思わせる爽やかな味わいで、お料理と幅広く合わせられます。
ブルゴーニュ白の魔術師が…ジュラ地方に進出
コート・デュ・ジュラ レ・サル サヴァニャン ジャン・リケール 白
Cotes du Jura Les Sarres Savagnin / Domaine Rijckaert
フランス5大白ワインの一つである、「シャトー・シャロン」を産み出すジュラ地方。他のフランスワインでは見かけないような、独特のブドウ品種を駆使して、個性の光るワインが造られています。このワインはジュラ地方に惚れ込んだ、ブルゴーニュの生産者が造っているのですが…この人が只者じゃなかった！伝説的な高評価の白ワインを送り出し、「白ワインの魔術師」とまで呼ばれるジャン・リケールさんなのです。個性派の多いジュラワインですが、このワインはスッキリとしてクセの無い風味、食事にも合わせやすい逸品です。
侮れないクオリティ、サヴォワ産ピノ・ノワール
サヴォワ ピノ・ノワール フィリップ・ヴィアレ 赤
Savoie Pinot Noir / Philippe Viallet
スイスに近い山岳地帯。ここにひっそりと存在するサヴォワ地方は、フランスワインの生産地としてかなりマイナーな部類。飲んだ事がある方は、かなりのワイン通とお見受けしますが…最近このサヴォワ地方が熱い！その素晴らしさを世界に知らしめようと、野心のある生産者が切磋琢磨し、ワイン界で注目を集めています。このピノ・ノワールは、手頃な価格で飲めるサヴォワ入門におすすめの1本。ブルゴーニュを思わせるような繊細さがあり、安くてもサヴォワのポテンシャルが感じられる、かなりコスパの高い赤ワインです。
ブイヤベースと合う、プロヴァンスの銘酒カシー
カシー ブラン クロ・サント・マグドレーヌ 白
Cassis Blanc / Clos Sainte Magdeleine
ブイヤベースのためのワインがある事をご存知でしょうか？この「カシー」はプロヴァンス地方のワインで、現地の名産料理であるブイヤベースと、抜群のマリアージュを発揮します！ところでプロヴァンス地方と言えば、セレブ御用達のリゾート地。そしてフランスワインの中でも、ロゼワインのおすすめ産地であり、赤や白はちょっと影が薄いのですが…。中にはカシーのような、知られざる銘酒も眠っている侮れない産地なんです。
