世界の日本人醸造家が造るおすすめワイン12選!

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日本人生産者たち

世界を拠点に活躍する日本人と聞いて、皆さん誰を想像しますか?

やはり最初に挙がるのはスポーツ選手でしょうか?
例えばイチロー選手や大谷翔平選手、テニスの大坂なおみ選手などが有名ですよね。

俳優でいうと渡辺謙さんや真田広之さん、音楽界でいえば指揮者の小澤征爾さんなどが挙げられるのではないでしょうか?

実は、ワインの世界にもいるんです。すごーい日本人が。

ヨーロッパのみならず、アメリカやニュージーランドでワイン造りに成功し、日本に逆輸入!ということで、日本でも人気の高い日本人醸造家が数多くいらっしゃいます。

今回はその中でも特にご紹介したい醸造家を、彼らが造る極上のワインと共にご紹介したいと思います!

これを読めば、日本人が世界で造る極上のワインを、あなたもきっと飲んでみたくなるはず…!

新世界ワインの筆頭格!カリフォルニアの日本人醸造家

シャトー・イガイ・タカハ

イガイタカハ夫妻

シャトー・イガイ・タカハは、オーナーの杉本夫妻がカリフォルニアナパヴァレーで運営する新進気鋭のワイナリーです。

ミスター・ナパとも呼ばれる夫の杉本隆英さんは、元々アメリカに本社を持つ外資系IT企業の日本代表取締役。度々カリフォルニアに訪れるたびにワインに目覚め、遂には自分のワイナリーを持ってしまいました!

そして2005年、いつかは巣立っていくであろう二人の娘の結婚式を、自分たちが造るワインで祝ってやりたい、そんな思いが実り、イガイ・タカハをスタート。

嫁いでも生まれ育った家庭は忘れないようにと、家紋である「丸に違い鷹羽」をシンボルに、シャトー・イガイ・タカハと名付けました。

実際にワインを醸造するワインメーカーは、21世紀のスーパースターと呼ばれるグレッグ・ブリュワー氏

グレッグ氏は入手困難なカルトワインとして名を博すブリュワー・クリフトンをはじめ、日本に旋風を巻き起こした漢字ラベルのダイアトムなど数々のワインメイキングを手掛けています。

日本人の食事に合うように上品なスタイルに仕上げられたワイナリーの実力は、ミシュラン星付きレストランや、JAL国際線のファーストクラスにもオンリストされる程の高い評価を獲得。

漫画「神の雫」にも登場した漢字シリーズは、その斬新なネーミングだけでなく味も非常に評価されています!

侍

サムライ(侍)シャルドネ サンタリタ・ヒルズ シャトー・イガイ・タカハSAMURAI Chardonnay Sta.Rita Hills

イガイ・タカハの中でも人気なのが漢字シリーズ。和テイストの食事に合うように造られたその味わいは、まさに日本文化の侘び寂びを感じさせます。シャトー・イガイ・タカハのフラッグシップがこの「侍」。鋭い切れ味の刀と暖かい心を持つ真の侍を表現したシャルドネ。「侍」はJALファーストクラスに採用されるなど高く評価されています。

オヤジダンディー

オヤジダンディー シャトー・イガイ・タカハ
OYAJI DANDY

この世の全ての「親父さん」へ感謝の気持ちを込めて誕生したのがこの「オヤジダンディー」。バルベーラ種とドルチェット種をブレンドして作られています。瑞々しくしっかりした酸とほのかに感じる塩味。旨味も感じられます。何と言っても父の日に大人気のこのワイン。今年の父の日には、感謝の気持ちを込めてワインを送ってみませんか?

シャトー・イガイ・タカハのワイン一覧はこちら!

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーは、2001年にカリフォルニアで設立されたワイナリーです。

当主はケン・フリーマン氏と日本人醸造家のアキコさん。アキコさんがアメリカ留学時代にケンさんと出会い、ワインの中でも特にピノ・ノワール好きだった二人はすぐに意気投合。

「ブルゴーニュのような飲み手を惹きつける様なワインを自分たちの手で作る」ことを夢見て、結婚後はカリフォルニアのソノマ、ロシアン・リヴァー・ヴァレーにワイナリーを設立しました。なんと300以上の畑や栽培農家を回って決めた場所というから驚きです!

さらに驚くことに、初リリースのピノ・ノワール2002年ヴィンテージが「スターワイン・インターナショナルワイン・コンペティション」で見事に金賞を獲得!さらに、2015年4月には安倍晋三元首相をオバマ元大統領が招いた公式晩餐会に、「涼風シャルドネ」が供され、一躍世界の脚光を浴びました。

カリフォルニア初の日本人女性醸造家として、アキコさんの活躍は日本のみならず世界に知られています!

キュヴェアキコ

ピノ・ノワール アキコズ・キュヴェ フリーマン
Akiko’s Cuvee / Freeman

フリーマンのファーストキュヴェである2002年から毎年リリースされるトップキュヴェ。アキコさんとワインコンサルタントが、共に試飲をともに熟成中のワインを試飲しブレンドを決定します。アキコさんのブレンダーとしての実力が非常に評価が高いことから、この名前が定着しました。ワインに奥様の名前を付けちゃうなんて、素敵ですよね。2016年はワインガイド「ヴィノス」で94点という高い評価を得ています。

涼風

シャルドネ 涼風 フリーマン
Chardonnay Ryo-fu / Freeman

かつてホワイトハウスの公式晩餐会でも供されたワイン。「涼風」はロシアン・リヴァー・ヴァレーに吹き込む冷たいそよ風に由来しています。淡いゴールドの色調。グラスに注ぐと、洋ナシやメロン、アプリコットなどの果実香に、花やハチミツ、トースト、ココナッツ、ベーコンのニュアンスが重なります。年産はわずか580ケースと少量生産の貴重なシャルドネです。

ドイツでワインを造る日本人醸造家

ヨーゼフ・ビファー醸造所

徳岡さん

続いては、ドイツで活躍する日本人醸造家をご紹介!

ドイツの銘醸地ファルツにあるダイデスハイムにある醸造所、ヨーゼフ・ビファー。そこで2013年からワイン造りを行っているのが女性醸造家、徳岡史子さんです。

元々、ドイツの大学でシュール・リー製法を研究していた徳岡さんですが、醸造所の移転をきっかけに、後継者を探していたヨーゼフ・ビファーの運営を任されました。

以来、ゼクトを始めリースリング、シュペート・ブルグンダーなどを手掛けています。彼女の造るワインは、特に和食に合うと日本でも非常に評価を高めています。

トロッケン
シュペート・ブルグンダー・トロッケン ヨーゼフ・ビファー

Spatbrugunder Tricken / Josef Biffar

エレガントなルビーの色合い。華やかな香りと樽のニュアンスがあります。熟したタンニン、繊細なキレ、ミネラルが感じられるミディアムボディの赤ワインです。ポン酢でさっぱり味付けした牛肉料理の他、醤油の味付けにもよく合います。

ヨーゼフ・ビファーのワイン一覧はこちら!

ワイン王国フランスで活躍する日本人醸造家!

ルー・デュモン

仲田さん

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介された、日本でもお馴染みルー・デュモンのオーナー兼醸造家、仲田晃司さん。2000年からニュイ・サン・ジョルジュを拠点にワイン造りを行っています。

元々はコックになろうとフランス料理店でのアルバイトからスタート。そのレストランで働く中でフランスに行く機会があり、ワイナリーでの研修も経験。その後フランスで働くことを決心し、ブルゴーニュでワイン造りを始めました。

「デュモン」とは「山」という意味で仲田さんの故郷である岡山の備中松山城をイメージして故郷への思いを込めています。「ルー」は会社設立時手伝っていたご友人の娘さんの名前から頂いたそうです。

2008年にはジュヴレ・シャンベルタン村に念願の自社セラーを設置。そのお披露目パーティに神様アンリ・ジャイエが訪れ、仲田さんのワインを絶賛したというエピソードが残っています。

ルー・デュモンについてもっと知りたい方はこちら!

ブルゴーニュルージュ

ブルゴーニュ ルージュ ルー・デュモン 
Bourgogone Rouge / Lou Dumont

ルー・デュモンの看板キュヴェ。ブドウは、ニュイ・サン・ジョルジュ村内のACブルゴーニュが28%、ビオディナミによるメルキュレー村内のACブルゴーニュが約20%、自社畑ものの「Bourgogne Rouge Vieilles Vignes」が約2%、残りの約50%はAOPジュヴレ・シャンベルタン、及びACオート・コート・ド・ニュイを格下げしてブレンドしています。

キュヴェナチュール
スタジオジブリとルー・デュモンがコラボ! 

ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・ナチュール ルー・デュモン 
Gevrey Chambertin Cuvee Nature / Lou Dumont

有機栽培ブドウのみで造られた特別なジュヴレ・シャンベルタン。平均樹齢40年の古木をから生み出されます。仲田さんは実は大のジブリ好き。このキュヴェは、版画家であり、宮崎駿さんの息子の宮崎敬介さんがデザインしたオリジナルボトルです。

近年人気急上昇のニュージーランドでワインを造る日本人醸造家!

コヤマ・ワインズ

コヤマ・ワインズは神奈川県出身のワイン醸造家、小山竜宇さんが2009年にニュージーランドのワイパラ・ヴァレーで設立したワイナリーです。

小山さんは、2003年にニュージーランドに渡り、国立リンカーン大学のブドウ栽培・ワイン醸造学部に入学。その後はニュージーランドのみならず、ドイツやイタリアなどでワイン造りの修業を積んだ後に自身のワイナリーを設立しました。

ワイパラ・ヴァレーはニュージーランドの南島に位置する、比較的歴史の浅い産地ですが、高品質ワインを生み出す場所としてそのポテンシャルは多くの評論家も認めています。

コヤマ・ワインズについてもっと知りたい方はこちら!

ピアソンズピノ

ピノ・ノワール ピアソンズ・ヴィンヤード コヤマ・ワインズ 赤
Pinot Noir Pearson’s Vineyard / Koyama Wines

ワイパラ・ヴァレー北西に位置する砂利質土壌の平坦な畑、ピアソンズ・ヴィンヤードのピノ・ノワール100%使用。北西から吹き降ろす風が強く、べト病など病気の発生が少ない畑です。華やかな明るいベリーの香りで、丸みのある柔らかいタンニンがあり、若いうちから楽しめるスタイルのピノ・ノワールです。ローストポークや鴨肉など、甘みや旨みのあるお肉料理との相性もばっちりです。

フォリウム

もうひとつ、ニュージーランドで活躍する日本人醸造家をご紹介。

フォリウムは、岡田岳樹さんが銘醸地マールボローに設立したワイナリーです。岡田さんは北海道大学農学部を卒業後、醸造学の権威カリフォルニア大学デービス校でワイン造りを勉強。その後、ロワールの老舗アンリブルジョワがニュージーランドで設立したクロ・アンリで修業。2010年にフォリウムを設立しました。

マールボロ―地区のソーヴィニョンブランは、よく熟したパイナップルやマンゴーなどのトロピカルフルーツの香りがするものが多いですが、岡田さんが造るワインはエレガント寄り

敬愛するブルゴーニュのようなタイプのワインに寄せて作っているそうです。2014年にはオーガニック認証も取得し、持続可能な美味しいワイン造りを続けています。

フォリウムソーヴィニョンブラン

ソーヴィニヨン・ブラン フォリウム・ヴィンヤード 
Sauvignon Blanc / Folium Vineyard

ソーヴィニョンブランの銘醸地として名高い、マールボロ産100%。ピュアで洗練された味わいは、魚介をメインにした料理と見事にマリアージュ。ライムやレモン、グレープフルーツ、グリーンマンゴーを思わせる果実香に、石灰のようなミネラルのニュアンス。ほのかな甘みを感じさせるほど凝縮感のある果実味。爽やかで上品な酸がまるでフランスワインのような、洗練された印象を与えます。

フォリウムピノ

ピノ・ノワール リザーヴ フォリウム・ヴィンヤード 
Pinot Noir Reserve / Folium Vineyard

ピノ・ノワール・リザーブは最も出来の良い区画のブドウを厳選して使用。
ステンレスタンクで発酵を行い、フレンチオークの樽で18ヶ月の熟成を経てリリースされます。マールボロのピノ・ノワールのポテンシャルを最大限に引き出した、果実の重厚感とエレガンスさを兼ね備えた逸品です。

フォリウム・ヴィンヤードのワイン一覧はこちら!

番外編!カリフォルニアにワイン侍がいた!?

パラダイス・リッジ・ワイナリー

長澤鼎
1983年、当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンが来日した際、国会でのスピーチで「日米両国に貢献した人物」として一人の日本人を褒め称えました。長澤鼎という人です。

日本の記録に残る歴史上、最初にカリフォルニアでワインを造っていた日本人醸造家です。

長澤は1852年、当時の薩摩藩である鹿児島県に生まれました。13歳の時に、薩摩藩が結成した渡英留学生の一員としてイギリスに渡り、キリスト教団に入会。そこでブドウ栽培を学びました。

他の留学生が全員帰国するなか、長澤は一人で渡米。最終的にカリフォルニアたどり着きました。

その後ソノマにマウンテン・グローブ・ワイナリーを設立。彼が造ったカベルネソーヴィニョンが、カリフォルニアワインコンテストで2位を獲得。後にカリフォルニアワインとして初めてイギリスに輸出され、「グレープ・キング(ブドウ王)」と呼ばれたのです!

フィロキセラや禁酒法などの苦難を乗り越えましたが、1934年に83年の生涯を閉じました。その後ワイナリーは解体。現在はパラダイス・リッジ・ワイナリーがその一部を継承し、ワイン造りを続けています。

しかし2017年に起きた大規模な山火事の際に、パラダイス・リッジ・ワイナリーは焼失。ブドウ畑は被害を逃れましたが、ワイナリーは多大な被害を受けました。

周囲からの援助もあり、2年後の2019年12月にワイナリーは再建されています。

長澤鼎は、今回ご紹介した日本人醸造家のまさにパイオニアと呼べる偉大な人物。いつかドキュメンタリー番組や、連続ドラマで取り上げられて欲しいですね。

シャルドネ カナエ ザ・グレープ・キング パラダイス・リッジ
Chardonnay Kanae The Grape King / Paradise Ridge

パラダイス・リッジ のオーナーが、長澤の歴史に感銘を受けて、彼が所有した畑の一部を継承してつくる白ワイン。偉大なワイン侍の名を冠した特別なワインです。2015年は、 長澤鼎が日本を旅立ってから150周年となる節目であり、それに合わせてリニューアルしたラベルは、晩年の彼の写真が印象的なデザインです。樽の風味や果実味豊かなカリフォルニアらしいスタイルながら、ロシアン・リヴァー・ヴァレーの冷涼な気候を表す豊かな酸味が味わいのバランスを支える1本です。

あとがき

日本食とワイン

世界で活躍する日本人醸造家をご紹介させて頂きました。

同じ日本人の方が、異国の地で一生懸命つくられているワインが良い評価を得ることは、非常に嬉しくなりますよね。

どの方にも通じて言えるのは、その土地で最高のワインを造りたいという非常に熱い情熱を皆様持っていらっしゃるということ。そこには国籍も、性別も関係ないということです。

今回ご紹介しきれなかった方もまだまだ沢山いらっしゃいます。そしておそらく、これからも世界で活躍する日本人醸造家はどんどん増えていくことでしょう。

機会があればまた改めて取り上げていきたいと思いますので。是非楽しみにしてくださいね!

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