皆さんは普段何のお酒を飲みますか? 仕事帰りに同僚と居酒屋へ行ったり、家でまったり食事に合わせて飲んだりと、様々な環境で飲む機会はあると思います。
やはり最初はビール!次はレモン杯やハイボール!という流れはよく見かけますが、 しかし最近ではお洒落なバルや居酒屋などでも、お酒のラインナップにワインを取り入れる人も増えてきました。
私の勝手なイメージですが、仕事帰りのサラリーマンがカウンター席で5~6本の焼き鳥と 安いサワーでちびちび飲んでる、それも好きなんですが(笑)今では女性が一人でワイン片手に カウンターに座っている店もあります。
でも一般的にまだまだワインの需要は低く、ワインを普段から飲んでるなんて周りに伝えた日には「すごいね~」なんて 言われたりしませんか?詳しくて飲んでいる人なんてごく一部、私も偶々飲んだワインが美味しくてハマっただけの事。 そんなもんなんです。
ワインと言えば「フランスやイタリア」みたいな事をいう人も居ますが、今や日本も世界に認められるワイン生産地なんですよ。 そのワイン生産地の中で、先日伺った新潟県のワイナリーをご紹介します。
この機会にワインについて学ぶ?なんて難しい考えではなく、気軽に飲んでみたいなぁ~って気持ちになって頂けたら幸いです!
日本ワインの基礎知識
いきなり基礎知識です(笑)ゆる~く流し読みでも構いません、そ~なんだ~と思って読み進めて下さい。
日本ワインって国産ワインの事でしょ?なんて話も耳にしますが、それぞれ決まり事があるんです。 国産ブドウ100%を使用して国内製造されたワインを「日本ワイン」、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を使用して国内で製造されたワインを 「国産ワイン」と呼んでいます。
実は「日本ワイン」という言葉ができたのは最近の2003年頃の事なんです。 それまでは業界の自主基準を使用し明確なルールが無い状況でしたが、2015年に「日本ワイン法」が策定され 2018年10月からはこの法律が施行されました。
以前は、「日本の気候風土は、ワイン造りに適していない」「日本ワインは輸入ワインに比べて風味が劣る」 という意見もあり、大手メーカーも「日本ワイン」の製造にそこまで積極的ではありませんでした。
しかし、2010年頃から「日本ワインは日本のブドウで造ったワインとする」とサントリーが表明し、徐々に「日本ワイン」 の定義が確立され始めました。
当たり前の事のように聞こえますが、以前?と言ってもつい10年ほど前の事です。 私たちはちょうど日本ワインが世界に認められる、歴史が変わる瞬間にいるんです。 後世の人たちは羨ましがるでしょうね、この瞬間を味わえるなんて。
主なワイン生産地
日本各地でワインは造られていますが、代表的なのは山梨、北海道、山形、長野、新潟が全体の6割を占めています。 特に、北海道のワイナリー建設ラッシュは激しく、海外の醸造家も進出してくるぐらい人気があります。
温暖化の影響でしょうか、葡萄の栽培には朝と夜の寒暖差が大きいほど良いとされていますが、現在国内生産高 トップの山梨では、人が住みづらいほど気温の上昇がみられ、銘醸地としての地位は北上傾向に見られます。
下記は平成29年3月31日現在、国税庁における果実酒製造場388場の内訳です。
山 梨:81軒
北海道:34軒
山 形:34軒
長 野:14軒
新 潟:10軒
日本固有ブドウ品種
日本ワインを生み出す日本固有品種は主に3種類あります。
甲州 奈良時代に日本に伝わったとされる、白ワイン用の固有品種です。 そのルーツは、ヨーロッパにあるとされています。 耐病性が強く、栽培条件は日本の気候に合っていると言われています。 最上級の甲州ワインは、非常にバランスが良く、海外からの評価も高いです。
2010年、日本固有の品種として初めてOIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)に登録され、 輸出時にラベル上で品種名表示が可能になりました。
また甲州の果皮は淡く灰色がかった(灰色=フランス語でGris/グリ)赤紫色のため、 甲州を赤ワインのようにスキンコンタクトさせた「オレンジワイン」としても使用されています。
マスカット・ベーリーA 新潟岩の原葡萄園の川上善兵衛によって生み出された赤ワイン用の固有品種です。 アメリカ系のベーリー種とヨーロッパ系のマスカット・ハンブルク種を交配してつくられました。 日本の気候に合わせて作られた品種のため、耐寒・耐病性に優れ、比較的容易に育てることができます。
ワインは甘いキャンディやイチゴのような香り、渋みがマイルドなものが多く見られ、 樽で熟成したものには、凝縮感や複雑みを感じることができます。 最近は長期樽熟成のものも増加中です。2013年にはOIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)に登録されています。
ブラッククイーン こちらも新潟岩の原葡萄園の川上善兵衛によって生み出された赤ワイン用の固有品種です。 濃い黒紫色の果皮を持ち、非常に色が濃く、豊かな酸味となめらかなタンニンが特徴のボリュームある辛口 の赤ワインが造られる。
収穫期を遅らせて、特徴である高い酸を軽減させ、品種由来の果実味の豊かさを引き出すこともある。 香りはやや薄めの品種ですが、樽熟成によってスパイシーな熟成香が調和され、個性豊かなワインとなります。
ワイナリーへ行ってみよう!
日本酒なら酒蔵に、ではワインはワイナリーへ行ってみませんか? 実際にブドウ畑、醸造するタンクや設備を見たり、貯蔵所の樽の香りを是非嗅いでほしい! 運が良ければ醸造家の方と話ができる場合もあります。
ただ最近は家族経営のマイクロワイナリーも多く、見学を行っていないワイナリーもありますので 出かける際はホームページ等の案内をご覧になってからお出かけ下さい。
●一度に5軒ものワイナリーを見学できる!新潟ワインコースト
新潟市西浦区角田浜にあるカーブドッチワイナリーが経営塾を開校し、その卒業生からなる 4軒のワイナリーが集まったワインコーストです。 各ワイナリーは歩いて2~3分の間隔にあり、色んなスタイルのワイナリーを見学する事ができます。
そしてカーブドッチワイナリーが併設した宿泊施設、スパ、レストラン、パン工房、イングリッシュガーデンなど 一日居ても時間が足りない、大人も子供も十分に楽しめるテーマパークになっています。 もちろん全てのワイナリーで試飲もできますよ。 5軒×5種類だとして…かなりの種類を味わえますね!
各ワイナリーで提供しているワインは主に欧州系品種が多く、一般的な白ならシャルドネ、赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンを それぞれ飲み比べ等すると違いを感じたり出来て楽しいと思いますよ。
大抵のバルや居酒屋でも、この2品種は置いてあります。フランス、イタリア、スペイン、チリ、ドイツ、オーストラリア等 それぞれの国によって味わいは違いますが、難しい事は気にしない!まずは頼んでみましょう!
もし、ちょっとでもワインに興味が湧いてきた、という方は「アルバリーニョ」というスペイン原産の品種で造られた ワインを味わってみて下さい。
新潟のテロワール(ブドウはその土地の風土によって味わいが変わります)に適合する、今後新潟を、いや日本を代表する 品種になる!と力を注いでいるワインです。
■カーブドッチワイナリーの解説・商品一覧はこちら
■ドメーヌ・ショオの解説・商品一覧はこちら
■ルサンクワイナリーの解説・商品一覧はこちら
お勧めの日本ワイン6選
●カーブドッチワイナリーより
~むささび~
新潟産カベルネ・ソーヴィニヨン100%を使用、酸が穏やかな新潟のぶどうではシャンパーニュのような キリッとしたワインは造ることができません。 トップに来るのは白い石を思わせる硬質感と白桃やリンゴの香り。 口に含むと液体が入っているのか?分からないぐらい柔らかな泡がしゅわしゅわと優しく弾け、 その後厚みある旨味がジワリと広がります。
デゴルジュマン(澱引き)も行っていないので、澱がどの程度混じっているかによって味わいが変わり、サッパリがお好みの方はなるべく動かさずに、 厚みが欲しい方は抜栓前に澱を軽く混ぜると2通りの変化が楽しめます。
~アルバリーニョ~
外観は綺麗なライム色を帯びたイエロー、軽めのジャスミンのようなパウダリーな香りと、様々な花の香りが束になって溢れて、でも過剰ではなく素晴らしく上品。 口に含むと、角田浜の潮風を感じる塩味とミネラル!なんだか子供の頃スイカ割りしてかぶりついた甘さとしょっぱさを思い出します。
ミネラル、生き生きとした酸、旨味、甘み、ほろ苦、すべての調和がとれた秀逸なワインとなっております
●ドメーヌ・ショオより
~Thank you so much for encouraging me~
~いつも励ましてくれてありがとう。おはよう。今日も元気出していこうよ。風が気持ち良いね。なぜだか、景色が広いよ。 ずっとずっと遠くまで見える気がする。海かな・・・ ありがとう。~
緩くて優しいしっとりとした旨み。青い清涼感のある香りが心地よく、土系の香りと湿潤な潟の雰囲気を まとっています。 控えめな果実味、しっかりした旨み、そして、紳士的な樽香。
Thank you so much for encouraging me
~You make me happy when skies are gray~
~ こんなすっきりしない天気の時だって、君のおかげでとても楽しくて嬉しいよ。 晴れでも雨でも曇りでも。どんな時だって楽しめるよ。 楽しむために頑張らないといけないこともあるけど、元気にしてくれる人がいるって最高だね。~
綺麗に造りつつも少しづつ雑味も含めた旨みを取り出すよう造られた液体は、フレッシュで優しくて柔らかいワインを 表現するために亜硫酸塩も不使用にしています。 温度管理と酸素の管理に気を使い、優しく優しく仕上げられたワイン。ひたすら飲みやすいですが、 その中にコクも感じられます。
You make me happy when skies are gray
●ルサンクワイナリーより
~セイベル~
セイベル100%で造られた単一のワインは珍しく、外観は薄く緑がかっていて若干不透明な色合い。液面には細かい泡が沸々と立ち、 すだちを思わせるフレッシュな柑橘系の香り、さっぱりと美味しいシャープな酸が特徴です。
~シャルドネ 樽熟~
新潟県産シャルドネ100%で造られ、培養酵母でステンレスタンクにて発酵した後、フレンチオーク樽で約1年間熟成させました。 フルーティーな香りとなめらかな酸、パイナップルや洋梨を想わせる豊かな味わいが特徴です。
まとめ
何となくでも日本ワインに興味をもって頂けたでしょうか。
品種としては一般的なシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンを先ずは飲んでみて、後は興味のあるものを物色していく。
もちろん、詳しくなれば相当の楽しみと感動が待っていますが、私がお勧めするのはインスピレーションに従う事! 最初から詳しい人なんて誰もいません、是非恥ずかしがらず、カッコつけずにワインを味わってみて下さい!