ロンドン在住13年の筆者がおすすめする、ロンドンっ子のワインの楽しみ方

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イギリスは古くから、ワインの一大消費国として、ヨーロッパや世界各地のワイン産業を盛り立ててきました。

フランスの一大銘醸地として知られるボルドーも、イギリスによって発展したと言っても過言ではありません。12世紀半ば、ボルドーを支配していたアキテーヌ公国のエレオノール女公が、後のイギリス王ヘンリー2世と結婚。

これによりフランスとイギリスの国際的な結びつきが強くなり、ボルドーを含むフランス西部のワイン産地は、イギリスが最大の輸出国となり、フランスワインの発展に大きく貢献しました。

イギリスの首都であり、コスモポリタンな街、ロンドン。

世界中のワインが集まり、ワイン愛好家にはたまらない街です。

筆者はロンドンに住んで13年になりますが、ワイン文化が日常に溶け込んだこの街で生活するうちに、自然とワインに興味を持ち、勉強するようになりました。

今回は、そんなロンドンのワイン文化についてご紹介していきましょう。

ロンドンっ子の過ごし方

パブでワインを満喫♪

街を歩くとあちこちにパブ(酒場)を見かけます。子供と一緒に入れるパブもあるのは、まさにイギリスの文化でしょう。

パブはフラっと気軽に立ち寄れる社交の場。温かい季節にはテラスに座ったり、パブの外で立ち飲みをしながら、おしゃべりしている人で溢れかえっています。

大衆向けのお手頃パブから、ちょっと「posh」(ポッシュ・高級)なミシュラン星付きガストロ・パブまで、値段もクオリティもピンキリです。

前者の場合は、お手頃なワインを飲むことができます。

カウンターでワインを注文してそのまま立ち飲みするか、自分でテーブルへ運びます。お店がにぎやかで店員さんの声がよく聞こえない時は、お店のハウスワインをお任せで注文することもしばしば。。。

グラスは大・中どちらのサイズが良いかを指定します。友達と一緒なら思い切ってボトルを頼んでも!「一杯目は私がご馳走、次はよろしく!」という感じで。

ボトルとワイン・クーラーを持ってテラスへ。天気の良い日は外でワインを飲むのがとても気持ちいいですよ。

男性は赤ワインを好む人が多いのに対し、女性は白ワインが好きな人が多いようです。

白ワインはソーヴィニヨン・ブランピノ・グリージョシャルドネヴィオニエなど。お祝いにはイタリアのプロセッコ。赤はメルローカベルネ・ソーヴィニヨンピノ・ノワールなどが人気です。

一方、食事にもこだわったガストロ・パブでは美味しい食事とワインが楽しめます。

近年注目が集まっている「モダン・ブリティッシュ」という新しいイギリス料理をうたっているお店もよく見かけます。イギリスらしい素材を使った伝統あるイギリス料理をベースに、イタリアやフランス料理、そしてアジアのハーブとスパイスを効かせた、ヘルシー志向のフュージョン料理です。

ロンドンのパブで唯一、ミシュランの星を獲得している「ハーウッド・アームズ (Harwood Arms)」はいつも予約でいっぱいのガストロ・パブ。

英国産の食材を使用したクラシックとモダンが融合したこだわりのお料理が揃っています。ワインリストもヨーロッパからニューワールド、グルジアやレバノンまで大変充実しています。

日曜日のランチには、お店のスペシャルサンデーローストを。名物のスコッチエッグやサラダのスターターとロワールのサンセールの組み合わせはおすすめ!

そしてボリュームたっぷりのローストビーフとフルボディの赤で、心地よい至福の午後を過ごします。ワインは、ボルドーのメドックオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨン、またはスパイシーでコクのあるシラーもおすすめです。

お魚料理なら、南西のコーンウォール半島から直送の新鮮なタラのムニエルを、シャブリと組み合わせて。

最後はもちろんデザート。イギリス発祥の伝統菓子アップルクランブルやオーストリア産の甘口ワイン、ベーレンアウスレーゼなど、デザートもとっても充実しています。

カップルでデートするなら・・・

少しおめかしして、夜景の綺麗なスポットでワインデートもいいでしょう。

おすすめスポットは、ロンドン・ブリッジ駅そばの「ザ・シャード」。シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツも入っているピラミッド型の87階建ての超高層ビルです。

入場券を払えば展望台から絶景を楽しめますが、地元ロンドンっ子の中には、せっかく行くなら高層階のレストラン・バーへ、と言う方も。食事やドリンクをシェアしながら素晴らしい眺望が楽しめます。

31階には、人気の展望レストラン&バー「アクア・シャード (Aqua Shard)」があります。ロンドンブリッジやセントポールの素晴らしいパノラマを見下ろしながら飲むワインは格別。イギリスのスパークリング「ハッティングレイ・ヴァレー」もメニューにありました。

映画館や美術館の帰りには、ロンドン最古の「ゴードンズ・ワインバー (Gordon’s Wine Bar)」へ。創業1890年、昔は石炭置き場や防空壕、ワインセラーとして使われていたという洞窟のようなワインバーです。世界中のバラエティに富んだワインが置いてあり、ほとんどがグラスで注文できるのも醍醐味。

女子会は・・・淑女の嗜み、アフタヌーンティー

女友達とおしゃべりするなら何と言っても英国伝統のアフタヌーンティー。

王道「フォートナム・アンド・メイソン (Fortnum & Mason)」のシャンパン付きアフタヌーン・ティーを一度は試してみて。

スコーンやスイーツのお供に、お店のオリジナルラベル「フォートナムズ ブラン・ド・ブラン ホストム シャンパン」をはじめ、香り高い紅茶を飲みながら、久しぶりに会う友達とのおしゃべりは時間がたつのも忘れてしまいます。

ザ・ランドマーク・ロンドン (The Landmark London)でのシャンパン・ブランチは、時代を超えた贅沢体験です。

天井まで吹き抜けの壮大な中庭で豪華なブッフェとボトムレス(飲み放題)のハウスシャンパン。

ガラス張りの天井から太陽の光ががさんさんと差し込む中でのブランチは最高に優雅なひとときです。3か月先まで予約がいっぱいで超人気なのだとか。

会社の同僚とは・・・

会社帰りに同僚とロンドン中心部のスピーカーズ・コーナーや、ダイアナ妃記念噴水でも知られるハイドパークに立ち寄り、プロセッコで乾杯するのが私たちのお決まりでした。

スーパーで買ったおつまみと共に夕食の時間も忘れて日が暮れるまでストレス発散。「今日はもうお腹いっぱい~」となるまで続きます。

もちろん家でも・・・

ロンドンっ子はホームパーティーが大好き。夏には友人宅の英国風の素敵なお庭でガーデン・バーベキュー。毎年恒例の楽しみです。家主のおもてなし料理をご馳走になり、私たちはワインや好きなドリンク、スナック類などを持ち寄ります。

日本人の友人とは・・・ほっと一息できる、日本食

ロンドンには和食レストランも沢山あるんですよ。

日本人の友人達と共通の友人が経営するアットホームな和食レストランで故郷の味にほっと一息。

オーナーはワインと美食のこだわり派。御肴とドイツのリースリングのマリアージュも最高です。

ワインの街、ロンドン

一年中ワインが楽しめる街

イギリスでは3月下旬からサマータイムが始まり、日照時間が長い日が続きます。夏は夜の10時ころまで明るいので外で思い切り遅くまで遊べます。

ロンドンには開放的で緑がとても美しい8つの王立公園があります。

友達と近所のグリニッジパークで過ごすピクニックはなんとも爽快な気分。グリニッジ天文台や海事博物館があって観光スポットとしても知られており、地元っ子にも観光客にも人気の公園です。

チーズやハムやフルーツをおつまみに。メインは近くのベトナム料理屋さんで買ったバインミー(フランスパンのベトナムサンドイッチ)。ワインクーラーカバーに包んだナパ・ヴァレー産のピンクが綺麗なホワイト・ジンファンデルと共にピクニックマットいっぱいに広げます。

5月のウィンブルドンのテニス大会のシーズンが近くなると大会スポンサーであるランソンのシャンパンが並びます。テニスボール調や芝のテニスコート調のシャンパンカバーに包まれてとても色鮮やかです。

イギリスの夏には冷やしたロゼが大人気。夕日が沈み始める9時過ぎに、ようやく遊び疲れたのでそろそろ帰宅しましょうか、となります。

バーベキューが美味しい季節にはスーパーやワインのオンラインショップのバーベキューセットが大人気。シラーマルベックステレンボッシュのカベルネ・ソーヴィニヨンなどお肉系に合いそうなワインが揃っています。

イギリスでは日本にとってのお正月同様、クリスマス休暇やイースター休暇は家族や友人と過ごす大切な大イベント。

クリスマスデー(12月25日)とイースターサンデーは、お店というお店がすべて閉まるので、予め食料品やワインや飲み物を買いだめして準備万端で迎えます。クリスマスデーは交通機関まですべて止まってしまうので、家で家族と過ごすのが習慣なのです。

デパートやオンラインショップではクリスマスが近くなるとクリスマス・ハンパ―が出回ります。ハム、チーズ、チャツネにクラッカー、シャンパンやワインがオシャレなバスケットにぎっしり。クリスマスの贈り物にしても喜ばれます。

スパークリングはクリスマスに必須です。クリスマスイブに友人と乾杯、クリスマスデーには家族でローストや豪勢なご馳走とお昼から乾杯、ボクシングデーにはリラックスした気分でまた乾杯します。残ったシャンパンはお正月の楽しみに。

スーパーでも様々なスパークリングが並びます。モエ・エ・シャンドンヴーヴ・クリコローラン・ぺリエテタンジェはもちろん、カヴァプロセッコ、最近は英国のスパークリング「ナイティンバー」も人気です。

モルド・ワイン(ホットワイン)もクリスマスに欠かせません。お砂糖とスパイスを入れた温かいワインは寒い冬にほっこり温まります。

イースター・ハンパ―にはカラフルな卵型のチョコレート、イースター・エッグも加わります。春らしく、ワインはロゼのスパークリングや花の香りのゲヴェルツトラミナーなど。イースターのシンボルカラーである黄色の水仙と一緒に贈り物にするのも小粋です。

ロンドンのテイスティングイベント

ロンドンにあるたくさんのワインショップも小規模ながらワインテイスティングイベントをやっているところもあり、ワイン好きの友人と出会える集いの場です。

以前住んでいたリトルベニスと言うエリアに「ザ・ワイナリー」(The Winery)と言うワインショップがありますが、毎月無料のワインテイスティングをやっています。

17時頃からその月のオススメワインがお店のテーブルに並びます。いつの間にかお店の外にまで人が溢れかえっていて、ワインで陽気になっている様子。終了一時間前の20時頃に行くとほとんどワインは残っていないので要注意。

筆者は毎回テイスティングに出ていたワインをついつい購入してしまうのですが、ワインは買っても買わなくてもOKです。

そこで知り合ったワイン通の友人たちと「お腹すいた~!」と近所のパブ「ザ・エルギン(The Elgin)」 で二次会へ。好物のバーガーをほおばり夜な夜なワインを飲みながら語り合います。南アフリカのワインはもちろん、様々な産地のものがメニューから選べます。

ロンドンのワインイベント

他にもロンドンのあちらこちらで何かと「ワイン」にかこつけたイベントが開催されています。

スピードデート・ワインテイスティング編やテームズ河のシャンパン・ナイトクルーズなど。

本格派にはWSET主催のワインテイスティングがとても魅力的。

WSETは、ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関です。資格取得をめざすなら評価の高い、充実したコースで知識を身につけられますが、まずは単発でテイスティングコースに参加してみるのも良いかもしれません。

また、イギリス王室御用達のスーパー「ウェイトローズ (Waitrose)」 は、クッキングスクールも経営していてお店で手に入る食材を使った料理教室を行っています。ウェイトローズ推奨のペアリングワインを飲みながら、創った料理をいただきます。

ロンドンのワインショップ

ウェイトローズでは、エリザベス女王とチャールズ皇太子のお印であるロイヤルワラント(王室御用達)のついた食料品とワインやスピリッツも幅広く扱っており、ショッピングを存分に楽しめます。

大きな店舗内には世界中のワインが並んでいて、スーパーとは思えないほど豊富な品揃えとそのクオリティにも定評があります。ワインバーを併設している所もあり、ワインテイスティングを行っているところもあります。

エリザベス女王も愛するボランジェはもちろん、名の知れたワインはたくさん見つかります。ウェイトローズブランドのシャンパンやワインは価格はお手頃ですが美味しいです。

ウェストエンドのショッピング街オックスフォード・サーカスにあるデパート ジョン・ルイス(John Lewis) 。ここに入っているウェイトローズで何気なくワインが置いてあるガラスキャビネットを見ると、そこには高級ワインが…。

シャトー・マルゴーシャトー・シュヴァル・ブランシャトー・ムートン・ロートシルトなど、7万円~15万円相当のワインも購入できます。 

イギリスを誇る有名ワイン雑誌「デキャンター」

ワイン愛好家が愛読しているイギリスのワイン雑誌、デキャンター (Decanter)。

毎月発行の雑誌の定期購読を申し込むとデキャンタ―主催の人気イベントやマスタークラスにも優先的に参加できます。また、ウェブサイトやSNSでも興味深い情報を発信しています。

「ワインラヴァ―におすすめのロンドンのレストラン10選」、「ワインラヴァ―のためのロンドンホテルバー」、「エキスパートが選ぶロンドンのワインバー トップ10」、最新のものでは「ロンドンのベスト屋外バーとレストラン」などなど。

ウェブサイトで紹介しているレストランやバーはどこも行ってみたくなるところばかりです。

美味しいワインが楽しめる、ロンドンのおすすめレストラン

1.ワインビストロ「テロワール(Terroirs)」

お気に入りは、トラファルガー広場近くのワインビストロ「テロワール(Terroirs)」。40ページにもわたるワインリストはどれも珍しいワインばかり。オーガニックなものをメインに選りすぐっていて、土地ごとの風味を味わってもらうことがモットーなのだとか。

フレンチ・タパス風のシンプルな小皿料理はどれもこれもとても美味しいです。ワイン通と言えども、リストにワインがありすぎて選びきれないという方も心配ご無用。店員さんがお食事にあった、お好みのオススメワインを一緒に選んでくれます。

2.「ドノスティア(Donostia) 」

スペイン・バスク地方の「ドノスティア(Donostia)」 は、ロンドン在住の日本人ならほとんど知っていると言われる有名店。

世界のグルメ都市と云われるサン・セバスチャンのバスク料理、タパスやピンチョスを堪能できます。バスク地方のワイン「チャコリ」をはじめ、リアス・バイシャスのアルバリーニョ、リオハリベラ・デル・デュエロなど、スペイン産のワインがたくさん揃っています。

3.「バー ドウロ(Bar Douro)」

美味しいポルトガル料理の「バー ドウロ(Bar Douro)」。ポルトガル全域のワインやポルト、マデイラの嬉しいラインナップ。ポルトガルワインのオンライン販売も行っています。

スターターのお供はヴィーニョ・ヴェルデ、しめくくりはデザートのパステル・デ・ナタ(カスタード・タルト)または甘いポルトでまさしくポルトガル気分です。

デキャンタ―社はワインテイスティングなどのイベントも定期的にロンドンで開催しています。月一回のペースで高級ホテルや大きなホールで、様々な知名度の高い生産者のワインがロンドンにいながら楽しめます。

~デキャンタ―主催イベント イタリアワインとの出会い~

ロンドンの高級ホテルで、デキャンタ―主催のイタリアワインテイスティングイベントが開催されました。

すぐ売り切れになってしまうチケットを友人となんとか購入し、仕事帰りにいざ出陣!

バローロクラスのワインもずらりと並び58のワイナリーが出展していました。

気になるワインのブースに行って色々なぶどう品種やヴィンテージのワインテイスティングをしながら、造り手の話を聞き、テイスティングノートを仕上げます。

ワイナリーの写真やビデオも見せてもらって「いつか行きます~!」と夢は広がるばかりでした。

ロンドンのワイン保管事情

ロンドンの熱烈なワインコレクターや専門家はワインの保管にもこだわります。

そんな人々のためにプロの業者がワイン保管に完璧な環境の貯蔵庫で上質なワイン(fine wine)を保管してくれるサービスがあります。

倉庫の温度と湿度は30分おきにモニターでチェックされて、厳重な警備体制が敷かれているそうです。預けるワインにはすべて保険をかけられ、倉庫保管の料金には倉庫のマネジメント費用も含まれているのだとか。

その昔、16世紀前半に絶対王政を確立してイギリスの宗教革命を行った、歴史上有名なイギリス・テューダー朝の王、ヘンリー8世。彼は生涯6度の結婚をした事や大変な美食家だった事でも知られております。

ホワイトホール宮殿内に1514年から1516年にかけて建設された、ヘンリー8世のワインセラー。1698年の大火事もくぐり抜けて、現在はロンドンの国防省建物内の地下の一部として残されているのです。

最後に・・・

ロンドン生活13年のワイン体験をぎゅぎゅっと詰め込んだ今回の記事でしたが、伝えきれなかったロンドンのワイン情報はまだまだ沢山あります!

またいつの日かお伝えできますように。是非お楽しみに♪

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