ワイン用語集~略語辞典~

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ワインを飲み始めた初心者の方、こんなこと思ったことありませんか?

「ワインの用語って外国語だし、ちゃんと正式名で書かれてないことが多い・・・」
「略語が急に登場してきて意味が分からない・・・」


実際、今やソムリエの資格を持っている筆者も、かつてはそう思っていました。憤りさえしていました。「ちゃんと説明しろー!!」と。
ラベルや説明文にしれっと登場するくせに、調べるときにどうやって調べたらいいかわからない略語が、世の中には多すぎる!


と思って、出来るだけわかりやすく、堅苦しくなりすぎず、資料というより気軽な読み物として読んで頂けるものを作ってみました。
これからワインを勉強していきたい初心者も、いまさら聞けないという中級者も、雑学を増やしたい上級者の方も是非、見てみて下さい!

 

類語:主にこの用語集内の他の場所で、解説している略語
関連用語:これを検索すると、より理解が深まる用語
例:使用例

葡萄品種編

まずは正式名前で言われるとピンとくるのに、略語で言われると途端に分かりづらくなる筆頭、葡萄品種編です。すべてを解説し、掲載するには時間も体力も全く足りないので、主要な品種だけ解説します。

CS:カベルネ・ソーヴィニヨン
ボルドーの主要品種にして、世界で一番有名と言っても、過言ではない葡萄品種。偉大なワインを多く生み出すため、赤ワイン用品種の王様的存在、という表現も見られる。しっかりとしたタンニンや、酸味のバランスが良く、造り手によっても表現される味わいが違う。ボルドーのほか、イタリアやアメリカ、チリでも大成功を収めている。
類語:カベソー
関連用語:ボルドーブレンド

カベルネ・ソーヴィニヨンの品種解説はこちら

CF:カベルネ・フラン
ボルドーの補助品種としてよく知られているほか、北方のロワールでは、単一品種で仕立てられる場合もある。カベルネ・ソーヴィニヨンよりは軽やかな味わいを持ち、ロワールでは独特のピーマン香を放つワインとなる。このピーマン香が癖になるらしい。元を辿れば、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのボルドーでよく使われる品種の祖先にあたる。
関連用語:シノン

カベルネ・フランの品種解説はこちら

Me:メルロー
ボルドー、もう一つの主要品種。サンテミリオンやポムロルなど、ボルドー右岸地域でよく使用され、産地によって味わいが異なるが、基本的にはまろやかで口当たりがよくソフトなワインとなる。環境適応力が高く、産地を選ばないため、広い地域で栽培されている。日本でも栽培され長野や山梨が有名

メルローの品種解説はこちら

PN:ピノ・ノワール
ブルゴーニュ原産で、世界で一番高いワインを生み出す品種。他にもシャンパーニュの主要品種となっている。栽培が非常に難しく、かつてはブルゴーニュ以外での栽培は出来ない、とされていたが、現在ではニュージーランドやアメリカを筆頭に、ニューワールドでも栽培され、日本でもわずかながら栽培されている。繊細な口当たりと華やかな香りで赤ワイン用品種の女王と呼ばれる。現在の国際品種の大半が、この葡萄にルーツを持っており、まさに女王。ちなみにこの品種にはまると、飛ぶようにお金が無くなる要注意葡萄品種
類語:カリピノ、ブルピノ
関連用語:ロマネ・コンティ

ピノ・ノワールの品種解説はこちら

Sy:シラー(シラーズ)
フランス、コート・デュ・ローヌ地方原産で、単一でもブレンドでも使用される、個性派品種。フランス、特にローヌでは色が濃く、黒コショウのようなスパイシーな香り、酸味が強く、タンニンが中庸というエレガントな特徴を持つ。しかしオーストラリアで派生したともいえるシラーズ(表記が変わりShirazになる)は甘やかな香りでフルーティ、ボリューム感が特徴でワインのスタイルは異なる。近年の研究でピノ・ノワールの遠い親戚らしい、とされている。ちなみに筆者は濃厚なシラーズの方が好み。
関連用語:GSMブレンド

シラーの品種解説はこちら

Ch:シャルドネ
白ワイン品種の女王、と称される世界で一番有名な白ワイン用品種。ワインを造る産地では必ず、と言っていいほど栽培され、その地の個性をよく反映することから、テロワールの鏡とも言われる。発祥はブルゴーニュのマコネ地区で、デイリーワインから世界でもトップクラスのワインまで、味わいもスタイルも様々なワインを生み出す。ソムリエ資格のテイスティング試験で、筆者は「特徴がないのが特徴」と覚えた。(結局出題されず)
関連用語:シャブリ、ブルゴーニュ

シャルドネの品種解説はこちら

SB:ソーヴィニヨン・ブラン
ロワールやボルドーが起源とされているが、定かではなく、カベルネ・ソーヴィニヨンの親にあたる品種。フュメ・ブラン、ブラン・フュメなどとも呼ばれ、世界各地に植えられている。ハーブやグレープフルーツのような鮮烈な香りを持ち、時には猫のおしっことも表現されるほど、香りに特徴がある。フランスではサンセールやプイィ・フュメ、ニューワールドでは、ニュージーランドがとくに有名。筆者をワインの道に引きずり込んだのは、この品種。

ソーヴィニヨン・ブランの品種解説はこちら

Ri:リースリング
ドイツのラインガウ地方が原産で、ドイツにおいて最も重要な品種。石油製品のような独特のペトロール香を持ち、鋭い酸や繊細な果実味が特徴。糖度によってランクが決められるドイツでは、甘口に仕立てられることが多く、その残糖分に鋭い酸もあいまって唯一無二の存在感を醸し出し、また長命なワインとしても有名。フランスではドイツとの国境産地アルザスが有名でこちらは辛口が主流、最近ではオーストラリアやアメリカのリースリングをたまに見かける。

リースリングの品種解説はこちら

SM:セミヨン
世界最高峰の極甘口ワイン、ソーテルヌの貴腐ワインに使用される品種。そのソーテルヌ地区を原産地とし、ボルドーのグラーヴ地区などでは、ソーヴィニヨン・ブランと香りや味わいにおいて補完的な関係にある。コクや厚みと言った部分に特徴があるため、真逆の性質を持つソーヴィニヨン・ブランとの相性がいい。あまり単品で仕立てられているのを見かけない。
関連用語:シャトー・ディケム

セミヨンの品種解説はこちら

CB:シュナン・ブラン
フランス、ロワール地方原産のスパークリングワインから、長命な甘口ワインまで多種多様なワインに使用される品種。テロワールや生産者の技術を反映しやすいとされ、ニュートラルな性質を持つ。近年、南アフリカのワインが特に高評価で、パイナップルなどのトロピカルフルーツの果実香や味わいを持つ。

シュナン・ブランの品種解説はこちら

※葡萄品種の略語に関しては、諸説ありますのでご了承ください。

初心者編

次によく見かける、かつ日常的に使うことの多い略語を、こちらにまとめます。一部、俗語的な部分もありますので、使う時にはご注意ください。

VT:ヴィンテージ Vintage
ファッション業界や家具の業界では、年代物や価値のある古いもの、といった意味があるが、元々の意味は収穫年という意味。その年に取られた葡萄だけを使ってワインを造ると、収穫年を表記することができる(国ごとに規定アリ)葡萄は自然環境に左右される農産物のため、年によって出来にばらつきがあることを理解する事が、ワインを理解する事において前提となり、とても重要。古いだけのワインの事をヴィンテージワインと言われると我々はなんかもやもやする。
例:「2000年は歴史的なヴィンテージだね!」

NV:ノン・ヴィンテージ Non Vintage
ヴィンテージ表記がされていない、ということ。主に低価格帯のデイリーワインや、シャンパーニュによく見られる。理由は様々だが、シャンパーニュの場合、フランスでも北部にあり、年によっては葡萄がうまく熟さずに質が安定しないため、ワインの質を安定させる目的で、複数の収穫年のワイン(リザーブワイン)を使用することが多く、ヴィンテージを表記できない。ノンヴィン、とも言う。
関連用語:シャンパーニュ

CH:シャトー Chateau
元々はフランス語で「城」という意味だが、昔はお城のような大きい建物で、ワイン醸造を行っていたことから、現在では主にボルドーでワイン畑を持つ生産者名として使われる。ただ、ブランド名にも使われることがあるため、実際に建物があって葡萄畑を所有しているかどうかは現在、あまり関係ない。
関連用語:五大シャトー
例 Ch. Margaux(シャトー・マルゴー)

ボルドーの解説はこちら

安旨:安くて旨い
文字通りそのまま。安くて旨い。しかしそんなにうまい話は、その辺には転がっていないのが世の常。何度も失敗して、転がされて信頼できるワインショップを探すが吉。
類語:薄旨
例:「安旨ボルドー、どっかに転がってないかなー」

ロゼスパ:ロゼのスパークリング
そのままロゼのスパークリング。偏見かもしれないが、女性がロゼのスパークリングが好きなのは、なにか心理的なものがあるのか、とても気になる。

シャンパン:シャンパーニュ
これはありがちな用語。ざっくりとシャンパーニュを定義するなら、シャンパーニュ地方で採れた、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエなどの規定葡萄品種を使用し、瓶内二次発酵を施し、最低15カ月瓶内で熟成させるスパークリングワイン。他にも細かい規定があるが、概ねこの通り。つまりスパークリングワインの中の、カテゴリとしてシャンパンが存在している、という認識。ちなみにシャンペンという略語もあり、古い言い方と笑う方もいるが、実は英語読みの略語としては正しい。
関連用語:AOC

シャンパーニュの解説はこちら

ボジョレー:ボジョレー・ヌーヴォー
厳密にいうと略語ではないのだが、ボジョレーというとヌーヴォー、というイメージが日本では強すぎて、略語のように使われている。逆に単にヌーヴォーと言ってもボジョレー・ヌーヴォーの意味になることが多い。業界の人間は、あまりこのことを快く思っていないことが多いので、要注意。ちなみにボジョレーなのか、ボージョレなのか論争に対する答えとしては「ただの表記の揺れ」
例:「今年のボジョレーは今世紀最高の出来だった昨年を上回る出来」

ボジョレーの解説はこちら

ボジョパ:ボジョレー・パーティ
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁を前に、数年前、大手メーカーが始めた販促の一種。ボジョレーを飲んでパーティしよう!という、とても素直な飲み方提案。その後、見かけなかったところからも、結果は言うまでもないと思われる。
関連用語:ボジョレー

ロマコン:ロマネ・コンティ
少しだけ、バブル臭のする略語。世界で一番高価なワインとしてあまりにも有名で、好景気に沸いていた当時の日本では、とてつもない量のロマネ・コンティが飲まれたらしい。伝説的な飲み物「ロマコンのピンドン割」が、現実に存在したとかしないとか。現在では販売価格が、100万円を下回ることはなく偽物も多いため、目にしただけでも、ちょっとした自慢になる。
関連用語:DRC

ドンペリ:ドン・ペリニヨン
シャンパーニュを発明した、と言われる修道士の名前を冠した、日本で最も有名なシャンパンのひとつ。葡萄の出来が良い年にしか作らないシャンパーニュで、通常の白のシャンパーニュのほかに後述するロゼ、より熟成をしたブラックラベルのエノテーク、それよりもっと熟成させたゴールドラベルのレゼルヴ・ドゥ・ラベイ、飲み頃を表す「プレ二チュード」を冠したPシリーズなど、期間限定品を含めても、多くのラインナップがあり、そのすべてが庶民に手の届かない価格設定。夜の世界のイメージがある略語で、ナンセンスとする方もいるが、呼びやすさもあって筆者自身はそれなりに使用する。
関連用語:モエ・エ・シャンドン

ピンドン:ドン・ペリニヨンのロゼ
前述のドン・ぺリニヨンのロゼ。こちらの方がより夜の世界のイメージが強く、この略語を毛嫌いする方も多い。基本的にロゼの方が価格が高い。ちなみに筆者は飲んだことがなく、特徴を聞かれてもよくわからない。
関連用語:ロマコンのピンドン割り

モエシャン:モエ・エ・シャンドン
同名の会社が造る、日本でとても普及しているシャンパーニュ。モエ、という略語もあるが、どちらも会社名にはあまり使わず、ワインの名前にだけ略語を使う。シャンパーニュの代名詞、と言ってしまうと過言ではあるが、それくらいに安定した人気を誇る銘柄で、贈り物や祝い事によく使われる。最近ではスーパーなどに置かれることも多く、身近な存在とはなったが、それでもやはり庶民には高根の花。ちなみにドンペリも同じ会社で造っている。少し夜の世界の匂いのする略語。

ジャケ買い:ジャケットで買うこと
元々はCDやDVD、本などの外装、つまりジャケットで商品を買う事。転じて今では、様々な商品の内容を知らずに、見た目だけで買うこと、という意味になった。最近では、古典文学や近世文学にイラストやアイドルの写真など現代的な表紙を付ける事で一定の成果を挙げている事例もある。ワインに関して言えば、ジャケット=ワインラベル、エチケットとなり、生産者の意向を反映したキャッチーなラベルも見られる。ちなみにこの方法で買うと中身が少し外れても満足感がある気がする(筆者体感)
例:「この前ジャケ買いでワイン買ったら大当たり!」

コスパ:コストパフォーマンス
言わずと知れた略語。ワイン業界だけでなく様々な業界、世界で使われ、改めて説明するのもおこがましいほど。元々の「費用対効果」という意味と、嗜好品というワインの性質を考えれば、かかったお金に対しての満足感、というふうにとらえる事が出来る。ただ、かかった費用は明確なのに対し、満足感というのはとてもふわっとした指標で、数値化しづらい。ある人は珍しいワインから満足感を得られたり、またある人にとっては安くても生まれ年のワインを飲むことに満足感を得たり。ただ安くておいしいワイン、というだけではコスパがいい、と言い切れないところが、ワインの難しいところで、面白いところ
関連用語:安旨

中級者編

この辺りから細かい生産地の話や、テクニカルな部分が徐々に入ってきます。中にはソムリエが普通に使っている用語もあるので、話す機会があれば、直接聞くこともあるかもしれません。

RM:レコルタン・マニピュラン Recoltant Manipulant
シャンパーニュ生産者の形態を表す略語。ざっくりと説明してしまえば、小規模生産者。主に自分で畑を持って醸造し販売している、ブルゴーニュではドメーヌ、ボルドーではシャトーに近い存在に使われる用語。後述のNMに比べて生産量が極端に少なく、日本に輸入されていない銘柄も数多くある。それにともない、個性的な味わいを持つものが多く、その希少価値も相まって愛好家が殺到するため、基本的に高価。この沼にはまると、豪快にお金が吹き飛ぶ
類語:NM

NM:ネゴシアン・マニピュラン Negociant Manipulant
同じくシャンパーニュ生産者に形態を表す略語。主に葡萄を買い付け、醸造、熟成、瓶詰して出荷する生産者。ほぼ同義語で大手メゾンともいわれ、巷でよく目にするシャンパーニュはほぼNM。ラベルのどこかに、RMやNMなどのアルファベット2文字が必ず入っているので、今度シャンパーニュを飲む機会があったら是非探してみてほしい。ちなみに他にも3つほど形態があり、ソムリエ試験を受ける人は必須暗記項目。
類語:RM

VV:ヴィエイユ・ヴィーニュ Vieille Vigne
簡単に説明すると、フランス語で「樹齢の高い葡萄樹」生産者によって異なるが、30~40年でラベルに表記することが多い。ただ表記しない生産者も数多くいるので、実は古樹だった、なんてパターンもよくある。そのくらいの樹齢になってくると、樹になる果実の量が低下し、そのぶん一つの葡萄に栄養が行き渡ることとなり、凝縮した葡萄が生まれる。それをワインに仕立てると、旨味あふれる滋味深い味わいになるとされる。ただ飲んで、これは古樹だと明確に分かるほどのものは少ない。

GC:グラン・クリュ Grand Cru
直訳すると「偉大な畑」ワイン生産地の中でも、フランスで多く使われており、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、アルザス、そしてボルドーでよく見られる。基本的には村や区画、畑に対して使われることが多いが、ボルドーだけが格付けシャトーに対して使われ、少しだけニュアンスが異なる。ちなみにこの略語を使った文章を見ると、何となく不親切だなあ、と筆者は感じる。
類語:1er cru

1er:プルミエ Premier
1級の意味、英語的に言うならばプレミア。主にブルゴーニュや、シャンパーニュにおいて畑の格付けに使用される。
類語:グラン・クリュ

DRC:ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ Domaine de la Romanee Conti
世界で一番高価になるワイン、ロマネ・コンティの畑を単独所有(モノポール)している、世界で最高、と言われるワイン生産者。他にも、同じヴォーヌ・ロマネ内のラ・ターシュを単独所有しているほか、グラン・クリュを多数所有している。
関連用語:ロマネ・コンティ

GSMブレンド:グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルのブレンド
それぞれの葡萄品種の頭文字を取ったフランス、ローヌ地方の伝統的なブレンド。現在では様々な地域で造られており、フランス国内ではラングドッグ地方、海を越えてオーストラリアやカリフォルニアで秀逸なワインが造られる。ブレンド自体はローヌ起源だが、語源として辿るなら、どうやらオーストラリアが発祥、という珍しい用語。ちなみに筆者はつい最近知った。

ローヌの解説はこちら

オーストラリアの解説はこちら

ジュヴシャン:ジュヴレ・シャンベルタン
「ブルゴーニュの王」「王のワイン」と呼ばれる、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ最大産地。最も多くのグラン・クリュを持ち、その中には、かのナポレオンが愛飲したワインの畑も含まれる。この産地の分かりづらいところは、それぞれの畑にシャンベルタンの名前が入ってしまっているところで、例えば、「ジュヴレ・シャンベルタン」のグラン・クリュの「シャンベルタン」のラベルは「シャンベルタン」としか書かれない、といったことが起きうる。他のコート・ド・ニュイの産地はあまり略語はないが、ジュヴシャンだけあるのは謎。朝シャンに似ているから言いやすいのか。
関連用語:コート・ド・ニュイ、コート・ドール

ジュヴレ・シャンベルタンの解説はこちら

カリピノ:カリフォルニアのピノ・ノワール
文字通り、アメリカのカリフォルニア州で造られるピノ・ノワールのワイン。ほとんどの略語に言える事だが、日本でしか通じない。そもそもブルゴーニュ以外では栽培できない、とされていたピノ・ノワールはカリフォルニア州の中でも、西海岸の沿岸部、特に冷涼な地域に植えられている。総じて品質は高いが、それに応じて、価格も高い。
類語:ブルピノ、ウルタナ、チリカベ

カリフォルニアの解説はこちら

ブルピノ:ブルゴーニュのピノ・ノワール
前述のカリピノと同じように、ブルゴーニュで造られるピノ・ノワール。カリピノに比べれば、使われる機会が少ないように思われる。筆者自身、なんとなくこの言葉を使うのは抵抗がある。ちなみに同じフランスでも、アルザスのピノ・ノワールは、アルピノという略語にはしない。
類語:カリピノ、ウルタナ、チリカベ
例:「この生産者のブルピノはどのVTでも安定感があり、安旨コスパ◎」

ブルゴーニュの解説はこちら

チリカベ:チリのカベルネ・ソーヴィニヨン
一時期一大ブームを築いた、安くて旨い赤ワインの代表格、チリのカベルネ・ソーヴィニヨン。今でもデイリーワインの筆頭、として考えている方も多いだろうが、輸入量が増えたことによって市場が飽和、それに伴い、様々なワインが入った結果、玉石混交の状態に陥り、一時期の勢いは失ったように思われる。ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンに比べ果実味は強く、人によっては甘みを感じることもあり、これを甘口と表現する方もいるが、基本的に辛口である。またこの略語はそれほど世間に浸透していないため、ご利用は計画的に。
類語:カリピノ、ブルピノ、ウルタナ

ウルタナ:ウルグアイのタナ
南米ウルグアイで育てられるタナ。元々はフランス南西地方のマディランで、主に使われていた品種だが、ウルグアイの気候に適応し、今ではウルグアイを象徴する葡萄品種になった。ウルグアイは、世界トップクラスの牛肉消費国で、日本の十倍ほども消費する。最近では、牛肉の輸入が約20年ぶりに解禁され、赤身肉人気が続く中、その価格と品質で外食業界が注目している。地酒と地の食材が合うセオリーに従えば、今後ウルグアイのワインも輸入が増えるかもしれない。
類語:カリピノ、ブルピノ、チリカベ
例:「ウルグアイビーフとウルタナの相性はご飯と納豆のようなものだ」

カベソー:カベルネ・ソーヴィニヨン
品種編で触れた通り、世界で一番有名と言っても過言ではない品種。当店でワインスクールに通っていた人曰く「スクールの先生が良く使っていた略語」とのこと。真相は定かではない。筆者はこの用語に耳慣れをしていないので、言われると頭の中で変換が行われる。
関連用語:カベルネ・ソーヴィニヨン

テンプラ:テンプラニーリョ
天ぷらではない。スペインを代表する赤ワイン用品種で、世界の生産量のほとんどをスペインで栽培している。様々な地域で造られているため、味わいの特徴をつかむのは難しく、ブレンドに使われたり、単一品種で仕立てたり、アメリカンオークを使って香りを際立たせたり、ロゼも造られるし、果ては単一品種でブラン・ド・ノワールのスティルワインに仕立てられる、など多種多様なワインが造られ、スペインの人の愛を感じる。別名(シノニム)が多いことでも知られ、覚えきれないほど。(wikipediaで調べてもらえれば分かる)ちなみに筆者はたまに使うが、使用頻度は低い。

テンプラニーリョの品種解説はこちら

五大シャトー:マルゴー、ラトゥール、ラフィット・ロートシルト、ムートン・ロートシルト、オーブリオン
厳密にいうならば、略語の範囲に入らない用語ではあるが、五大シャトーは知ってて当たり前、みたいな態度で、話を続ける人も居るので、要注意。ちなみにこれを覚える事からソムリエ試験の勉強が始まる
例:「五大シャトー全部飲んだけど、ちょっと口に合わなかったわ」

メドック格付けシャトーの解説はこちら

薄旨:薄くて旨い
主に、ブルゴーニュのピノ・ノワールに対して使われる褒め略語。出汁のような旨味が、ずーっと続くような、繊細で奥深い味わいのワイン。日本人の味覚や食文化に合うとされ、良質な広域ブルゴーニュに、キャッチコピーとして使われているのをよく見る。この種のワインは、肉じゃがや煮物、煮つけ、赤身の刺身などによく合い、日本の食卓によく馴染む。
類語:安旨

長熟:長期熟成
言葉通りの略語。これもVVと同じで生産地や生産者によっても異なるうえ、販売者によっても基準がかなり異なる、非常にデリケートな用語。長く熟成すればするほどいいかというと必ずしもそうではなく、どこかにピークはあり、それ以降は枯れていく。某有名食パンと発音は一緒。

上級者編

ここまでくると、かなりテクニカルな内容になり、マニアックです。筆者も、文中で気軽な読み物感を出すのに、とても苦労しています。このあたりの内容は、この用語集だけでなく、他の資料集も読みながら理解する類のものです。あくまで読みやすく解説しているので、詳しく知りたい方は自分でも調べてみましょう!

AOC:Apellation d’Origine Controlee
アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ。アペラシオンという略語も見られる。日本語に訳すと「原産地統制呼称」で、条件を満たした製品に対する品質保証で、ワインだけでなく、チーズや農業製品にも用いられる。AOC認証がされているワインには、ラベルに必ず表記があるが、その場合「d’Origine」の部分が後ろに回り、認証されている生産地に変わることがある。ボルドーの場合、ACボルドーと呼ばれる。生産地域だけではなく、使用できる葡萄品種、最大収穫量、最低アルコール量など規定は細かく、多岐にわたる。膨大な知識量になるうえ、昇格や新しく認定されるものもあるため、勉強には多大な時間と強靭な精神力が必要となる。
類語:IGP、DOCG、DO、GI

IGP:Indication Geographique Protege
日本語に訳すと「地理的表示保護ワイン」AOCの下のランクに位置し、AOCよりも規定が緩やか。下のランクと思って侮っていると、思わぬ高品質のものを発掘出来て、ホクホクすることがある。

DOCG:Denominazione di Origine Controllata e Garantita
イタリアの原産地呼称制度で、最も等級の高い品質呼称。基本的な構造は、フランスのAOCに近いため省略するが、特徴的なのはその下のランクに、DOCという産地も品種も表記できる呼称があること。これが厄介で、ある生産地域ではクラシコはDOCGだけど、付かないものはDOC、などという勉強する人にとって、迷惑極まりない状況が生まれている。もちろんそれが、イタリアワインの面白いところでもあるのだが、覚えきれないというのが実情である。しかも今なおDOCGは増え続けているというのが悩ましいところ。

イタリアのワインの解説はこちら

DO:Denominacion de Origen
スペインの原産地呼称制度。スペインは独自色が強いのと、原産地呼称制度に関しては、散々前述したので、詳しくは割愛する。とても気になる方は自分で調べて下さい。主に生産地ありきで統制している制度だが、例外的にDOカヴァは逆で、生産者ありきで原産地呼称を認定している珍しい例で、実は認定外の畑で採れた葡萄も使用できる。元々いた生産者の住所をもとにDOを定義しているため、生産地域がスペイン全土に点在している。そのほか、瓶内二次発酵を用いる事や熟成期間の規定も存在する。

スペインのワインの解説はこちら

AVA:American Viticultural Areas
1978年に制定されたアメリカにおける、原産地呼称制度に近い制度。大きく変わるのが、葡萄品種の栽培制限はあるが、栽培方法や醸造方法、ワインのタイプなどの規定はヨーロッパに比べて自由。つまりヨーロッパでは生まれえないワインを造ることも可能、という事で挑戦的な生産者が多い。また州ごとに違う規定を設けることも可能なので個別で覚える事は多い。

アメリカのワインの解説はこちら

GI:Geograpical Indication
日本における地理的表示。原産地呼称に近い制度だとはいえるが、なにせ日の浅い制度ではあるので、知名度はまだ高くない。2013年、国税庁から地理的表示「山梨」が指定され、2018年に日本ワインの定義が、明確に示されたことで、日本初の地理的表示「GI Yamanashi」がついに注目され始める。この制度をきっかけに日本ワインの隆盛を願うばかりである。

日本のワインの解説はこちら

ヌフパプ:シャトー・ヌフ・デュ・パプ Chateauneuf du Pape
「法王の新城」という意味の、南ローヌ最高級赤ワイン。日本人には発音しづらいうえに名前が長いので、この略語がかなり重用されている。最大の特徴として、13種類もの葡萄品種を使う事が出来るが、すべてを使う生産者はほとんどいない。ちなみにソムリエ試験ではおぼろげに名前を覚えるだけで平気だが、上位資格のシニアソムリエ試験ではそれぞれの特徴を頭に入れておかなければならないらしい。
例:「このヌフパプやたら高いけど、なんで?」

シャトー・ヌフ・デュ・パプの解説はこちら

サンテミリオン衛星:リュサック、ピュイスガン、モンターニュ、サンジョルジュ
ボルドー右岸銘醸地、サンテミリオンの衛星地区にある4つの地域にある生産地。略語ではないが、急に言われるとわからなくなる用語。日本ではあまり知名度が高くなく、見かける機会もそれほど多くはないが、コスパの高いものもある掘り出しモノ地域。

サン・テミリオン衛星地区の解説はこちら

MLF:マロラクティック発酵 Malo-Lactic Fermentation
リンゴ酸と乳酸による発酵。鋭い酸味を感じるリンゴ酸が、穏やかな酸味を持つ乳酸と炭酸ガスに分解されるため、ワインの酸味が和らぐ。酸味を抑えたい白ワインやほとんどの赤ワインで施される。その他微生物的な安定や、味に複雑味を持たせたい場合に使用される。アメリカのプロスポーツリーグにありそうな名前。

瓶熟:瓶熟成
文字通り、瓶内で熟成させること。ワインの目指す方向性によって、樽か瓶かを選ぶのだが、樽熟成のあとに瓶熟成を行う生産者もいる。醸造酒であるワインは、瓶詰をした後でも瓶やコルクを通して入ってくる、わずかな空気にも影響を受けやすい。そのためセラーやカーヴでの熟成や何年寝かしているか、などヴィンテージの概念に繋がる。
類語:樽熟

樽熟:樽熟成
上述の瓶熟成とともに、メジャーな熟成方法の樽内での熟成。瓶に比べて空気の出入りがダイナミックに起こり、酸素との反応が起こりやすくなる。また樽材からの成分も溶け出すため、香味や口当たりに変化があり、樽に使う樹の種類によって特徴が異なる。木香などのニュアンスを出したくないため、使用しない生産者もいる。最近流行りのオレンジワインは、ざっくりと言えば、アンフォラという素焼きの甕で、果皮などとともに熟成させたワイン。
類語:瓶熟

ブレット:ブレタノミセス酵母
馬小屋や納屋などの、オフフレーバーを生み出す微生物。芳香成分のエステルを破壊し、香りをぶち壊し、ペントースという糖の一種を減少させ、ボディを奪い取り、自らの香りを発生させる某ガキ大将みたいなやつ。おまえのものはオレのもの、オレのものもオレのもの。

PP:パーカーポイント
誰もが一度は聞いたことのある、ロバート・パーカーがワイン一つ一つにつけたポイント。100点満点で評価され、世界で最も影響のある指標として有名だが、評価するワインが偏っている、個人的な見解だ、など批判も多い。最近ではパーカー・ポイントの魔力は薄れつつあるが、それでも根強い影響力を発揮している。一時、彼の好むマッチョなワインが市場を席巻する、など一時代を築いた。
関連用語:WA

WA:ワイン・アドヴォケイト
前述するロバート・パーカーが、創刊したワイン専門誌。広告を一切掲載せず、読者からの購読料だけが、収入源の公平なスタイルもあり、パーカー・ポイントの名のもとに、ワイン界の一時代を造り上げた。2012年にロバート・パーカー氏は引退しているが、今なおワイン・アドヴォケイトは健在。

WS:ワイン・スペクテーター
ワイン・アドヴォケイトや、パーカー・ポイントと並び称されるほど、世界的に影響力のあるワイン専門誌。その年を代表する、100本のワインを決める企画がとくに有名で、選ばれれば入手困難になる傾向があり、日本でもそのキャッチコピーを持ったワインを多く見る事が出来る。

BIB:バッグインボックス
ワインの容器のひとつ。主にデイリーワインに使われ、2リッターや3リッターなど、大容量のものに用いられる。段ボールや厚紙の箱の中に、頑丈なビニールに入ったワイン、という構造で、中の液体が減るにつれ袋がしぼみ、空気に触れず劣化しにくい特徴を持つ。最近では高級レンジのワインも増えており、より一層の活躍をお祈りしたいところ。

BYO:Bring Your Own
意訳気味に日本語に訳せば「持ち込み可」飲食店にワインを持ち込み、料理と一緒に楽しむこと。もともとは、酒類販売の免許を持たないレストランから始まったドリンクスタイルで、オーストラリアでは特に文化として根付いている。日本では、歓迎するところもあれば、断られるところもある、など対応はまちまち。それでも受け入れてくれる店はあるので、感謝の気持ちや、珍しいワインならばソムリエに味見などを勧めて、お互いに気持ちよくその場を楽しもう

EPA:経済連携協定
なぜ経済的な略語が、ワインに関係があるかといえば、関税に大いに関係があるから。細かい数字は省きますが、2019年中にチリ、EUのワインにおける関税は撤廃され、話題に。逆に輸出の際にも関税がかからない為、日本ワインにも海外での活躍の場がより一層見えるかもしれない。関税が撤廃されたとはいえ、実感はしづらい

おわりに

品種編、初心者編、中級者編、上級者編と分けて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?


実用的かどうかは一旦、脇に置いといて、びっくりするほどいっぱい略語がありましたね。筆者自身が一番驚いているかもしれません。
このほかにもまだまだ、知らない略語がいっぱいあるかもしれません

最初は初心者編しかわからなかった人も、勉強することで中級者編、果ては上級者編まで理解することもできますよ!
この用語集を使って略語を知ることで、皆さんのワインの理解や関心が高まることを祈っています。

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