ゆるりと楽しむ ソムリエおすすめ甘口ワイン10選!

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甘口ワイン

陽ざしが春めいてきましたね。
寒さで縮こまっていたカラダも少しのびのびとしてくる今日この頃、ココロもゆるっとしてみませんか?
そんなゆるりとした時間におすすめなのが、少し甘めのワイン達。

食後にデザートワインとしていただく印象が強い甘口ワインですが、実は酸味もしっかりあるので、意外にもみりんやお砂糖を使う和食をはじめ、食事と合わせて楽しめるワインもたくさんあります。優しい甘みと口当たりで、ワイン初心者や女性にも好まれる味わいです。

今回は、もっと気軽に手に取ってほしい少し甘口のワインについて、いろいろご紹介していきます。

 

そもそもなんで、甘いの?


あまり考えないことですが…そもそも、甘口ワインって、なんで甘いんでしょうか?

私たちが感じている「甘い」は、糖分を感知し、味覚として感じる「甘い」と、香りを感知し、嗅覚として感じる「甘い」があるようです。
とても乱暴な言い方をしてしまうと、出来上がったワインに糖分が残っていたり、はちみつや熟した果実を連想させる甘い香りを嗅いだ時、このワインは「甘いワインなんだな」って思う訳です。


まずは、どうしたらワインに糖分を残すことができるのか?

その答えは、ワイン造りには欠かせない「酵母」。その働きをコントロールしてあげると、ワインに糖分を残すことができるんです。

 

小難しいことはいいから、という方は、ここから先は飛ばしちゃってくださいね。


ご存知かもしれませんが、ワインは、ぶどう果汁に含まれている糖分を酵母がアルコールに代謝(アルコール発酵といいます)することで出来上がる飲み物です。ということは、酵母が行うアルコール発酵を管理できれば、糖分がワインに残るという訳です!


発酵についての詳しい説明は割愛しますが、酵母の活動を抑えて、ワインに糖分を残すため、次のような方法が用いられています。

①リキュールなどを添加して、酵母の活動を抑える

アルコール度数の高い環境では、酵母は働けなくなってしまうので、ブランデー等のアルコール度数の高いリキュールを添加して働きを抑えます。
発酵させる前にリキュールを添加する方法と発酵途中に添加する方法があります。


前者はフランスのV.D.L.(Vin de Liqueurs ヴァン・ド・リキュール)で、熟成こそさせますが、ぶどうジュースとリキュールを混ぜたもの、後者はV.D.N.(Vin Doux Naturels ヴァン・ドゥ・ナチュレル 天然甘口ワイン)と呼ばれ、発酵途中にリキュールを添加することで、酵母の働きを止め、ぶどう果汁の糖分をワインの中に残します。 

②通常よりも高い糖度のぶどう果汁を使ってワインを造る

酵母は、ある程度まで糖分をアルコールに変えると、その働きが弱くなってしまいます。例えれば、おなかいっぱいになってしまって、アルコールを作れなくなってしまうという感じでしょうか。ということは、もともとのぶどう果汁に、酵母のエサとなる糖分がたくさん含まれていれば、代謝しきれない糖分が残るという事になります。


そこで、糖度の高いぶどう果汁を得る方法のひとつが、ぶどうの実の糖度を上げる方法。貴腐菌の力を借りたり、ぶどうの実を凍らせたり干しぶどうにしたりして、ぶどうの水分を減らし、糖度の濃縮したぶどうの実から果汁を絞るという方法です。

そうやってできるのが、貴腐ワインやアイスワイン、ジュラ地方のヴァン・ド・パイユやイタリアのパッシートです。ぶどうの実を樹熟させて、遅積みにし、糖度の高いぶどうを収穫する方法もあります。

 

貴腐ワインについての詳しい情報はこちら

③発酵温度をコントロールする

酵母だって生き物です。やっぱり元気に活動するには適温があります。少し低めの温度では、アルコール代謝をする力が少し弱くなり、ぶどう果汁中の糖分が残りやすくなります。


白ワインの醸造は15~20℃くらい、赤ワインの醸造は30℃前後で行われます。よりフレッシュでフルーティさを残したい白ワインは、15℃以下の低い温度で醸造されることが多いようです。フレッシュでほのかに甘いワインが白ワインに多いのもうなずけますね。

 


もうひとつの大切な要素「香り」


味覚と嗅覚は切っても切れない関係だそうで、ある神経生理学者が「味覚とは『95%が嗅覚』で『残りの5%が味』」だと言っている記事を読んだことがあります。風邪をひいて鼻が詰まると味がわからない…なんて言いますよね。ワイン用ぶどう品種の中でも、甘い香りのする品種で造られたものは、比較的甘いものが多いような気がします。

 

甘口のワイン、どうやって見分けたらいいの?

さて、甘口ワインを飲みたくなったけど、どのワインが甘口なのかわからない!なんてことありますよね。

ワインの裏ラベルに、甘辛度を示す指標があればよいのですが、それがない時は、まずラベルを読んでみましょう


ワインの中にどれだけ糖分が含まれているかを示す目安として、「残糖○○g」という指標があり、EUの規定では、1リットルあたり4g以下のものを辛口としています。ざっくり言うと、それ以上の残糖があるものは、甘みのあるワインだと言えます。

すごくおおざっぱですが、辛口でないワイン=少し甘みのあるワインということにして、どんなふうにラベル表記されているか、チェックしてみてください。

<スティルワインの表記>

                         →より甘い      

フランス

Demi-Sec Moelloeux Doux
イタリア

Abboccato

Semi Secco

Amabile Dolce
ドイツ

Halbtrocken

Lieblich süß(ズース)
スペイン

Semiseco

Semidulce Dulce

 

もうひとつは、ぶどう品種で選んでみる方法

先程もお話しした通り、甘い香りを持つぶどう品種を使ったワインは、甘いものが多い印象があります。

マスカットの仲間のミュスカMuscat(モスカテルMoscatel・モスカート・ビアンコMoscato Bianco等々、たくさんの異名を持っています)や、白バラとライチの香りのするゲヴュルツトラミネール、かりんの香りのするシュナン・ブラントロンテスデラウェアなどが、甘く華やかな香りを持つ品種です。ただ、辛口に仕上げてある場合もあるので、注意が必要です。


もうひとつの方法は、少しだけ、ワインに関する知識と経験値が必要かもしれません。世界中のワイン産地には、この品種はこうやってにワインを造ってね、そうしたら○○と名乗っていいよ、とかいう規定があります。その規定の中には、甘口を造って、名乗ることを認められている地域もある訳です。

有名なところでは、フランスロワール地方の半甘口のロゼワイン「ロゼ・ダンジュー Rose d’Anjou」、イタリア・ピエモンテ州のアスティの甘口に仕上げたスパークリングの「アスティ」と微発泡の「モスカート・ダスティ」などがあります。また、ドイツ最大のワイン生産地であるラインヘッセンでは、伝統的に「リーププラウミルヒ」という甘口の白ワインがあります。

 

ソムリエおすすめ甘口ワイン10選


ゆるーい気分でワインを楽しみたい時や、食事にも合わせてみたい甘口ワインをご紹介していきます。ワイン初心者や、女性へのプレゼントにもぴったりですよ!

まずは口当たりの良いスパークリングワインから

コッポラ監督が愛娘ソフィアに捧げたワイン

ブラン・ド・ブラン ソフィア 2018 フランシス・コッポラ ソフィア

映画監督フランシス・コッポラが、自らもメガホンを取る愛娘ソフィアの結婚のお祝いに造ったスパークリングワイン。マスカットやリースリングがブレンドされ、華やかでフルーティ、柔らかめの泡の、辛口よりも少し甘めのスタイルに仕上げてあります。

淡いピンクのセロファンに包まれた滑らかな曲線を描くボトルや、父フランシスが愛娘を表現した数々の形容詞が書き連ねられたラベルなど、彼女そのままにスタイリッシュ、ロマンティックで薫り高い、贈り物にもぴったりなワインです。

 

カヴァの名門ロジャー・グラートの造るちょっぴり甘口のカヴァ


カヴァ ロジャーグラート プラチナ ドゥミ・セック 2017 白

なんと、あの長州力さんがブランドアンバサダーに就任しているのが、カヴァの名門ロジャー・グラート。1882年、スペインのアルト・ペネデス地方にて創業された名門のカヴァ生産者です。
辛口のカヴァも造っているのですが、このカヴァは、一番搾りの果汁のみを贅沢に使用した少し甘口のカヴァ。洋ナシやフレッシュピーチなどのジューシーな果実味がまろやかに広がり、豊かでフレッシュな酸味とほのかな甘みのバランスが絶妙な、甘やかながらもミネラルを感じる上品な味わいです。

 

150年も家族経営を貫く 名門生産者が造る半甘口ランブルスコ


ランブルスコ IGT デッレミーリア アマービレ ロッソ ミラベッロ NV キアルリ 赤

イタリア半島の付け根、エミリア地方で最も長い歴史を持つランブルスコの造り手である名門キアルリ社。ラベルにある「1840」は、ワイナリーすぐ近くの街ミラベッロが、カトリック教区として認定された記念すべき年に敬意を表して記載されたもの。

いちごやブルーベリーの香りが豊かに広がる、やや甘口の味わいのランブルスコ。ぜひ試してほしいのが、この地方の名産品でもある生ハム、プロシュートとの相性は抜群!甘口のランブルスコと、少し塩気のある生ハム…。甘いとしょっぱいの無限ループから、抜け出せそうにありません(笑)。税込でも1000円以下というお財布に優しい価格も魅力的です。

 

なにもかもが美しい 女性へのプレゼントにもぴったりな甘口スパークリング


ジェンマ・ディ・ルナ モスカート・スプマンテ NV エノイタリア 白

「月の宝石」という意味のジェンマ・ディ・ルナ。美しいブルーのボトルの甘口スパークリングワインです。600人の女性を対象に行った調査で、様々な137色を見せたところ、一番心拍数が上がったのが、このボトルのブルーカラーだったそう。ダイヤモンドを思わせるストーンを散りばめた三日月デザインのラベルなど、ほとんどの女性が心躍ってしまうビジュアルです。

肝心の味わいですが、フレッシュピーチやマスカット、オレンジの花などの華やかなアロマ、ついつい飲みすぎてしまいそうな、果実味たっぷり、ほんのり甘い低アルコールのスプマンテです。フルーツタルトなどのスイーツとも好相性です。

 

余談ですが、ドラジェスタッフで「このボトルの色、どっかで見たことある色だよね…」なんて話をしたことがあります。ピンときた方もいるかもしれませんが…そうです!女性がプレゼントされたら、絶対に嬉しい?(私なら大喜びです(笑))あのジュエリーブランドのギフトボックスの色と一緒かも?だから心拍数高くなっちゃうのかな、なんて、みんなで妙に納得したことがありましたっけ…。

 

お次は、スティルワインです!

歴史あるロワール有数の大手ワイナリーの造るすっきり甘口のロゼワイン

ロゼ・ダンジュ 2018 ブーグリエ ロゼ

ファミーユ・ブーグリエは、フランスのエッセンスとも言われるロワール地方に1885年ドメーヌ・グノーとして誕生した家族経営のネゴシアン。
このロゼ・ダンジュは、ロワール地方の地ぶどうグロローを使ったほんのりオレンジがかった色のロゼワイン。爽やかな酸味が軽やかで、ほんのりとした甘さとのバランスもよく、優しい味わいのチャーミングなロゼワインです。

 

マールボロに最初にぶどうを植えた男のゲヴュルツトラミネール


ジェネレーションズ ゲヴェルツトラミネール 2016 アラン・スコット

今は銘醸地として名高いニュージーランドの南島マールボロ。このワインを造ったアラン・スコット氏は、ワイン生産地として産声を上げた1973年にぶどうの栽培を始めました。ワイン産業発展に貢献してきた功績が認められ、エリザベス女王の誕生日の叙勲をされた経歴の持ち主でもあります。
とある試飲会でこのワインに出会ったのですが、奥ゆかしくも華やかなライチと白バラの香り、ほんのり甘くフルーティでピュアながらもスパイシーな余韻を残す、その優しい味わいに魅了されてしまいました。

ラベルには、ぶどう畑を開拓した時代に、畑にやってくる鳥などを追い払うなどして活躍したワインドッグが描かれています。

 

黒猫は美味しいワインの印 ドイツモーゼルのすっきり系甘口ワイン


ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ アウスレーゼ 2019 ロマヌス・ケラーライ 白
たびたび目にする黒猫のラベル、意味があるのをご存知ですか?
「ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ Zeller Schwarze Katz」は、ツェリ村の黒い猫という意味。諸説ありますが、いつも黒猫が座っているワイン樽があり、その樽のワインを飲んでみたところ、とても美味しいワインが出来上がっていたんだそう。それから「黒猫の乗った樽のワインは美味しい」という噂が広まり、ラベルにも描かれるようになったんだとか。
このワインの造り手ロマヌス・ケラーライは、モーゼルに拠点を持つ1794年開業の老舗ワイナリー。優れたワインを造りながらも、良心的なお値段が嬉しい、コスパの良い生産者でもあります。

優しい甘さの白ワインで、マスカットや柑橘のフルーティな香りが魅力的。ただ甘いだけではなく、酸味とのバランスが取れた、飲み口の柔らかいワインです。

 

クレマン・ド・ロワールを最初に作った老舗ワイナリーが、甘口に仕上げた逸品


ヴーヴレイ 2002 マルク・ブレディフ 白

この老舗ワイナリーが、ヴーヴレイに所有している総延長2Kmもの回廊状の地下カーヴは、8世紀に作られたもので、ワインの熟成に最適なこのカーヴでは1874年まで遡るヴィンテージワインが現在も貯蔵されています。その美しい回廊は、この地区の観光名所にもなっているそうです。
ロワール川の北側に位置すヴーヴレイは石灰岩土壌で、酸の際立ったシュナン・ブランが造られます。ヴーヴレイのシュナン・ブランは、辛口にも甘口にも仕立てることができますが、このワインは、果実味豊かな甘口に仕上げられています。豊かな酸味とのバランスが抜群で、ミネラリーな余韻も感じる逸品です。

 

アルゼンチンのアロマティック品種トロンテスの白ワイン


トロンテス 2019 ロス・アロルドス 白

アルゼンチンの土着品種トロンテス。白桃やパイナップル、オレンジの花、ジャスミンなどの白い花など、華やかな香りを持つをぶどうです。
豊かな果実味とフレッシュな酸味に溢れ、少し甘口ながらも、さっぱりとした味わい。良く冷やして、シーフードや鶏肉などのシンプルな料理はもちろん、中華料理やエスニック料理とのマリアージュも楽しめる、非常に華やかな印象の白ワインです。

 

そのままでも美味しいぶどう デラウェアのワイン


ロリアン セラーマスター デラウェア 2018 白百合醸造 白 

秋になると、果物売り場に並んでいる、あの種なしぶどうデラウェアで造ったワイン、最近では、日本ワイナリーがこぞって造るようになりました。このワインを造った白百合醸造は、日本ワイン生産が最も盛んな、山梨県勝沼に80年以上の歴史を持つワイナリーです。
山梨県産のぶどうを100%使用し、デラウェアの個性を上手に引き出したこのワイン、新鮮なデラウェアをほおばった時のような、爽やかな甘みと酸味がそのまま残った、甘酸っぱさが非常に心地よいワインです。よーく冷やして、ぜひ和食に合わせてみてください。

 

おしまいに

甘口のワイン、敬遠される方も多いかと思いますが、実は酸味もしっかりあって、新鮮なフルーツをかじった時のような、瑞々しさはたまりません。食わず嫌いをせずに、ぜひ一度、味わってみてほしいなぁと思います。これからの季節、良く冷やした少し甘口のワイン、ゆったりした気持ちで楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

この記事が、少しでもお役に立てると幸いです。

 

 

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