ガメイの品種の特徴

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ガメイはフランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区で主に栽培されていることから、ボージョレ・ヌーボーを造る際に使われる品種として多く知られています。

ガメイの栽培と醸造

多くのガメイが、かつては風味の少ないワイン色を添加する為に広く使われていた赤い果肉を持つ、タンテュリエ種であったのです。1980年代に入ってもガメイ・タンテュリエの栽培面積はフランス国内で1000ha以上あり、マコンやトゥーレーでも見られていました。

真のガメイは、果房が小さくて果実部分が白く短い楕円形をしており、ガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブランという名で知られています。

ガメイの樹の特徴として、早期の発芽・開花・成熟するため、春先の霜害を受けやすいのですが、ロワール地方のように涼しい地域でも栽培が可能な品種です。比較的簡単にたくさんの実をつけるので、針金などは使用しない、ゴブレットの整枝法は花崗岩質の良質なボージョレの地に合うように考案されています。

ガメイの果汁はボージョレ・ヌーボーの需要に関係なく、早急に醸造される傾向にあります。ガメイから造られるワインは、他の品種から造られる赤ワインと比べて色が淡く、少し青みがかっていて、比較的酸が高く赤い果実を感じることができます。ガメイをベースに造られるワインは、2~3年以上寝かせることは殆どありません。

ガメイとボージョレ地区は互いに切り離せない存在です。ボージョレ地区では、ボージョレ・ブラン用のシャルドネを栽培する一部の畑を除いたほぼ全域でガメイが栽培されています。1988年には、ガメイの世界そう栽培面の半分以上にあたる33600haがボージョレ地区に存在していたというデータも残っています。

ボージョレ・ヌーボーに近い、ボージョレ・ヌーボーより少し軽めなワインを造るために、リヨン周辺及びロワール川上流地域のシャトー・メイヤン、コトー・リヨネ、コトー・デュ・ジェノワ、コート・ドヴェルニュ、コート・デュ・フォレ、コート・ロアネーズ、サン・ブルサンといったフランス中部の小規模なワイン産地でもガメイが栽培されています。

ボージョレ地区以外のガメイから造られるワインは、ボージョレ地区のものと比べて濃くタンニンが強く感じられることが多いです。しかし、ガメイ本来のワインスタイルから遠ざかってしまったため、あまり出回らなくなってしまいました。

ボージョレとコート・ドールの挟まれたコート・シャロネーとマコンでは、1980年代に主力品種あるシャルドネに植え替えられています。

ガメイから造られるワインでピノ・ノワールとブレンドして造られるパストゥグランというものがあります。1937年にAOCの認定を受け、同一区画で栽培されたピノ・ノワールとガメイを1:2の割合で(ピノ・ノワールの割合が三分の一以下になってはいけない)ブレンドをしたワインです。

ガメイから造られるワインの特徴

上記でも少し述べたように、色は熟成期間が短いということもあって淡く明るめの赤をしており、青みがかっていることからスミレ色にも近い色をしています。

ガメイから造られるワインは、ラズベリーや野苺といったベリー系の香りが特徴だと言われています。ものによっては甘い香りが強く感じられるものもあって、そちらに関しては苺ジャムや黒糖などと例えられることもあります。他にはブラックチェリー・ブラックベリー・胡椒や花の香り。ガメイから造られるワインは、比較的タンニン少なく酸味があり飲みやすいです。場合によっては冷やして飲むこともあります。

ガメイは、潜在的な生来のアルコール分が低く、その魅力は爽やかな軽さにありますが、多くの生産者はアルコール度数を上げるため通常発酵の際にに加糖をしています。

一般的におすすめされるマリアージュは、ソーセージや生ハムなどのお肉類。タンニンが穏やかなことから、魚やカキとも相性がいいとされています。

近年のガメイ

2000年代に入ってからは、自然派のワインが流行し始めたこともあり、ガメイに対する評価や認識が少しずつ変わってきました。自然派ワインと言われるものには大きく2種類あります。ひとつはブドウを有機栽培農法で育てているということ。更に有機栽培農法にもいくつか種類があり、減農薬農法、殺虫剤や除草剤・化学肥料を使用しないビオロジック、天体の動きに合わせて農法を行うビオディナミなどがあります。もうひとつは醸造の段階で使用される亜硫酸塩の量と酵母の種類です。この亜硫酸塩の量を極力少なくし、天然酵母を使うなど科学的なもの(香料などを含む)の使用を控えて造られたワインのことを指します。自然派ワインは濁っていたり、澱が沈んでいる場合が多くありますが、これはろ過をしていない造りから起こる現象で、飲む際に気になる方はゆっくりとグラスに注ぐと良いでしょう。

ワインを飲み慣れていない方にとって赤ワインと言えば、濃くてタンニンの強いというイメージも少なからずあったと思います。しかし、自然派ワインが多く出回り始めたことで「薄旨ワイン」「旨味凝縮系のワイン」「冷やして美味しい赤ワイン」などそのイメージが払拭されつつあります。

そして、ボージョレ・ヌーボーの輸入と同時にガメイから造られるスパークリングも日本に入ってきていることもガメイから造られたワインがより手に取りやすくなった理由のひとつと言えるでしょう。

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