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カステッロ・ディ・ランポーラ

Castello dei Rampolla

スーパータスカンの先駆者カステッロ・ディ・ランポーラ


ワイナリー「カステッロ・ディ・ランポーラ」を運営しているのは、ナポリ・ディ・ランポーラ家です。ナポリ・ディ・ランポーラ家がこの地を所有するようになったのは、1739年からでした。

ワイナリーの歴史が始まるのは1965年。当時の当主アルチェオ・ナポリ・ディ・ランポーラが、偉大なるワインを造りたいという夢に向けて活動を開始した年です。1965年に父親から事業を引き継いだアルチェオは、妻のリヴィア・ボルジアと4人の子供たちとともにワイン造りを開始、1968年にブドウの栽培を始めます。近代化した醸造施設に投資し、1975年に初めて瓶詰め作業にこぎ着けました。こうして、彼のキャンティ・クラッシコが完成します。

当時のトスカーナではキャンティ・クラッシコがそのブランド力を持つために苦悩していた時期でもありました。アルチェオは、歴史に名を残す醸造家ジャコモ・タキスの助言を経て、直感を頼りにカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培を開始するのです。当時のキャンティ地方において、アルチェオ・ナポリ・ディ・ランポーラはまさにスーパータスカンの先駆者でした。サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローを使用し1980年に誕生したのが「サンマルコ」です。このアルチェオの英断は後に、キャンティ地方の革命といわれるようになります。

大地への熱い思いはバイオダイナミック農法へ


アルチェオは、人間は大地の所有者ではなく、あくまで保護者に過ぎないという信念を持っていました。この信念はやがて、1994年のバイオダイナミック農法への転換につながります。

1996年、バイオダイナミック農法で生まれたブドウから誕生したのが「ダルチェオ」です。このワインの誕生には、アルチェオの二人の子供たちマウリツィアとルーカの情熱が込められています。新しい世代が望んだように、「ダルチェオ」はカベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルドで構成されています。

2008年にはワイナリーの新しい試みとして、ワインの熟成にテラコッタのアンフォラを採用。2010年にこのアンフォラの熟成から誕生したのが、「サンジョヴェーゼ」でした。

2015年、カステッロ・ディ・ランポーラは創業50周年を迎えました。滞ることなく成長続けた50年のあいだに、ワイナリーの経済力を示唆する数字は飛躍的に伸びました。しかし、ワイナリーを支えているのはこうした数字ではなく、自然のリズムに忠実に栽培と醸造へ注ぎ続けた情熱なのです。

「黄金の盆地」、サンタ・ルチア


キャンティ地方のパンツァーノは、かつてメディチ家の当主がブドウの栽培に最も適した土地とお墨付きを与えた歴史的な土地です。そのパンツァーノの南に、南西と南東に面した円形劇場型の盆地があります。「サンタ・ルチア・デッレ・ファウッレ」と呼ばれるこの土地は、聖女ルチアの祭日である12月13日ごろ、ブドウ畑に燦々と太陽が照りつけることから名づけられました。

この盆地の起源は、中世にまで遡ります。シエナとフィレンツェが抗争を続けていた時代、肥沃な土壌のキャンティは富裕なふたつの都市がしのぎを削って我がものにしようとした土地です。当時、ここには小麦が豊かに実っていました。「黄金の盆地」の別称は、その豊かに実る小麦の色から取られた美しい名前です。

現在、ここには偉大なるワインを作り出すブドウの木が栽培されているのです。この美しい盆地は、カステッロ・ディ・ランポーラの象徴となっています。

ワイナリーの哲学


アルチェオ・ナポリ・ディ・ランポーラの大地への尊崇の思いは、そのままワイナリーのモットーとなっています。

大地を管理するということは、すなわちその土が欲していることを理解することである。これが、アルチェオの信念でした。

アルチェオは、機械的に栽培を行うことを好まず、大地を理解するためにじっくりと観察することを選択します。

ワインの味を決定する「テロワール」とは土だけを指すのではなく、大地と空気とブドウと人間の力の調和であるのだから、人間もその要素のひとつとして溶け込まなくてはいけない。

20年前にワイナリーが選択したバイオダイナミック農法も、アルチェオの哲学から自然に導かれた答えであったのです。

ブドウの栽培と醸造の過程では


バイオダイナミック農法を実践する人にとっては、一般的に栽培の邪魔になる草花にも虫にも存在理由があります。とくに、ブドウの木のもとで育つ草花は土壌の湿度を保護する大事な役目を果たしています。

栽培過程で使用されるのは、銅と硫黄とプロポリスを配合した液体のみ。

緑肥の生産と使用は、長年の経験を経て土壌に活力と調和を与えるにとどまらず、人的作業を減らすことにもつながります。

ブドウ畑で目にする花々は、非常に鮮やかな色が特徴です。アルチェオが「花の色こそ大地の呼吸」として、土壌の健康状態を計るために草花を大切に育てました。その結果が、ブドウ畑を彩る花々なのです。

人工的な作業を最低限に減らし、自然の力を引き出すセンスがワイナリーを支えています。

一つ一つ手で収穫されたブドウは、醸造過程においてもその品質を失わないことを目的に作業が進められます。テロワールの本質を失うことなくワインに反映させることが、こうした丁寧な工程を経て成し遂げられるのです。

カステッロ・ディ・ランポーラのワイン


キャンティ・クラッシコ

カステッロ・ディ・ランポーラの顔ともいうべきキャンティ・クラッシコ。キャンティの風土を凝縮し、その風の清涼感さえ感じる魔法を秘めています。 優美な味わいは、サンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの絶妙なハーモニーから生まれます。2年半の熟成を経て完成するキャンティ・クラッシコは、年間生産数2万5千本~4万本。

ルビー色の美しい液体からはプラム、森の香り、甘草が優雅に香ります。力強くまろやかで豊かな味わいを長く堪能できます。

トスカーナの郷土料理、とくに肉料理とは最高の相性。熟成チーズとも美味しくいただけます。

ダルチェオ

カステッロ・ディ・ランポーラのバイオダイナミック農法から生まれたワイン「ダルチェオ」。クリュのクセをそのまま深い味わいにしていながら、重さをまったく感じないワインとして定評があります。テロワール、クリュの日当たり、ブドウのすべての条件が完璧にマッチして生まれる比類なき味です。1970年代、アルチェオ・ナポリ・ディ・ランポーラがカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培し始めた頃には、1990年代にカベルネとプティ・ヴェルドから「ダルチェオ」というワインが生まれることは想像もつかなかったはずです。長期熟成を経て完成するダルチェオは、年間生産数は6万本〜1万2千本です。

濃厚なルビー色が特徴。イチゴ、クロスグリが完熟したような濃厚な香りが広く香り、甘草と甘いスパイス、雨に濡れた土の香りが豊かに漂います。

肉厚でバランス感がある味わいがスムースに口腔内を満たし、味わいは長く続きます。 ジビエ料理、ジューシーな牛肉のロース、熟成チーズとご一緒にどうぞ。

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