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ブルゴーニュ Bourgogne



かの「ロマネ・コンティ」を生み出し、ボルドーと肩を並べるフランスを代表する銘醸地ブルゴーニュ。フランス東部に位置し、ぶどう栽培地域には、北に外れたシャブリ地区と、北端のディジョンから南のリヨンまでの細長い170Kmの地域に集中し、すべて合わせた栽培面積は約4万8千ヘクタール。これはボルドーの(12万ヘクタール)半分にも満たない広さです。行政区画としては、コート=ドール県、ニエーヴル県、ソーヌ=エ=ロワール県、ヨンヌ県にまたがる人口 約162万人の地域で、首府はディジョン。

この地でのぶどう栽培はローマ人により2〜3世紀頃から始まりましたが、その後のワイン造りは修道院を建設した修道士の活躍により大きく発展します。アキテーヌ公が910年にマコンのクリュニーの地にベネディクト派の修道院を建設したことから端を発し、その後、禁欲的なシトー大修道院が誕生します。この頃すでにワインはミサ用だけでは無く、饗応として上質なワインを振舞えることが政治的な役割を担う上でとても重要なものとなっていました。

シトー派の修道士たちは、寄贈ではなく、みずから畑を開墾する道を選びます。ブルゴーニュの特級畑で最大の広さを誇る「クロ・ド・ヴージョ」もその一つです。修道士たちは良いワイン造りへの試行錯誤を繰り返し、研究を重ねて行くと、ワインの味わいに畑ごとの違いがあることに気づきます。この時に「テロワール」の概念が生まれたと思われます。畑や区画の個性の違いを認識し、優劣をつけた修道士たちの情熱が現在のワイン産業の基礎を築いたのです。

ブルゴーニュのワイン生産地域




ブルゴーニュ地方のワイン生産地域は、大きく6つに分類されます。

1. シャブリ地区

北緯48度に位置する、ブルゴーニュで最も北部ある地域で、キンメリジャンとよばれる石灰岩土壌から辛口白ワインを産する。シャルドネ種から造られるとてもポピュラーなワインで、AOCは次の4つに分かれる。

・シャブリ・グラン・クリュ
・シャブリ・プルミエ・クリュ
・シャブリ
・プティ・シャブリ

2. コート・ド・ニュイ地区

黄金の丘(コート・ドール)と呼ばれるブルゴーニュ心臓部の北部に位置する地域。ディジョンの南に接するマルサネからニュイ・サン・ジョルジュまでの、長さ約20キロのエリアで、この地域は特にピノ・ノワール種に最適な土壌とされる。シャンベルタン、ミュジニー、クロ・ヴージョ、ロマネ・コンティなど偉大な赤ワインを産する地域で、主な村は次のとおり。

・ジュヴレ・シャンベルタン
・モレ・サン・ドニ
・シャンボール・ミュジニー
・ヴージョ
・ヴォーヌ・ロマネ
・ニュイ・サン・ジョルジュ

3. コート・ド・ボーヌ地区

コート・ドールの南部に位置する地域で、ボーヌには大手ネゴシアンの多くが拠点を置いている。コート・ド・ニュイは偉大な赤ワインを産する地域だが、コート・ド・ボーヌでは赤ワインの他、偉大な白ワインも生産している。著名なワインはコルトン、ムルソー、モンラッシェなどで、主な村は次のとおり。

・アロース・コルトン
・ボーヌ
・ポマール
・ヴォルネ
・ムルソー
・ピュリニー・モンラッシェ
・シャサーニュ・モンラッシェ

4. コート・シャロネーズ地区

コート・シャロネーズはシャニィの南に広がる地域で、その名はワイン商の重要な活動拠点だったシャロン・シュル・ソーヌ市から取ったものです。ぶどうはピノ・ノワール、シャルドネのほか、ガメイ、アリゴテが栽培されています。シャニィから約15Kmにわたる地域には次の村があります。

・ブーズロン
・リュリー
・メルキュレイ
・ジブリ
・モンタニー

5. マコネー地区

コート・シャロネーズのさらに南の、ソーヌ川の西に広がる一帯がマコネー地区。約7割が白ワインで、残りは赤ワインとロゼワインが造られ、総じてフレッシュな若飲みタイプのワインが多い。主な村は次のとおり。

・プイイ・フュイッセ
・サン・ヴェラン
・ヴィレ・クレッセ
・マコン

6. ボジョレー地区

マコネーからリオンまで南北約55Kmの地域。北部は砂混じりの粘土質に覆われた花崗岩土壌、南部は粘土質土壌。ガメイ種に最適な土壌が花崗岩土壌であるため、格上のクリュ・ボジョレーは北部に集中している。AOCの格付けは次のとおり。

・ボジョレー
・ボジョレー・シュペリュール
・ボジョレー・ヴィラージュ
・クリュ・ボジョレー

ブルゴーニュのぶどう品種




ブルゴーニュワインの特徴は単一のぶどう品種からワインを造るということです。ボルドーワインの場合は、複数のぶどう品種をブレンドしてワインは造られますが、ブルゴーニュワインの場合、赤ワインはピノ・ノワール種、白ワインはシャルドネ種により、大半のワインが生産されています。

ブルゴーニュは大陸性気候なので、冬の寒さは非常に厳しく、夏はとても暑くなります。それはぶどうの生長や、果実の品質に直接影響を与えるので、その年によりワインの味わいに大きな差が出てしまいます。単一品種から造られるブルゴーニュワインは、味わいのごまかしが利かないので、ワインの良し悪しは生産者の力量によりかなり違ってしまいますが、そこがブルゴーニュワインの魅力であり、奥深さでもあるのです。

ブルゴーニュワインの主要品種



1. ピノ・ノワール

フランスのブルゴーニュを原産地とする、赤ワイン用高級ぶどう品種。すみれ色を帯びた黒い小ぶりなぶどうの房をつけ、その房が松ぼっくりのような形状に実ります。フランス語で松のことを「Pin」といい、語源はラテン語の「Pinus」となります。そこに「Pinot」という名前の由来があるようです。霜や病気の影響を受けやすく、早熟な性質で、腐りやすい。そのような繊細な品種なのでブルゴーニュ以外では栽培できないと言われていましたが、今では世界中で栽培される国際品種の一つとなっており、アメリカのカリフォルニアやオレゴン、ニュージーランドなどで高品質なワインが生産されています。ワインの色合は鮮やかなルビー色で、ベリーやさくらんぼなどの赤いフルーツ系の香りが特徴。

2. シャルドネ

ぶどう名はマコネーにあるシャルドネ村から名づけられたとされる、ブルゴーニュを代表する白ワイン用の高級品種。発芽時期が早いために春の遅霜の被害を受けやすいが、適応能力が高いので世界中のあらゆるワイン産地で栽培されている。この品種から造られるワインは果実味が豊かでこくがあるが、ぶどう自体の個性はすくないので、テロワールを反映しやすい。またオーク樽を使うことにより多彩なスタイルをつくりだせるため、多くの醸造家に愛され、多くの偉大なワインが造りだされている。

3. ガメイ

ピュリニィ・モンラッシェ村の近郊にあるガメイ村の領主が、十字軍の遠征からガメイを持ち帰ったことで、その名がついたと言われています。かつてはブルゴーニュ全域で栽培されていましたが、1395年のフィリップ豪胆公によるガメイ禁止令により、ガメイは統治下ではなかった南部に追いやられる形となります。ところがその地の花崗岩土壌にガメイはとても相性がよく、上質のワインが造られたことから、現在ではこの地の代表ぶどう品種となっています。ワインは明るい色調で、タンニンは優しく、酸味は豊か。いちごやラズベリーの香りをもち、フレッシュでチャーミングなその味わいは、ボジョレー・ヌーボーでも大人気となりました。

4. アリゴテ

シャルドネの次に多く栽培されている、とても古いブルゴーニュの白ぶどう品種。酸が生き生きとした、早熟タイプのワインとなるため、若いうちにフレッシュさを楽しむのが一般的。食前酒として人気のあるカクテル「キール」は、かつてディジョン市長が、ブルゴーニュ産アリゴテの白ワインと、ブルゴーニュ特産のクレーム・ド・カシスを使って考案されたものです。



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