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ティボー・リジェ・べレール

Thiboult Liger Belair


現在ブルゴーニュで最も注目を集めているドメーヌ「ティボー・リジェ・べレール」は、2003年に創設されたばかりですが、実は300年前までさかのぼる長い歴史を持つブルゴーニュの名門ワイナリーです。

ティボー・リジェ・べレールの歴史


一族のワイン造りの歴史は、1720年、フランス王に使える傍ら、ニュイ・サン・ジョルジョ村の村長を務めていたクラウド・マーレー氏が、高品質のワインを扱うワイン業「C.MAREY」を始めたところからスタートします。

代々、ワイン業を受け継いでいったマーレー家は、1852年に一族のギュローム・フェリックス・マーレー氏が、ヴォーヌ・ロマネにグラン・クリュのブドウ畑を所有するルイ・リジェ・ロジェール伯爵の娘と結婚し、両家の所有している素晴らしいブドウ畑を共同で経営することにより、さらに事業を拡大させていきました。

このため、「C.MAREY et Comte LIGER-BELAIR」という名称に変更しますが、1869年にギュローム氏が亡くなると、ワイン事業はリジェ・ロジェール伯爵家が単独で経営していくことになります。

1878年にナポレオン配下で将軍を務めたルイ伯爵から、息子のエドガー伯爵にワイン事業が相続されます。そして、1906年に3人の息子と共同経営となり、「Comte LIGER-BELAIR et Fils Successeurs」と名称を変更します。その後、1923年にリヨンの株式市場に上場するなど、順調に経営を続けます。

1982年にリジェ・ロジャール家の当主グザヴィエ伯爵が死去した際に、建物とともにコート・ド・ニュイなどの畑をグザヴィエ伯爵の子の一人であるヴィンセント氏が購入します。自身もパリ在住のため、これまでどおりり畑を他の生産者に貸し出し、収穫されたブドウを自社のワインとして販売するという方法でワイン事業を続けます。

ブルゴーニュで輝かしいデビュー!


ヴィンセント氏の息子ティボー氏は、幼いころからワイン造りに深い関心を示していました。生まれ育ったパリよりも一族の土地ブルゴーニュへ愛着を示し、6年間醸造学を学びます。その後、パリのワインビジネスに関わり、インターネットの会社でワイン販売の経験をするなど、着々とワイン事業のスタートに向けて準備を重ねます。

ティボー氏が、「ティボー・リジェ・べレール」というドメーヌ名でデビューしたのは、2002年、まだ26歳の時です。

先祖伝来の素晴らしい畑を相続するという恵まれたスタートを切ったティボー氏は、これまでの経験を基にした独自のブドウ栽培を始めます。ワイン造りの情熱に燃えた彼の方針はすでに明白に決まっていて、マニアックなまでに徹底して実践していくだけでした。

才能と努力の甲斐あって、2005年、わずかデビューから3年というわずかな期間で、ヴォーヌ・ロマネ村のリシェブール・グラン・クリュは、あの世界最高のワインとも言われるロマネ・コンティと同じ評価を受けます。

この驚きのニュースは、世界中のワイン関係者の注目を集め、今、最も期待されている若手のドメーヌとして、ますます磨きをかけています。

ティボー・リジェ・べレールのぶどう畑


一族伝来の畑とはいえ、長年、他の農家に貸し出していたため、土地本来が持つ自然の力を取り戻すために、2005年より有機農法をスタートさせます。

土壌を保護し、テロワールのさまざまな魅力を引き出すためには、まず土地に負担をかけるトラクターは使用せず、馬を使って畑を耕すのが一番であるという徹底的なこだわりを持っています。また、除草剤などの化学製品は、一切使用しない主義です。

畑の植密度を高くして収穫量を抑えることで、ブドウの樹に負担をかけずに良質なブドウを栽培し、その良いブドウが良質なワインを生み出してくれるという考え方をしています。

ティボー・リジェ・べレールのワイン造り


ワインの醸造は、流行などは関係なく、ブルゴーニュのワイン醸造家たちがこれまで幾千もの方法で試してきたように、自然な方法が一番です。カンティーナでは、全てがとてもシンプルで自然に運ばれていきます。一番重要なのは経過をしっかり観察していくことで、ワインの移し替えもほとんど行いません。

ワインの熟成は、12〜18カ月。新しい樽の使用は、ワインによって変えているので30〜70%とかなり幅があります。ティボー氏は、収穫年とブドウの種類の特徴を決める大切なもの、という樽に関するこだわりが強いので、ブドウを収穫した後、樽に使う樹を選んでいきます。

今後のさらなる展開


ティボー氏のいとこにあたる本家筋のルイ・ミシェル・リジェ・べレール氏も、ヴォーヌ・ロマネの土地を受け継いで、2000年より「デュ・コント・リジェ・べレール」というドメーヌで、ブドウ栽培をスタートさせています。

ティボー氏が受け継いだのは、リシュブール、クロ・ド・ヴージュ、のグランクリュの畑のほか、一族のワイン事業のスタートとなったニュイ・サン・ジョルジュ村のプルミエクリュであるレ・サン・ジョルジュの2ヘクタールもの畑、オート・コート・ディ・ニュイ、ヴォーヌ・ロマネの畑です。

ティボー氏は同時に7ヘクターもの畑をネゴシアンとしての活動も始め、ボージョレイのムーラン・ア・ヴァンにガメイ種の畑を3ヘクタール購入するなど、積極的に展開しています。

また、ニュイ・サン・ジョルジョにあるレ・サン・ジョルジョのプルミエクリュの畑を、グランクリュに昇格させるべく、近隣の所有者たちと共同で活動を行っています。若いうちから才能を発揮して、素晴らしいスタートを切ったドメーヌだけに、今後の活動が注目されています。

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