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価格1,760円(本体価格:1,600円)
価格1,848円(本体価格:1,680円)
価格3,080円(本体価格:2,800円)
価格8,448円(本体価格:7,680円)
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価格1,276円(本体価格:1,160円)
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価格1,969円(本体価格:1,790円)
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価格3,773円(本体価格:3,430円)
価格4,125円(本体価格:3,750円)
価格6,820円(本体価格:6,200円)
価格14,520円(本体価格:13,200円)
ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イェージ Verdicchio dei Castelli di Jesi
ヴェルディッキオは、イタリアのマルケ州を代表する重要な品種。そしてこのブドウの代名詞ともなっているワインこそ、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージです。長くて覚えづらい名前ながら、その意味は「イエージ城のヴェルディッキオ」という意外にシンプル。紀元前からの港湾都市・アンコーナから、少し内陸に位置するイエージもまた歴史ある町で、その周辺で造られる銘酒として地元の人々に愛されてきました。マルケ州の中でも生産地となるのは、イエージの西側に広がる丘陵地帯。古くからこのワインを産出してきた一部エリアのものは、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージの後に「クラシコ」と付記する事が認められています。日本では早い時期から輸入されてきた事もあって、多くの銘柄をショップで目にする事ができ、覚えきれないほどあるイタリア産ワインの中でも、最もポピュラーな部類に入る白ワインの1つです。
ユニークなお魚ボトルで一躍有名に、別名「海のワイン」!
マルケ州は農業が主要な産業となっていますが、アドリア海に面する海沿いの地域では漁業も盛んで、豊富な魚介類をふんだんに使った料理が古くから楽しまれてきました。こうした食文化の中でこそ誕生したワインが、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージなのです。ワインの個性が育まれる大きな理由として、その土地の名物食材と相性が良いという点が挙げられますが、このワインとシーフード料理は典型的な一例と言えるでしょう。
ヴェルディッキオというブドウは、ワインの中にしっかりした酸と、後味の心地よい苦味を産み出します。この要素が魚介類と抜群の相性を発揮しており、現地はもちろんの事、世界中でシーフードと共に楽しまれるまでに発展。それゆえにヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージは、「海のワイン」の別名でも知られています。
他の産地でも「海のワイン」と呼ばれるワインはありますが、この銘柄ほどそのイメージが強いものはないでしょう。正確には「魚のワイン」かもしれません。というのもヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージの一部は、他には例の無いほどに奇抜な、魚の形をした独特なボトルで流通していたのです。その姿はこの銘柄を示すシンボルとなり、魚の彫刻がやけに凝ったものもあって、消費者たちに一度見たら忘れないインパクトを与えました。
ガラスの瓶を魚の形に加工するためには、通常のボトルと比べて、当然ながら余分なコストもかかります。そうまでしてこだわり続けた甲斐あって、「お魚ボトルのワイン=魚介類と合う美味しい白ワイン」という図式がすっかり世の中に定着、数多あるワインの中で個性をアピールし、認知度を高めたという点で大成功を収めました。お魚ボトルを採用した事は、ワイン業界で画期的なイメージ戦略だったと言えるでしょう。
そもそもこの形の起源は「アンフォラ」と呼ばれる、非常に古い時代から使われてきた伝統的な容器にありました。古代ローマ時代を扱った本や映画などで、真ん中あたりがくびれた形状で取っ手のついた壺を見た事があると思います。これこそがアンフォラで、ワインだけでなく様々な物品の貯蔵や運搬に用いられ、当時は広い地域で普及していたようです。紀元前からの歴史があるイエージでは元より、伝統を意識してアンフォラを模ったボトルを用いていましたが、そのフォルムがなんとなく魚の形に見える事も、お魚ボトル誕生のきっかけとなったようです。
しかし一昔前まではよく見かけたこのお魚ボトルも、近年ではその姿を見かける事が少なくなってきています。現在では一般的なボトルかもしくは、アンフォラを意識した簡素な形状のくびれボトルに瓶詰めされる事が多くなりました。同じ傾向の味わいを持つワインが、続々と知名度を高めて競合するようになった近年、できるだけ価格を安く抑えるというのも重要な戦略。象徴であったお魚ボトルのコストカットを図ったのは、内容だけで勝負しても負けないという、生産者たちの自信の表れとも見る事ができます。
魚介類とのペアリング以外にも様々な魅力!
ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージにも多くの銘柄がありますが、そのほとんどはリーズナブルな1000円台で入手する事ができます。この価格帯だと気軽に開けやすい上に、実は魚介類に限らず様々な料理と相性が良い事で、日々の食卓で大いに活躍してくれるのも人気の理由でしょう。
定番のシーフードでは、アクアパッツァや貝の酒蒸し、焼き魚に煮つけ、ムニエルなど、火を通すものならほとんどのレシピと良好な相性を見せてくれます。生魚でもマリネをはじめ、サーモンや白身魚の刺身・お寿司なら、ヴェルディッキオの酸味と余韻の苦味が良い仕事をして、違和感なくスッキリと楽しむ事ができるでしょう。さらに酸がしっかりと効いてミネラル感も備わったものであれば、青魚やカツオのたたきなど、生臭みの強いものとも渡り合う力があります。意外かもしれませんが、甘めに仕上げられた刺身醤油との相性も悪くありません。
ヴェルディッキオは酸味だけのワインでなく、フルーティーなアロマと果実味に溢れており、甘ったるいわけではないものの、まったりした独特の風味とコクを備えています。こういった要素が、味付けが甘めな和食からエスニック系まで、魚介類だけに限らず幅広い料理との相性を良好にしています。例えば肉じゃがなどの煮物やしょうが焼き、おでんなどの鍋料理全般、酢豚にエビチリなど、定番の家庭料理にも広い守備範囲があり、常にストックしておきたくなる銘柄だと思います。
そして造り込まれたヴェルディッキオには、長期熟成にも耐えるという魅力もあるのです。日本では熟成モノをあまり見かけませんが、長い時間をかけて複雑味と深みを増すと、若いうちとはまた異なる表情を見せてくれるようになります。食事とのペアリングで本領発揮、というイメージの強いヴェルディッキオですが、こういった熟成品はワイン単体で味わって飲みたくなるほど。こういった点が評価され、通常のヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージはDOC格付けですが、規定の熟成期間を経た「リゼルヴァ」表記のあるものに限っては、2010年にはDOCGへの昇格が認められました。
ちなみにイエージの南東方向へと内陸部に進むと、「ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ」というワインの生産地があります。同じくヴェルディッキオを使っていながら異なる個性があって、より長期の熟成に向いており、石灰質土壌由来のミネラリーな要素が備わるとされています。カステッリ・ディ・イエージに比べると、マテリカの生産量は圧倒的に少なくなりますが、日本でもその姿を見かける事があるので、機会があれば飲み比べてみると面白いと思います。