ワインの飲み頃っていつ?初心者にも分かりやすいポイントを簡単解説!

  • LINEで送る
飲み頃

ワインを飲むようになると感じ始める疑問の代表「このワインの飲み頃って…いつ?」

この記事を読んでいるあなたも、きっとお持ちのワインや気になるワインの飲み頃が知りたくて、ここへたどり着いてくれたのではないでしょうか?

ワイン初心者の方はもちろん、実はワインのプロであっても永遠の課題であり正解のない難問が、この「ワインの飲み頃はいつなのか」問題です。

今回は、そんな疑問を少しでも解消すべく、ワインの飲み頃の見極め方や抑えておくべきポイントについてやさしく解説していきたいと思います!

「ワインの飲み頃」とは?

飲み頃

数あるお酒の中でも、とくに飲み頃について人々を悩ませるのお酒の代表選手、ワイン。ビールやウイスキーなどに比べて、なぜワインはこれほどまでに飲み頃を考える必要があるのでしょうか??

それは、ワインが出来上がってからも瓶や樽の中で熟成が進み、刻々と状態の変わっていくお酒だからなんです。

日々熟成が進み、年々味わいも変化していくワインを、最も良い状態で美味しく飲める期間=「ワインの飲み頃」というわけです。

ワインは古ければ古いほどよい?

超一流シャトーや有名メゾンのワインは、何十年もの熟成を経たオールドヴィンテージが超高値で出回っていたりすることがあります。世界で最も高級なワインとして知られるDRC(ロマネ・コンティ)なんかは、近年は数百万を超えることも珍しくなくなってきました。そういった情報だけを見ると、もしかして、ワインは古ければ古いほど良く、価値があるものなのかな?なんて思うこともあるかも知れません。

確かに、数十年もの長い期間熟成したワインはそもそも出回る数も少なく、希少と言う意味では価値のあるものといえますが、「古いワイン=美味しいワイン」というわけではないんです。

ワインにはピークというものがある

ワインは食品と違って、賞味期限の表示がありません。これは日本でも海外でも同様です。その代わり、そのワインがいつ造られたものかがわかるように「収穫年(ヴィンテージ)」が記載されていて、この年から熟成年数を知ることが出来ます。

ワインが出来上がって瓶に詰められ熟成を経ていく中で、飲み頃のピークを迎え、やがて飲み頃を過ぎていくまでの成長曲線は、個々のワインの持つポテンシャルによって大きく異なります。

なぜワインの飲み頃を見極めるのは難しいのか?

飲み頃

まず大前提からお話してしまうと、ワインの飲み頃に、これ!という正解はありません…。というと元も子もないのですが、なぜワインの飲み頃に正解がないのか、いくつか理由をご説明しましょう。

全く同じワインであっても、1本ずつ熟成度合いが異なる

先述したように、ワインは出来上がったあとも熟成を続けていくお酒。ワインの熟成には温度や湿度、光や振動など周囲の様々な要素が影響します。なので同じワインであっても、常に一定温度のセラーで保管した場合と、とくに温度管理のされていない常温の環境で、時に強い光なども浴びたりしながら保存された場合とでは、熟成の度合いや味わいが違ってくることがあるのです。

また、全く同じ環境で保存していたとしても、ワインというものは樽やロット、ボトルごとに個体差が生まれてしまうことがあります。一度飲んだことがあるワインをその後再び飲んだときに、前回と味がちょっと違うような?と思うことが合ったとしても、それは間違いではありませんし、ワインが不良なわけでもありません。それこそがまさに「個体差」ということなんですね。

ただ、人間の味覚自体も状況や体調などによってかなり敏感に変わるもの。味が違うな?というときは、自身の体調の影響や、感じ方が以前と違うという可能性もあるかもです。(※例えば、人によっては疲れているときに酸味を強く感じやすい、などと言われることもあります。)

ボトルの外観からだけでは、熟成度合いがわからない

ワインの熟成の度合いを判断するときに、ワインの色って実はすごく重要なヒントになります。ソムリエ試験のテイスティング訓練をしたことがある方はピンと来るかもしれません。グラスに注いだワインを傾け、液体のフチの部分の色調を見ることでおおよその熟成度合い(若いワインはフチまで濃い色調ですが、熟成を経ているワインはフチが透明に近くなってきます)が分かります。

それを応用して、開栓前のワインボトルを傾けて色調を見れば、おおよその熟成具合を想像することができるかもしれない…のですが、実際は一部の白ワインやロゼワイン、スパークリングワインなどを除き、ワインのボトルには色がついているものがほとんど。ボトルの外から液体の正しい色を見極めるのが難しいんです。

でも、これにはきちんと理由があって、ワインは光(日光だけでなく、蛍光灯などの光も)に晒されてしまうのが苦手。だから、中身を守るためにボトルに色をつけて光を遮る役割を果たしています。そのため、熟成向きのワインは茶色や緑など濃い色のボトルが多いです。そうなると、外観からこれは今丁度よい熟成具合だ!と判断することができないのです。

つまり、ワインの飲み頃は1本1本異なり、そしてあくまでも情報から推測で判断するしかなく、100%正しい答えはないということなんです。

これだけは抑えておこう!飲み頃を知るポイント3つ

飲み頃

そうは言っても、やはりできるだけ美味しく飲める期間にワインを楽しみたい!ということで、ワイン初心者の方でもわかりやすいワインの飲み頃の判断するポイント3つをまとめてみました。すべてのワインがこのポイント通りとは限りませんが、覚えておくとワインを飲むときに少し役立つかも知れません。

①そのワインのタイプはなにか?

近年のワインはリリースした時点で美味しく飲めるワインが多いです。なので基本的には、お店で買ったワインは、購入後すぐに飲んでも美味しいと思ってもらって良いと思います。

初心者でも飲み頃を見つけやすくなるひとつの目安として、1000円前後のデイリーワインか、中価格帯ワインか、熟成を前提とした高級ワインか、に分けると、飲み頃に近づきやすくなります!

1000円程のデイリーワインは、基本的にすぐに飲んでOK。コンビニなどで買えるワインは基本的には熟成させるのではなく早飲みタイプと思ってもらってよいでしょう。買ったときが飲み頃と覚えておいてOK です!

一般的な、中価格帯程のワインの場合、白ワインなら1~2年程度、赤ワインも2~3年程度のうちに、あまり長期間は寝かせずに飲むのがおすすめです。スパークリングワインも、あまり長く置き過ぎるとガスが抜けて弱まる可能性もありますので、1年以内程度のうちに飲むとフレッシュな泡を楽しむことが出来ます。

1万円を超えるような高級なワインになってくると、リリース直後ももちろん美味しいのですが、まだ本来の力を発揮しきれない(ピークを迎える前段階)ということも出てきます。造り手によっては〇〇年後にピークを迎えるよう計算をして醸造をしていることもしばしば。そういうワインの飲み頃を判断するのは結構難しいです。次に紹介するヴィンテージチャートやワイン誌を参考にするほか、思い切って購入店のソムリエさんに相談してみるのもありです。

②ヴィンテージチャートを活用してみる

ワイン誌やワイン評論家・専門家などが発表する「ヴィンテージチャート」

その年ごとの評価がわかるため、当たり年と呼ばれるヴィンテージならもう数年寝かせてみる、逆にオフヴィンテージと言われる年ならあまり長く寝かせすぎずに飲んで見るなど、飲み頃を予測するのに役立ちます。ネットで検索するとインポーターさんなどが公開しているヴィンテージチャートがもありますし、パーカーポイントでおなじみロバート・パーカーの「ワインアドヴォケイト」のサイトでは、ヴィンテージチャートは無料で見ることができるのでおすすめです。

③実際に開けて飲んで見る!

これは、ヒントでもなんでもないのですが…やはり、実際に開けて飲んで確かめることができれば、それが最も確実な飲み頃の判断材料になります。たとえば、開けてみたところまだ堅さがあり香りが開かないと感じるようであれば、デキャンタで空気に触れさせて開かせるという応用も効きますし、同じワインをもう1本用意することができれば、こちらは後何年か寝かせて数年後に変化を楽しんで見るということも出来ます。

同じワインのヴィンテージによる違いを一度に楽しむ「垂直テイスティング」というものもありますね!

垂直

熟成ボルドーワイン 垂直テイスティング満喫3本セット!

サンテミリオン・グラン・クリュ ブティス 1997年 1999年 2002年

番外編:早飲みワインの最たるもの「ボジョレー・ヌーヴォー」は熟成できるのか?

ボジョレーヌーヴォー

ここで脇道にそれますが、ちょっと小噺を。熟成させることを前提としない、早飲みワインで最も有名な銘柄といえば、フランス・ボジョレー地方の新酒「ボジョレー・ヌーヴォー」ではないでしょうか?

その年に収穫したブドウで造る新酒で、毎年11月の第3木曜日に解禁され、日本でもすっかりおなじみのボジョレー・ヌーヴォー。

ガメイ種から造られるボジョレー・ヌーヴォーは、フレッシュでチャーミングな果実味が魅力で基本的には熟成をさせずすぐに飲むことが多いワインです。

しかし、筆者が数年前、百貨店の洋酒売り場で働いていた頃、興味深い話を耳にしました。11月のヌーヴォーの解禁日、試飲用のボトルをたくさん開け店頭に立ってお客様に試飲販売のご案内をしていたときのことです。そこで、ブルゴーニュを代表する名門ジョセフ・ドルーアンのヌーヴォーも販売していたのですが、そのドルーアンの輸入元の営業担当さんが解禁日に店に立ち寄り、こんな話をしてくれました。

「実は、昨年のヌーヴォーを先日開けたんですが、去年の解禁日に飲んだときよりも1年寝かせた方が断然美味しかったんですよ」と…。

売れ残りでもしない限り、ヌーヴォーを寝かせることなんてないと思っていた当時まだワイン1年生の筆者は、目からウロコでした!(笑)当たり年のワインが長期熟成に耐えうるように、出来栄えの良い年のヌーヴォーは、数年寝かせても美味しいものなのか…!と。(もちろん、生産者の手腕にもよりますが)

このように、一般的に早飲みタイプとされるワインでも「すぐ飲んでもちろん美味しいけど、実はちょっと寝かせても美味しい」ということも、あるんですね。

ワインって本当に奥深く難しく面白いなあと思わされた出来事でした!

おわりに

飲み頃

今回は、ワイン好きの永遠のテーマである「ワインの飲み頃」について、ざっくりと解説してみました。

ここに書いてあることは、本当に入門編。生産者や畑や天候…飲み頃を見極めるための条件はたくさんあり、そして絶対の正解はないので、すべてに当てはまるわけではありません。あくまで一つの判断方法の例として参考にしていただければ幸いです。

飲み頃の見極めは難しいですが、正解がひとつではないからこそ、ワインってやっぱり面白い!人々が手塩にかけて育てたブドウから造られ、日々その姿を変えながら成長・熟成し、私達を魅了するワイン。まるで生きているかのように思えてきますね!

ベストな状態でワインを飲みたい!飲み頃に開けたい!という気持ちももちろんあるとは思いますが、ワインは一緒にいただく食事や周りの雰囲気、グラスやお皿をちょっと良いものにしたりするだけでも、味わいの感じ方がぐっと変わってくるものです。

飲み頃=美味しく感じられたかどうかを最終的に判断するのは飲み手自身。あまり飲み頃だけにとらわれず、おおらかな気持ちでワインと向き合って、ワインの成長具合をじっくりと楽しんでみるのはいかがでしょうか。

今後も、皆さまが楽しめるワイン情報を発信していけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

これだけは抑えておきたい!ワインの偉大な当たり年についての記事はこちら!>>

もう一つの飲み頃!ワインを美味しく飲む温度についての記事はこちら!>>

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

人気の記事

コメントを残す

*