
イタリアを代表するワイン評論家ルカ・マローニ氏と著名な醸造家ムラッド・オウアダ氏が来日し、ルカ・マローニ氏解説のもとメーカーズディナーが開催されました。
場所はイタリアンの名店「アルポルト」。テレビや雑誌でもお馴染みの片岡シェフのお店です。
「世界を代表するワイン評論家×イタリアレストランの巨匠」という、なんとも贅沢なコラボレーション、期待せずにはいられません!
そして料理とともに提供されたのは、南イタリア・プーリア州のワイナリー「カンティーナ・ムゼオ・アルベア」のワインでした。
この大変貴重ディナーに参加することができましたので、今回この体験をレポートします!
登場人物のご紹介!
まずはルカ・マローニ氏について紹介します。
イタリアのローマ生まれのルカ・マローニ(Luca Maroni)氏。
イタリアワイン・フード界の重鎮、故ルイージ・ヴェロネッリ氏の下で、イタリアで最初のテイスティングによるワインガイドを創刊した時の責任者。
彼が創刊したワイン評価誌「GUIDA DEI VINI ITALIANI(グイダ・デイ・ヴィーニ・イタリアーニ)」は、ワインの「果実味」と「心地よさ」に重点を置く独特な採点方法ですが、消費者の立場にたって評価されるため、数千円代の手頃な価格で美味しいワインが見つかる、と評判です。(パーカー100点ワインになると、うん万円、うん十万円もしますから・・・。)
1988年から2021年にかけて、約40万本のワインをテイスティングしたそうで、単純計算で年間12,000本以上テイスティングしていることになります。。。おそるべし。
もう一方が、醸造家のムラッド・オウアダ(Mourad Ouada)氏。
イタリアのみならず、フランスやスイス、ブルガリアでも経験され、世界的に有名な醸造家リカルド・コタレッラ氏の下で働く。その経験を活かし、現在ではイタリアのみならず、フランス、ブルガリア、スイスなど各地の固有品種を多彩に使いワインを造っています。
今回用意されたアルベアのワインも、このムラッド氏がコンサルタントしています。
「カンティーナ・ムゼオ・アルベア」は、イタリアのかかとに位置するプーリア州、アルベロベッロに1900年初頭に設立されたワイナリー。この地域は、ユネスコ世界遺産にも登録されている、「トゥルッリ」と呼ばれる伝統的な円柱形の屋根を持つ白い家屋が立ち並び、まるでおとぎの国の様な可愛らしい街並み。
ブドウ畑からもトゥルッリが見える素晴らしい景観!一度訪れてみたいな・・・と思いました。
プーリア州は、日本ではあまりワイン生産地としてメジャーではないですが、山岳地帯がほとんどなく広大な平野と温暖な地中海性気候に恵まれているため、ワイン生産量はヴェネト州やシチリア州と共にトップを争う程の大量生産地です。
また、ワインはギリシャからヨーロッパ各地に伝播したと言われていて、ギリシャから最も近いプーリアが「イタリアで初めてワインを造った場所」だとして、プーリアの人々は誇りを持っています。
いざ、ワインと料理のマリアージュ!
それでは、お待ちかねのワインと料理のマリアージュです♪
ワインは以下の5アイテムでした。
- Lei vino bianco d’Italia
- PETRANERA 2019
- SOL IGP PUGLIA 2018
- LUI IGP PUGLIA 2018
- COMELUNA IGP PUGLIA 2021
Leiは白ワイン、それ以外が赤ワインというラインナップ。
そして、お料理は片岡シェフ直筆のメニューにそって、片岡シェフの料理説明とともに頂きました。
Leiは、イタリア語で彼女をいう意味で、その名前のイメージどおり、香り華やかな白ワインでした。
6ヵ月樽熟成、新樽由来の香しいバニラ香と、フローラルでフルーティなアロマ。
面白いのは、白ワインですが、「ウーヴァディ・トロイア」という現地の黒ブドウを使用していること。それにヴィオニエとマレスコがブレンドされているのですが、スパイシーで複雑なアロマとどっしりとしたボディはこの黒ブドウに由来するのではないかと思います。
(ルカ・マローニ評価:94点)
続いて、PETRANERAは、プリミティーヴォ100%のワイン。Primo(初めて)が由来のこの品種は、ギリシャから初めて来た品種とされ、プーリアを代表する品種です。濃い赤い色調は、太陽の力を得たタンニン(ポリフェノール)によるものだとおっしゃっていました。豊かな果実味で丸みのある柔らかな質感。成熟したバランスのとれたタンニンがあります。
(ルカ・マローニ評価:93点)
SOLもプリミティーヴォ100%のワインですが、こちらはアルコール度数がなんと15%!樹齢30年の古樹のブドウを使用し、収穫したブドウの一部はフルッタイアと呼ばれるブドウを乾燥させる施設に置かれます。豊かで力強く、長い余韻があり、ふくよかで包み込むようなワイン。このふくよかな口当たりは、高いアルコール度数とブドウ糖の残留物に由来するそうです。
(ルカ・マローニ評価:96点)
LUIは、イタリア語で彼をいう意味。ネロ・ディ・トロイアという、プーリア北部と中部で栽培される最も古く、最も代表的なブドウ品種。プリミティーヴォが赤ベースなのに対し、トロイアは紫ベースの濃い色調です。スパイシーでフルーティなノートと、力強いボディがあります。
(ルカ・マローニ評価:93点)
最後のCOMELUNAは、「お月様、どうでしょう?」という意味。農耕の原点に立ち返り、月とおしゃべりをしながら作るというアルベアの新しい概念のもと生まれたワインです。伝統的なぶどう園を復活させて造っているそうで、こちらもネロ・ディ・トロイアで造られていますが、これまでのワインと印象はガラッとかわります。まろやかで柔らかく、それでいて奥深い、奥行きのある余韻。アルベアの哲学が集約された、有機栽培の月ワインでした。
ルカ・マロー二氏のワインの解説は圧巻で、片岡シェフの素晴らしい料理とのマリアージュに舌鼓しながら、最高のひと時を過ごさせていただきました。
ルカ・マロー二の採点方法
ここで、もう少しルカ・マロー二氏のワイン評価基準について掘り下げて説明しておきましょう。
彼の採点基準は、とても個性的です。
ルカ・マローニ氏のワインの評価方法は、「果実味」と「心地よさ」に重きをおき、
一貫性、バランス、完全性
の3つのカテゴリーに分けてワインを分析します。
(価格に対する価値、生産量に対する品質、手に入りやすさの3項目)
「一貫性(Consistency)」の高いワインは、
色、香り、味わいが豊富で、緻密で粘り気のあるテクスチャーを持っている
としています。
「バランス(Balance)」は、
ワインの甘さ(または丸み)=ワインの酸味+ワインの苦み
という式で表すことができるといいます。
「完全性(Integrity)」は、
心地よい果実味と純度の高さが醸造過程で損なわれていないかをアロマや風味から見る
というものです。
各カテゴリー(それぞれの頭文字でC:B:I)を33点満点で評価し、計99点が最高得点となります。
IP 92~99:滅多に出合えない最高のワイン
IP 82~91:最高のワイン
IP 70~81:評価するべき良質なワイン、
IP 67~69:よい出来のワインとしています。
※75点以上のワインは買うべきワインとしています。
このように五感がものをいうワインを、ルカ・マロー二氏は論理的に客観的に分析し採点します。一見、複雑で難解に思えますが、結果的に評価されるワインは、消費者の立場にたった手頃なコストパフォーマンスに優れたワインであることから、ワインは「価格」だけではないな・・・ということを、私自身考えさせれました。
高評価ワインを一挙ご案内!
ルカマローニ氏から高評価を得ているワインは、ドラジェにも多くあります!
ドラジェ自慢の自社輸入アマローネ
97点獲得(C:33、B:33、I:31)※2017年
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ リオンド 2017 カンティーネ・リオンド ※ヴィンテージが異なる場合があります。
コスパ抜群のリパッソ
94点獲得(C:32、B:31、I:31)※2019年
ヴァルポリチェッラ・リパッソ 2018 カンティーネ・リオンド
2年連続で満点獲得したワイン!
99点獲得(C:33、B:33、I:33)※2017年
ジジーノ 2017 バルバネラ
過去9回イタリアNo.1生産者に選出!
92点獲得(C:29、B:31、I:32)※2021年
トレッビアーノ・ダブルッツオ ファンティーニ [2021] ファルネーゼ
初ヴィンテージで満点獲得!
99点獲得(C:33、B:33、I:33)※2020年
ファンティーニ スリー・ドリーマーズ 2020 ファルネーゼ
最後に
ルカ・マローニ氏解説のメーカーズディナーをキッカケに、評価方法についても調べてみましたが、大変興味深かったです。
高評価ワインは比較的果実味中心なワインが多めですが、リーズナブルに品質のいいワインをお探しの際は、とても参考になると思います!
また、あの独特な採点方法とプロフィール写真から、ちょっと気難しい方なのかな・・・と思っていましたが、お話ししてみたらとっても気さくで、ある意味イタリア人らしい、ユニークで笑顔が素敵な方でした。