ゆるりとソバーキュリアス体験記

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ここ最近、新しいお酒への向き合い方として徐々に注目を集めてきている「ソバーキュリアス」というライフスタイル。ソバ?蕎麦?いえ、蕎麦は関係なく、「お酒を飲めるけどあえて飲まない生き方」を選択する人たちのライフスタイルです!
このコラムは、毎日のお風呂上がりに缶ビール片手に一息し、寝るまでダラダラお酒を飲んでいた生活を脱却するべく、ソバーキュリアスにチャレンジしてみたらどうなったのか、そんな私の3か月をまとめたものです。

ソバーキュリアスとは

フルーツジュースこのコラムを読んで頂けているということは、恐らくどこかで「ソバーキュリアス」という単語を知って検索をするなど、興味を持って頂いているということかと思います。初めにソバーキュリアスの意味から解説していきます。

ソバーキュリアスは2019年ごろから欧米の若者層を中心に広まり始めた言葉と言われています。「ソバー(sober)」はシラフ、「キュリアス(curious)」は好奇心を意味した単語が組み合わさったもので、ソバーキュリアスが指すものとしては、「体質や環境的にお酒を飲むことは出来るけど、あえて飲まないライフスタイル」を追求している人たちと言えるでしょう。お酒を全く飲まなくする、あるいは飲む量を減らすことがソバーキュリアスの行動と言えます。

広まった背景

背景としては、昨今の健康志向の高まりが大きなきっかけとなっていると言われています。日本でもしばしば取り上げられるアルコール依存症の問題。それに伴う身体の不調や生活習慣の乱れは特に欧米で長年問題視されてきました。

それに拍車をかけたのが新型コロナウイルスの影響です。私自身、お酒を消費者に販売をする仕事に携わっておりますが、コロナ禍で飲み会が減り、逆に家飲みの需要がグーンと増えました。それは2020年から2022年頃かけてのネット通販での酒類販売売上の急激な伸びが示しています。飲み会が減り、外でお酒を飲む機会が減る一方、人との付き合いが減る孤独感の中で自宅でダラダラお酒を飲むのが習慣化してしまった人たちが増えたことも要因の一つと言われています。

このままではいけない、そう気づいた人たちが自らを変えるためにたどり着いたライフスタイルの一つが、ソバーキュリアスだったのです。

アルコール中毒

禁酒や断酒との違い

さて、「あえて飲まない生き方」というソバーキュリアスですが、それってつまり「禁酒する」ってことでしょう?と思われる方が多いと思います。私が考えるソバーキュリアスと禁酒・断酒との違いは、お酒を飲まないことをポジティブにとらえるか否かという部分です。

考え方はいろいろありますが、「お酒を飲みたいけど我慢する」のが禁酒であり、「お酒を飲まないことでのメリットを得る」のがソバーキュリアスだと私は考えています。

やっていることは大きく変わらないのですが、我慢というスタンスで禁酒を続けるよりも、ソバーキュリアスでのメリットを得て人生をより豊かにしていくことを目的とした方がより長く続けることができるでしょう。尚、得られるメリットは実体験として後述しています。

また、私が取り入れたソバーキュリアスは「飲みたいときはたまに飲む」を採用しました。それは、ソバーキュリアスでの目的の一つとしてストレスを感じない生活を送るということがある為です。根っからのお酒好きの私としては、一切飲まないのは逆にストレスになると思ったのです。これに関しては賛否が分かれるところですが、今回はタイトルの通り「ゆるりとソバーキュリアス」を行ってみましたので、次の章にその経過を書いていきます。

ソバーキュリアス体験記

さて、まず私ですが、前述の通り仕事がお酒関係ということもあり、お酒は大好きです。仕事上、お酒の説明や提案はもちろん、試飲会や展示会への参加も頻繁にあります。仕事以外でも、家に帰ればお風呂上がりにビールやスパークリングワインを飲み、ご飯を食べたらその後は寝るまで映画やドラマを見ながらダラダラと晩酌…。ワインはもちろん、夏はハイボール、冬は熱燗を飲むのが習慣でした。時には一晩で日本酒5合くらいを普通に飲んでいた時もありました。

若い時はそれでも全然平気だったのですが、30代に入った辺りから朝がつらい…。頭が重く、午前中はボーっとしてしまうこともあり、よく眠れていないせいか眠気が襲うこともしばしば。それでも日常的な飲酒は続けてしまっていました。

そんなある時、知人から「ソバーキュリアスが最近流行っているらしい」と聞き、調べてみました。ソバーキュリアスのことを知る内に、これを実際にやってみたらどんな変化があるんだろうと興味を示したのが、私のソバーキュリアス体験の始まりでした。

3か月間のソバーキュリアス体験

カレンダー

・2023年2月上旬

ソバーキュリアススタート。前の晩に飲んだ缶ビールを最後に冷蔵庫からお酒が無くなりました。まずはお酒が近くに一切ないという物理的な制限をかけたのです。

・スタートから3日目

最初の変化を感じたのは、お酒を飲まなくなってから3日目の朝。まだ寒い冬の朝でしたが、朝の目覚めの感じがいつもと違いました。頭の重さがなくなり、布団から出て日差しをいっぱいに浴びたとたんに眠気がスーっと抜けていくような感じを受けたのです。

・5日目

5日目頃から、夜にお酒を飲まないという日常が当たり前に感じるようになりました。普段、仕事から帰って21時過ぎからはお酒と一緒にダラダラテレビを見て過ごしていた時間は、温かいお茶を飲みながら静かに本を読む時間に変化していました。

・7日目

スタートして1週間。頭のだるさは一切なくなり、身体がかなり軽くなってきたことを実感。私は普段、週2日はジムに行っているのですが、トレーニング後の筋肉痛が治るのが早くなってきたように感じたのもこの頃からです。

・10日目

この頃から、昼間の眠気に襲われることが無くなりました。以前は就寝中、夜中に何度か起きてしまっていたのですが、それもなくなり朝まで熟睡する出来るようになったからだと思います。明らかに睡眠の質が向上しました。

・14日目

この日は仕事でお酒の展示会に参加した為、2週間振りにお酒を身体に入れました。久しぶりに飲んだのがウイスキーということもあり(しかもストレート)、夜は体調を壊してしまいました 笑。

・25日目

この日は久々に友人と会った為、普通に飲みました。量は以前より少なかったですが、その分ちょっと良いお酒を選びました。

とまあこんな感じでソバーキュリアスをゆるりと初めてみたわけですが、スタートしてから3か月ほど経った今でも、続けられています!(たまに飲みますが)

ソバーキュリアスを始めた結果、自分に起きた変化とは?

朝日を浴びる人

さてソバーキュリアスを始めてから約3か月。自分の中にどんな変化が起きたのかをまとめてみました。

日々の過ごし方の変化

ソバーキュリアスを始めて、一番大きく変わったのがこれです。ダラダラお酒を飲んで過ごしていた夜の時間を、本を読んだりストレッチや趣味の時間に充てることが出来ました。恥ずかしながら、普段本を読むという習慣がほとんど無かった私ですが、2月からの3か月間で読んだ本は少なくとも20冊程。ワインの勉強のための本やビジネス書、自己啓発書などジャンルは様々ですが、面白い本にも出会えました。大事なのは数ではないですが、夜の習慣が大きく変ったことに自分でも驚いています。

健康への意識

ビールに合うのが揚げ物や味の濃い系の料理。お酒を飲んでいるとどうしても食べるものが偏ってしまいます。わかっちゃいるけどやめられない料理が、お酒に合うんです 笑。それが、お酒の量を減らしてからは野菜を今までより多く摂ることを自然と意識するようになり、飲み物は緑茶に代わり、フルーツも積極的に食べるようになりました。

身体の変化

2月の初旬に体組成計で測った数値から、この3か月での変化を見てみました(私は週2日ジムに行っていることを前提に話します)。

体重は約1キロ減。これはあまり変化はありませんでしたが、体脂肪率でみると3%減!肥満度も約1%程減らすことに成功しました!その他、内臓脂肪レベルの減少や基礎代謝量の増加など、身体の変化が数値として明らかになりました。お腹周りも、劇的ではないですが少しだけスリムになったと実感しています。

ソバーキュリアスを始めて、得たものとは?

お金と時間

お酒の量を減らすということは、もちろんお酒を買わなくなるのですからその分のお金は確実に節約できます。私も月に数千円ですがお金が浮き、それを本の購入代や趣味に充てることが出来ました。

また、ダラダラお酒を飲んで過ごしていた時間を別の目的に充てることが出来るので、夜の過ごし方がガラッと変わります。もちろん睡眠時間も増えます。今後はこの時間を資格取得の勉強時間に充てていくことも考えています。

ストレスを抱えない生き方

ソバーキュリアスを行うことの目的の一つとして、前述の通り「ストレスを抱えないように生きる」というものがあります。仕事の悩みや人間関係の悩み、身体の悩みと様々なストレスが溢れている世の中ですが、私はまず身体の調子を整えることが、ストレスからの解放の第一歩だと考えました。

身体の疲れが取れない、だるい、身体が重いなどの不調を抱えながら豊かな日常を送ることはなかなかつらいことです。仕事に集中できずミスが増え、それがまたストレスになり酒をあおる。そんな負のルーティーンから抜け出すことでより充実した毎日を過ごしていけるのです。

ソバーキュリアスを始めて、明らかに身体の調子は良くなり、日中を清々しい気持ちで過ごすことの素晴らしさを実感しました。睡眠の質が向上したことも大きいと思います。

これからもソバーキュリアスを続けていくために

自分なりのソバーキュリアス

私はお酒が大好きな人間です。お酒を飲むのはもちろんですが、お酒を仲間と共に楽しむ時間を過ごすことが大好きなのです。

そんな中で始めたソバーキュリアス。本当に厳格なソバキュリアンの方だと、お酒は一切飲まないのが本来のあり方だと仰るかもしれないですが、私は自分なりのお酒との付き合い方を見つけました。

それはいかにメリハリをもってお酒を楽しむかということ。私自身、ソバーキュリアスを始めたとは言え、お酒はたまに飲みます。例えば、大切な友人と久々に会うとき。そういう時はノンアルコールで!ではなく、今まで通りお酒を楽しみます。

WBCで日本が優勝した時も祝杯を挙げましたし、ずっと楽しみにしていた映画をゆっくりと見たい時などはお酒を飲みます。ただその時はちょっと良いお酒を選び、料理には思いっきりこだわって楽しむようにしています。

続けていくコツとは?

私は前述のやり方を取り入れた結果、毎日飲んでいたお酒が今では2週間に1回飲むか飲まないかという生活習慣に変わりました。過去の自分と比べると驚きの変化だと思っています。その代わり、久々に飲むときはただ酔うために飲むのではなく、純粋にお酒を楽しむことに妥協しないと決めています。発泡酒を否定するわけではないですが、毎日の150円の発泡酒より週1回の250円の生ビールの方が絶対に美味しく楽しめますし、コスパも高いと思っています 笑!

ただし、もし本格的にアルコールを断ちたいと考えている方には私のやり方はお勧めしません。たまに飲むではなく自分の生活環境からお酒を一切排除し、飲みに行ってもノンアルコールで楽しめるくらい厳格にやらないとその目的は達成できないでしょう。

ノンアルコールワインから始めてみる!

さてここで、お酒は飲まないけど飲んでいる雰囲気は味わいたいという方へ、今注目のノンアルコールワインを紹介いたします。

ワイン大国フランスで、最も売れているノンアルコールワイン!

ノンアルコールワイン

フランスNO.1のノンアルコールワイン ボン・ヌーヴェル クラシック ノンアルコールワイン

1988年、まだノンアルコール飲料がそこまで浸透していなかった時代に、フランスの政府機関である国立農業研究所と共同開発により、ワインの味、香りを保ちつつ、アルコール分を除去して造られたのが、「ボン・ヌーヴェル」です。

ボン・ヌーヴェルは、脱アルコール製法を採用しており、 アルコール分だけを取り除き、もともと持っているワインのアロマ、ビタミン、ポリフェノール、味わいなどはそのままなので「ほぼワイン」として楽しめるノンアルコール飲料です。

脱アルコール製法とは、通常どおりの製法でワインを造ってからアルコール成分だけを除去する方法です。よくあるノンアルコールワインは、本来のワインの造り方ではなく、香料や人口甘味料等で風味けしワインの味に近づけたものが多いので、ボンヌーヴェルはよりワインに近づけたノンアルコールワインと言えるでしょう。インターネットで簡単購入が出来るので、気になる方は是非一度試してみて下さい。

結びに

希望を持って飛ぶ人

今回は、私自身が実際に経験したソバーキュリアス体験をお話して参りました。健康と豊かな生活を送ることを目的としたソバーキュリアスですが、実際にやってみると想像以上に得られるものが多くありました。

お酒を販売している人間がいうのも非常に矛盾しているのですが、お酒と長く上手に付き合っていくのであれば、やはり健康が第一です。ただダラダラ飲むのではなく、「普段はあまり飲まないけど、たまに美味しいお酒をじっくり楽しむ。」こんなスタイルで続けてみると新しい発見があるかもしれません。私は3か月続けてみましたが、恐らくもう以前の自分に戻ることは無いでしょう。自分らしいソバーキュリアスの考え方で、心も体も質の良い生活を送っていきたいと思っております。

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