樽香って何?今さら聞けないワインのあれこれ。

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ワインを飲んで語らう時に、
「“たるこう”が感じられて~」
「“たるこう”のバランスがよくて~」
なんて言葉を聞きませんか?

たるこう、タルコー、TARUKO??

よく使う言葉だけど、実際はよく分からずに使っていたり、よく分からないから軽々しく使えなかったり・・・

そんなワイン用語の一つだったりしませんか?

ということで、今さら聞けないワイン用語!

「たるこう=樽香」

について、ソムリエが詳しく解説していきます。

樽香とは?

樽香とは、その名の通りワインから感じられる樽の香りのこと。

ワインを醸造する際に、「熟成」という過程を踏むのですが、ワインは液体なので何か「器」に入れて熟成しなければなりません。

その器にはステンレスやコンクリートなどもありますが、その一つに「木樽」で熟成させる方法があります。(「樽熟ワイン」なんて言葉もよく耳にしますが、樽で熟成したワインのことなんです。)

木樽とワインが接触することで樽由来の香り成分がワインの香り成分と反応しワインから樽香がする、という訳です。

樽香と言われる木樽由来の香りで代表的なものは、

・ヴァニラ
・ココナッツ
・コーヒー
・チョコレート
・キャラメル
・燻製
・タール
・ヘーゼルナッツ
・ロースト
・トーストの香り

などがあります。

これが複数感じられることもあれば、単体で強く感じられることもあり、ひとえに樽香と言っても多種多様なのです。

それではなぜ皆がワインを飲む時に、樽香があるだ、ないだと語るのでしょうか?

それは、樽香がある=木樽で熟成するとワインの風味が大きく変わるからです。

木樽熟成の効果

木樽で熟成させることで得られる効果はいくつかあります。

一つは前述したとおり、ワインに樽香がつくこと。

様々な種類の香とワインがもっているアロマ成分とが重なり合い、ブーケとなって豊かな香りの束を作り上げることができます。ですので一般的に、樽香のワインというのは風味豊かで複雑なアロマをもったワインになります。

もう一つは、酸化による効果です。

木樽はステンレスタンクと違い、完全に密閉されている訳ではありません。木目の間から空気を少しだけ通すため、極少量の酸素がワインに送り込まれ、ゆっくり時間をかけて酸化していきます。これによりワインは丸みを帯び、複雑でうまみのある味わいへと変化していきます。

それとは対照的に、あえて急激に酸素に触れさせることで(酸化熟成)生まれるジュラ地方のヴァン・ジョーヌや一部の酒精強化ワインなどには、樽香ではなく「クルミ」を思わせる特徴的な酸化熟成の香りが出現します。

ちなみに木樽熟成できるワインの条件として、樽に負けないアロマと成熟度の高さが必要になります。陳腐なワインでは、樽香ばかりが強調されワイン本来の香りがしなかったり、酸化に負けて風味が抜け落ちてしまいます。

また、フレッシュでフルーティな味わいが魅力のワインを木樽熟成してしまうと酸化によってフレッシュさが損なわれてしまうため、造り手が意図的に樽熟成を選択しない場合もあります。

つまり樽香の感じられるワインとは、「香り豊かでボディがしっかりしているワイン」ということになります。

木樽の種類

木樽はオーク(ブナの木)という木材が使われます。

このオークを使ったワイン樽のうち代表的なのが、フランス産のフレンチオークとアメリカ産のアメリカンオークです。

■フレンチオーク
ヴァニラの香りが特徴で、それにデザートを思わせるキャラメルの甘やかな香りや、胡椒、クローヴなどのスパイスの香りが混ざり合っています。
フランスの中でもトロンセの森のオークは、木目が細かく評価が高いです。その他、木目が粗いリムザンオーク、タンニンが多いアリエオークなどがあります。

■アメリカンオーク
ホワイトオークとも呼ばれる素材で、タバコ、シダーウッド、サンダルウッドのアロマを放ちます。またココナッツの甘い香りが特徴的。フレンチオークに比べると半値くらいの価格で購入できます。

また、ワインの中にオークチップ(オークのおがくず)を入れて漬けることで木樽の風味をワインにまとわせる方法もあります。安価に樽香ワインをつくる荒業ではありますが、フランスの原産地呼称認定を受けたワインではこの方法は禁止されています。

新樽比率とは?

木樽熟成についてもう一つ押さえておきたいのが、「新樽」なのか「古樽」なのかです。

新樽とはその名の通り未使用の新しい木樽のことで、2年目以上は古樽と呼ばれます。

オーク樽は使い捨てではなく洗浄して繰り返し使われますが、新樽の方が樽の成分がワインに多く抽出されるので、新樽ならではの風味豊かな香りがワインに付きます。当たり前ですが、新樽を使用できるのは1度きりなのでワインの値段も必然的に高くなります。

つまり新樽比率とは、熟成に使用する樽の中で新樽を使用した割合のことをいうのです。

ちなみに・・・ドミニク・ローランというブルゴーニュの生産者が「新樽200%のワイン」をリリースし一時話題になりました。新樽200%?と目を疑うようなキャッチフレーズですが、カラクリはこうです。新樽で熟成されていたワインを買い付けてきて、また別の新樽で樽熟成させたワインのこと。これが「新樽200%」と評価され、かの有名なロバート・パーカーから大絶賛されました。

また、樽熟成の「期間」も重要です。樽との接触期間が長ければ長いほど木樽由来のアロマ抽出と酸化が進むからです。

新樽をどのくらいの比率で使うのか、そしてどのくらいの期間熟成させるのかによってワインの風味や個性、そして値段も大きく左右されるため、造り手たちの意向が強く反映されるプロセスでもあります。

最後に・・・

世界的ワイン評論家ロバート・パーカーが樽香ワインが好きで、一時期樽香ワインが高く評価され人気を博した時期もありました。そかし現在はそのブームも落ち着き、樽の香りはほどほどに、ミネラル香豊かなエレガントなワインの方が人気な傾向にあります。

好みが分かれるところではありますが、「樽香」ワインに出会った時は、ワインを検索してテクニカルデータを見るのも面白いと思います。

しっかり造りこまれたワインであればあるほど、テクニカルデータに新樽比率や熟成期間などが詳しく書かれている場合が多いです。今のあなたなら、テクニカルデータから造り手がどのようなワインを造りたかったのか、その造り手の思いをくみ取ることができるはずです。

バックグラウンドに思いを馳せながら樽香ワインを飲めば、ついつい「樽香が~」と語りたくなってしまうのかもしれませんね。

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