まるで小さなキャンバス!?アートで個性的なラベルデザインのワイン10選!

  • LINEで送る
アートなラベルのワインの画像

皆さんが普段ワインを選ぶときに、何気なく見ている「ワインラベル」。

ワインのラベルには、生産地や味わい、ヴィンテージなど、そのワインを判別するためのあらゆる情報が詰まっています。

その情報をもとに、自分の求めているワインを探すことが多いですよね。

または、全然知らないワインだけどラベルがおしゃれだから手に取ってみた!なんてこともあるでしょうか。

最近では、単にワインの情報を表示するだけでなく、そのワインが持つ魅力を伝える手段として様々な表現やアートを取り入れたラベルが増えてきました。

今回は、そんなワインラベルにまつわるあれこれや、目で見て楽しめるおしゃれでアートなラベルデザインのワインについてご紹介したいと思います!

ワインラベルについて

陳列したボトルの画像

ワインラベルとは?

ワインの表面に貼られているシールのことを、ラベルもしくはエチケットと呼びます。ラベル(label)は英語表記、エチケット(etiquette)はフランス語表記で、意味合いとしては同じですね。

エチケットには「礼儀・作法」という意味があり、その昔フランスで宮廷に入る際に、守るべきことやお礼、決まりごとなどを貼り付けた札やその作法のことを「エチケット」と呼んでいました。そこから派生して、ワインに貼り付ける紙のこともエチケットと呼ぶようになったという説があります。(諸説あります)

ワイン業界のプロやソムリエなどは「エチケット」と呼ぶことが多いようですが、ここでは一般的に普及している「ラベル」という呼び方でお話していきたいと思います。

ワインのラベルに書かれていること

ラベルには、そのワインについてのあらゆる情報が網羅されています。

ワイン法や規定は国によって様々なので、多少の差はありますが、多くのワインラベルには、

・ワイン自体の名前
・生産者/ワイナリー名
・生産地(国/地域/畑)
・ブドウ品種
・生産年
・アルコール度数
・容量

などの情報が記載されています。

お店に大量に並んだワインの中から、どうやって好みのワインを探せばいいかわからない…という人もいるかも知れません。しかし、ワインラベルの見方がわかると、そのワインがどういった場所で、いつ造られたのかなどの情報を読み取れるようになり、ワインを選びやすくなります。

ワインラベルのデザインについて

デザインする様子の画像

ワインのラベルのデザインは、生産地域によって傾向が異なります。

フランスやイタリアなど『旧世界』と称される地域のワインでは、伝統的なクラシックデザインのラベルが多く見られます。ワインの名前や生産者名が美しいフォントで整然と並んでいるデザインで、「ワインラベル」と聞くと多くの人はこのタイプのラベルを想像するかもしれません。

伝統的ラベルデザインの画像


対して『新世界』と呼ばれるニューワールドのワインラベルは、旧世界に比べると端的でモダン、わかりやすいデザインのものが多いです。ブドウの品種を明確に記していることも多く、初心者でも読みやすいラベルは新世界のワインであることが多いです。

ニューワールドのラベル例の画像

ボトルの形状から大まかな産地が分かるものもありますが、ラベルがない状態のワインを、ボトルの外観だけで完璧にどういったワインなのか見分けることはかなり難しいです。それくらい、ワインラベルとはそのワインを識別するために重要なパーツなのです。

逆に言えば、必要な情報がきちんと記載されてさえいれば、ラベルの色や形、モチーフなどに決まりはなく、デザインは完全に自由!
各生産者がそのワインの魅力を好きなように表現できるのです。

ラベルデザインがおしゃれなワイン10選

筆者は、アートやデザインなど芸術系分野全般が好きなので、お店や飲食店でラベルが特徴的なワインを見つけるとテンションが上がります。ここからは、そんな私が選んだアートで個性的なラベルデザインのワインをご紹介したいと思います!

アートラベルが有名なプレステージ系ワイン

偉大な格付けワイン シャトー・ムートン・ロートシルト

シャトー・ムートンの画像

シャトー・ムートン・ロートシルト  /  Chateau Mouton Rothschild

言わずとしれたフランス5大シャトーの一つ、「シャトー・ムートン・ロートシルト」。ムートンのラベルのアートワークには、1945年から毎ヴィンテージごとに有名作家や著名人の作品が採用されています。その歴史を辿ると、ミロ、シャガール、ピカソ、ダリ、英国チャールズ皇太子…など数々の巨匠アーティストが名を連ねます。何を表現するかは完全にアーティストの自由となっていますが、ブドウやワインを飲む歓び、ムートンのシンボルである牡羊などをモチーフにした作品が多く見られます。

女性のイラストがトレードマーク レ・ペルゴーレ・トルテ

レ・ペルゴーレ・トルテの画像レ・ペルゴーレ・トルテ / モンテヴェルティーネ
Le Pergole Torte / Montevertine

イタリア・トスカーナでサンジョベーゼ100%の究極のI.G.Tワインを造るスーパータスカンの元祖「レ・ペルゴーレ・トルテ」。女性の顔のイラストラベルは毎年デザインが変わり、コレクター垂涎のワインとして有名です。
実はリリース当初は12本入り箱のうちの3本だけを女性の顔ラベルにしていたそうですが、市場では顔ラベルだけが高く売られてしまったため、1988年から全てのボトルを顔ラベルに変更したという逸話が。デザインは創業者セルジオの友人の画家、アルベルト・マンフレディが手掛けています。

コレクター垂涎のアイテム! オルネライア アート・ラベル

オルネライアの画像

オルネライア アート・ラベル / テヌータ・デル・オルネライア
Ornellaia Art Label / Tenuta dell Ornellaia

イタリアのスーパータスカンの一つ「オルネライア」。
2009年から著名なアーティストを起用したラベルプロジェクト「ヴェンデミア・ダルティスタ」をスタートさせました。最高醸造責任者であるアクセル・ハインツ氏がその年のワインの特徴を一語で表現し、それを現代美術家がアート作品に昇華。特別ラベルとして限定リリースされます。
さらに、アート・ラベルは毎年チャリティーオークションに出品され、収益金はすべて慈善事業の団体に寄付されています。


ファション界も注目するアートワーク! ドン・ペリニヨン

ドンペリの画像ドン・ペリニヨン ロゼ レニー・クラヴィッツ
Dom Perignon / Lenny Kravitz

シャンパーニュの王様「ドン・ペリニヨン」。
毎年、旬のアーティストとのコラボデザインを発表し話題となっています。
過去には、日本人デザイナー吉岡徳仁とコラボしたことも。
昨年はアーティストのレニー・クラヴィッツとのコラボで、メタリックなデザインボトルがリリースされました。
2021年には、レディー・ガガとのコラボも発表されています。
偉大なシャンパーニュと世界的アーティストとのコラボプロジェクトはワイン業界だけでなくファッション業界からも注目を集めています。

 

ここまでに紹介したワインたちのラベルは、どれもアーティスティックでおしゃれ!だけどとっても高価…(涙)なかなか気軽に買えるものではないですよね。

というわけで、ここからはより手に取りやすくジャケ買いやギフトセレクトのシーンでも使いたくなるような、おしゃれなラベルのワインをご紹介したいと思います!

手に取りやすいアートラベルワイン

情熱のイタリアから アヴァンポスティ ピノ・ネロ

アヴァンポスティの画像アヴァンポスティ ピノ・ネロ / イル・カシノネ
Avamposti Pinot Nero / Il Cascinone

北イタリア、ピエモンテの地でピノ・ネロから造られるワインがこの「アヴァンポスティ ピノ・ネロ」。深みのある朱色とバラのイラストに、ポップに並んだ グリーンのドットのラベルがキャッチーで目を引きます。ブルピノとはまた違ったスパイシーな味わいを表現したデザインとなっていて、イタリアの情熱が感じられるアートラベルですね!

猫の頭がゴロゴロ? マチュー・コスト

マチューコストの画像コトー・ド・ジェノワ レ・テット・ド・シャ  /  マチュー・コスト
Coteaux du Giennois Rouge Les Tetes de Chats / Mathieu Costed

独特なタッチで描かれるネコのイラストが印象的なラベルのワイン「マチュー・コスト コトー・ド・ジェノワ レ・テット・ド・シャ」。
「Les Tetes de Chats(猫の頭)」というキュヴェの名前は、その昔この畑で猫の頭の形をした石がごろごろと見つかったことからついたそう。実はマチュー自身も大の猫好きとのことで、こういったデザインにしたのも頷けます。ちなみに、マチューは宮崎駿監督の大ファンであり、お気に入りのキャラクターは「猫バス」!

 

スタジオジブリとコラボ!ルー・デュモン・キュヴェ・ファミーユ

ルー・デュモンの画像

ブルゴーニュ・ブラン キュヴェ・ファミーユ  /  ルー・デュモン
Bourgogne Blanc Cuvee Famille / Lou Dumont

ルー・デュモンの仲田晃司氏とスタジオジブリがコラボした「キュヴェ・ファミーユ」。ルー・デュモンを創業して10年の区切りに、仲田氏から家族への感謝を込めて造られた特別なキュヴェです。実は仲田氏がスタジオジブリの大ファンであることから実現したコラボ企画。ラベルには、宮崎駿監督の次男である版画家・宮崎敬介氏の木版画を採用。幻想的で雰囲気のあるラベルになっています。

踊りだしそうなポップデザイン バーレスク

バーレスクの画像

バーレスク ジンファンデル /   ブティノ アメリカ
Burlesque Zinfandel / Boutinot

昔の映画ポスターのような、印象的なイラストが描かれたワイン「バーレスク」。スポットライトを浴びる演者が際立つラベルは、ドラマティックでモダン。そんなラベルを通じて、カリフォルニア産ジンファンデルの旨味がダイレクトに感じられる親しみやすい味わいをストレートに表現しています!

先住民族の伝統文様を取り入れた モコ・ブラック

モコ・ブラックの画像

モコブラック ピノ・ノワール 2018 ブティノ ニュージーランド
Moko black Piont noir / Boutinot

ニュージーランドの先住民族マオリ族。彼らのシンボルとも言える渦巻と曲線を複雑に組み合わせたタトゥー(モコ)をラベルに使っているのがこの「モコ・ブラック」シリーズ。モコのデザインは、それぞれの家筋や集団によって少しずつ模様が異なるそうです。日本で言うところの家紋に近いような感じでしょうか。
ニュージーランドらしい、アロマティックでジューシーな味わいです。

不完全であるからこその美 ワビ・サビ

ワビサビの画像ワビ・サビ ZW ナンバー1
ZW no1 / Wabi-Sabi

オーストリアから自然派ワインの普及プロジェクトとしてリリースされたのが、この「ワビ・サビ」シリーズ。ワインを生き物としてとらえ、『不完全であるからこそ美しい』と考えるこのプロジェクトのコンセプトに沿ってデザインされました。印画紙にインクを滴下して描かれた幾何学模様は、偶発的にできたもので二度と再現できないとのこと。細胞のようでもあり宇宙にも見えるラベルのデザインは、自然と共生しようとする姿勢を感じさせると同時に、どことなく哲学的です。

ラベルデザインでワインを選ぶのもアリ!

並んだボトルの画像
ここまで、筆者オススメのラベルデザインのワインをご紹介してきました。
どうでしたでしょうか。皆さん気になるラベルのワインはありましたでしょうか?

ワインを選ぶとき、味わいや産地、予算などで選ぶことが多いと思いますが、音楽ショップでレコードやCDをジャケットで選んで手にとるように(今やレコードどころかCDを買う人もだいぶ減ってしまったとは思いますが…)ラベルデザインに惹かれてワインを選ぶのも全然アリだと思います。

これはあくまでも個人的な見解ではありますが、ラベルデザインが好みのワインは、味わいも好みであることがよくあります(個人差はあります)

溢れるほどの情報にまみれた現代において、たまには余計な情報を捨てて、インスピレーションのみでワインを選んでみるのも、楽しいのではないかと思います。

気に入ったラベルのワインを保存してみよう!

ラベルを集める画像

せっかく買ったお気に入りのラベルのワイン、中身を飲みきったからと言ってすぐにボトルを捨ててしまうのはもったいない…そう思ったあなた。もうすっかりワインラベル愛好家の仲間入りです。ぜひ、ラベルの保存に挑戦してみましょう!

お気に入りのラベルを残すには、大きく分けて3通りの方法があります。

  1. ラベルを剥がして保存する
  2. ボトルごと保存する
  3. 写真に撮って保存する

ラベルを剥がして保存する

ラベルの画像

ワインショップに行くと、ラベルコレクターというキットがあるのを見たことがある方もいると思います。ラベルの上から透明なシートを貼りつけ、シートをしっかりとこすって密着させてからゆっくりと剥がすと、ラベルを傷つけることなくきれいに保存することができる優れものです。専用のアルバムに保存すれば、立派なラベルコレクションの出来上がり!


難点は、慣れるまでは剥がす作業が少し手間なことと、シートの費用がかかることでしょうか。本格的にラベルを集めてみたい!という方におすすめの方法です。

ボトルごと保存する

飾ったボトルの画像

バルやワインバーなどで、壁一面にずらりとワインボトルを並べているお店、多いですよね。お店ほど大量に並べなくても、飲み終わって空になったボトルをすすいでお部屋に置くだけで、立派なインテリアになります!

絵やポストカードを飾るように、気軽に実践できます。特に難しい作業もないので、初心者の方におすすめの方法です。
さらに、アレンジとしてボトルを花瓶代わりにしてお花や観葉植物などを生けてみるのもオススメです。

写真に撮って保存する

スマホで撮影する画像

いまやスマホや携帯電話の普及によって、写真を取ることは日常的な当たり前の行動となりました。お持ちのスマホやケータイでラベルをカシャッと撮影してデータを保存していけば、簡単にデジタルラベルアルバムが出来上がります。でも、日々大量に増えていく写真たち。あっという間にカメラロールに埋もれていってしまいますよね…そんなときにオススメなのが、ラベル撮影に特化したアプリです。


そこでオススメなのが、「Vivino」というアプリ。
このVivino、単にラベルの写真を保存できるだけでなく、撮影したラベルからそのワインの情報を読み取って詳細に教えてくれる、なんとも便利で画期的なアプリなのです!
さらに、写真と一緒に自分なりの味わいの評価やテイスティングコメントも入力可能。ラベルだけでなく、ワインそのものをアルバムに残すように保存することができます。

おわりに

おしゃれラベルを並べた画像
いかがでしたでしょうか。
普段何気なく見ているワインラベルですが、注目して見てみると、オシャレなもの、ユニークなもの、美しいものなど個性的なデザインのラベルがたくさんあります。ワインラベルはワインの顔であり、言わば小さなキャンバス。造り手のワインに対する想いや愛情がこもった作品と言えるかもしれません。

ワインショップに立ち寄った際にはぜひ(もちろんネットショップでも!)ワインを選ぶ決め手の一つとしてラベルデザインにも興味を向けてもらえたら、嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

人気の記事

コメントを残す

*