珍ワインがあなたの常識を覆す!?世界の珍しいワイン13選!

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ぐるぐるするワイン

皆様はワインを選ぶときに、何を基準に選んでいますでしょうか?

価格、産地、種類、ブランド、味わい…、様々ありますよね。そこで一つお聞きしますが、ワインを知れば知るほど、ワインに対する固定概念が強くなってしまっていませんか?

この産地のワインは絶対これ!この種類のワインは、こういう作り方をしているのが当たり前だ!などなど…。実は筆者もそうです。

そこで少しだけ世界に目を向けてみると、実はあるんです、常識を覆すような珍ワインが!

今回は、そんな珍しいワインたちを、その理由もご説明しながらご紹介!もちろん、ぜーんぶ当店で手に入るワインたちですよ!

何をもって珍なのか?

勉強の画像

筆者がソムリエ試験を受けるべく勉強していた時、まずは基本をということで教科書に載っているワインの世界基準を必死に覚えた記憶があります。いわゆる原産地呼称制度などですね。

しかし、実際に当店で取り扱う約7000アイテムのワインに触れていると、その「基準」や「常識」を覆されることが非常に多くあるんです。

えっ、この地域でこの品種造っているの??とか、

このワインってこんな面白いエピソードから生まれたワインなんだ!

など、様々な「珍ワイン」が存在するんです。ワインの世界は本当に奥深いですね。

この記事では、何をもって珍なのかをカテゴリー分けして、いくつかご紹介していきたいと思います!

品種が珍!なワイン

ブドウの画像

世界中に様々なワイン用ブドウの品種があり、まだまだ私たちの知らないブドウも沢山あるでしょう。そこで、ちょっと変わった品種のワインをご紹介します。

世界一酸っぱい!?オーストリアのロゼワイン

シルヒャー

シルヒャー クラシック ラングマン ロゼ 
Schilcher Klassik / Langmann

まず最初にご紹介するのは、「ブラウアー・ヴィルトバッハー品種」と呼ばれるブドウです。近年熱い注目を集めるワイン産地オーストリアで造られる、超個性派ワイン「シルヒャー」を生み出します。シルヒャーの何が個性的かというと、その別名が「世界一酸っぱいロゼワイン」!一口飲めばその表現も大いに納得、強烈なまでの酸味が抜群のインパクトを誇るワインで、他では類を見ないまさに独創的スタイルです。

このブドウは、普通に醸造すれば長期熟成向きの赤ワインとなるブドウなのですが、敢えて未熟なうちに収穫することで、豊富な酸を活かしたワインになるんです。夏にはよく冷やして飲むと、さらに爽快感を上げて楽しむことができますよ!因みに日本での流通量はそこまで多くはないので、そういった珍しさもあるかもしれませんね。

因みにシルヒャーにはスパークリングワインも存在します!

シルヒャースパークリング

シルヒャー ゼクト ブリュット ラングマン ロゼ 
Schilcher Sekt Brut / Langmann 

シルヒャーならではのシャープな酸味が、清涼感のある泡をより爽快に演出してくれますよ。

あの高級ブドウ品種シャインマスカットのワイン!?

レインドロップス

レインドロップス シャインマスカット 180ml アルプスワイン 白 
Raindrops Shine Musucut / Alps Wine

たまにスーパーなどで見かける、シャインマスカット。普通の食用ブドウより段違いに高く、スーパーでの相場は一房約2000円~3000円と言われています。そんな高級品種シャインマスカットを贅沢にもワインにしちゃったのが、このレインドロップスです。

手掛けるのは山梨県にある家族経営のワイナリー。まるでシャインマスカットをほおばったような果実味が特徴で、みずみずしくジューシー!日本国内でもシャインマスカットを使ったワインは数えられる程度しかなく、生産量も非常に少なく珍しいのです。ギフトとしても最適な、甘口シャインマスカットワインを是非一度お試し下さい!

カベルネ・ソーヴィニョン100%の、白ワイン!?

ホワイトキャブ

ザ・ホワイト・キャブ カベルネソーヴィニヨンアサラ・ワインエステート 白 
The White Cab Cabenet Sauvignon  / Asara Wine Estate 

世界中で栽培される国際品種「カベルネ・ソーヴィニョン」。赤ワイン用品種の中でも、最もポピュラーな品種として知られていますね。若いうちはしっかりしたタンニンが楽しめるほか、熟成させることで非常に優美で複雑な風味が生まれるワインを造ります。つまり、普通は赤ワインを造るための品種なんです。しかし、南アフリカから届いたこのワインは、白!見た目も完全に白ワインです。

生産しているのは、南アフリカのアサラワインエステート。設立から330年の歴史を誇る老舗ワイナリーです。このワインは色素の抽出を極力避けるために、破砕したブドウを圧搾せずに自然に抽出した果汁だけを使用。果実全体のわずか半分の果汁のみが使用されます。

ハーブや青草などの、まるでソーヴィニョン・ブランを連想させるような清涼感が特徴。豊かな果実味に酸味、後に残るミネラル感と、各要素のバランスも整っており、コクがしっかりとある白ワインでありつつ、新大陸とは思えないようなエレガントさも持ち合わせたワインに仕上がっています!

作り方が珍!なワイン

あの超偉大なワインの古樽で熟成!?

バンドール

バンドール キュベ・インディア デュペレ・バレラ 赤 
Bandol Cuvee India / Dupere Barrera

フランス南部にあるちょっとマイナーな産地バンドールから、凄い育て方をされたワインをご紹介。バンドールのワインは、古くからムールヴェードルを使用した力強い長熟系のワインを生み出しているのですが、このワインで特筆すべき点はその造られ方!なんとあのロマネ・コンティと、シャトー・ディケムという世界最高級ワインに使われた古樽を使って熟成させたんです!3分の1をロマネコンティ樽、3分の1をディケム樽、残りを新樽で2年間熟成し、ブレンド。こんな贅沢なワインは他にありません!あの3つ星シェフのアラン・デュカスも気に入った一本でもあり、当店でも大人気のワインです。

D.O.C.Gガヴィを名乗る、スプマンテ!?

ガヴィ・スプマンテ

ガヴィ・メトード・クラシコ ブリュット ラ・バッティスティーナ 白 
Gavi Metodo Classico Brut / La Battistina

続いてはイタリアから、ピエモンテ州の白ワイン「ガヴィ」の珍ワイン。非常にミネラルで魚介に合う白ワインとして知られていますが、実はガヴィのスプマンテを見つけちゃいました!ガヴィってスプマンテ造れるんですね…。実際にソムリエ教本見直してみると、ちゃんと記載されていました。勉強不足です…。しかもこのワイン、シャンパーニュ製法で造られた上質スプマンテ!ガヴィの特徴そのままに、シャープできめ細やかな泡が広がります。

産地が珍!なワイン

インドの画像

かつて日本でワインが造られる未来を、ヨーロッパの人たちは思いもしなかったでしょう。最近では、中国でもワインが造られていますよ。

インドでワインを造っていた…!?

スラ・ヴィンヤーズ

シュナン・ブラン スラ・ヴィンヤーズ 白 Chenin Blanc / Sula Vineyard

「今度インドのワインが入荷するらしいよ」と聞いた時には耳を疑いました。暑い国のイメージがあるインドで、まさかワインが造られているなんて。しかし実際に飲んでみると、その固定概念が吹っ飛ぶほどの美味しさに驚かされました!角が無く飲みやすい、それに価格もお手頃!各メディアの評価も軒並み高く、過去には世界ソムリエコンクールの決勝にシュナンブランが選ばれたことも!少しスパイシーな味わいも持ち合わせているので、スパイスの効いたアジアン料理やカレーにも相性ピッタリですよ!

常識を覆す!そこでその品種を造っちゃうの!?

この産地でこの品種は造られない!そんな固定概念は、吹っ飛ばしてしまいましょう!

ボルドーでシャルドネ!?

レ・トリュフィエール

レ・トリュフィエール・ド・テューレイ シャルドネ ヴィニョーブル・クーセル 
Les Truffieres Chardonnay / Vignoble Courselle

ボルドーの白ワインと言えば、ソーヴィニョン・ブランとセミヨンを使ったものが一般的です。爽やかな香りに凛とした酸、余韻にほのかな甘みを感じるボルドー・ブランは、ときに無性に飲みたくなります。そんなボルドーで、見つけちゃいました!シャルドネ100%のボルドーワインを!ボルドーワインと言えばブレンドが多い中で、単一品種というだけで珍しいですが、ボルドーではなかなか造られていないシャルドネを使用!ちなみにAOCボルドーではシャルドネは認められていないので、規格としてはヴァン・ド・フランスになります。爽やかなハーブのような香りとフローラルな香り。凛とした酸味もありながら熟した果実味。複層的なミネラル感と溶け込んだ樽の風味が特徴的です。しかも年産8000本という希少品です。

ボルドーでマルベック100%!?

マルベック・ボルドー

マルベック・ラ・ヴィミニエール シャトー・フルール・オー・ゴーサン 赤 
Malbec La Viminiere/Chateau Fleur Haut Gaussens

シャルドネに続いては、マルベック100%で造られるボルドーワインです!マルベックと言えば、フランス南西部カオールやアルゼンチンが有名な産地ですが、実はボルドーで造っている人がいたんです。ボルドー・シュペリュールのトップシャトーの一つ、シャトー・フルール・オー・ゴーサンは、「スタンダードでは満足できない」が口癖の、革新的なシャトー。口当たりはたっぷりと甘く、黒い果実の中にペッパーを思わせるスパイスが感じられる大人気フルボディ赤ワインです!

ラベルが珍!というより、芸術!?

カーサミラの門

あの超偉大な建築家の作品がモチーフ!

カヴァ・パタネグラ

カヴァ パタ・ネグラ ブルット・オーガニック アントニオ・ガウディ・ボトル
Pata Negra Brut Organic Cava Antonio Gaudi Bottle

世界三大スパークリングワインの一つともいわれる、カヴァ。スペインを代表するスパークリングワインですが、そのカヴァのラベルに、これまたスペインを代表する建築家の代表作をあしらったワインがこちら!その建築家とはアントニオ・ガウディ!サグラダファミリアが有名ですが、こちらのモチーフは世界遺産カーサ・ミラの門!バルセロナがテレビに映ると、ほぼ間違いなく映る有名建築物です。珍しいというよりも、もはや芸術作品の様なボトルですよね!しかも中身はユーロリーフ認証も取得している、オーガニックカヴァ!見た目だけではない、秀逸なカヴァなんです!

価格が珍!え、IGT認定でこの価格!?

事件に巻き込まれた究極のIGTワイン!

カーゼ・バッセ

トスカーナ・ソルデーラ カーゼ・バッセ 赤 
Toscana Soldera / Case Basse (Gianfranco Soldera)

イタリアの原産地呼称の最上級は、ご存じの通りDOCG規格ですよね。バローロやブルネッロなど、言わずと知れた有名ワインが存在します。しかしその2ランク下である、IGTトスカーナ規格で、販売価格10万円近いワインが、このカーゼ・バッセのワインです。

2012年、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの最高峰の造り手である彼の熟成中のワインが、何者かの手によって流出するという事件がありました。これにより、熟成中の2006年から2012年ヴィンテージのワインがほぼ消滅。世界中に衝撃が走りました。さらに2013年には、協会との対立から彼はブルネッロ協会を脱退し、IGTトスカーナとして再スタートしました。サンジョベーゼ100%にこだわる彼のワインは、変わらない人気と評価で価格も高騰。IGT規格にも関わらず、驚きの相場で取引されているのです!

番外編!あの有名ワインはこうして生まれた、珍エピソード!

 

ワインが生まれた背景を知れば、きっと何倍にも美味しくなるはず!でもあまり人に語りすぎると、嫌われる可能性があるかもしれませんのでご注意を…。

税関で押収されたロマネコンティの苗木が、あの有名ワインを生み出した!

アタ・ランギ

アタ・ランギ ピノ・ノワール 赤
Ata Rangi Pinot Noir Martinborough

近年非常に高い評価を受けるニュージーランドワイン。中でも高級ワインとして傑出した存在感を見せるのが、アタ・ランギです。国内最古のDRCの苗木、エイベル・クローンをもち、その評価は「ニュージーランドのロマネコンティ」とも呼ばれています。

実はこのアタ・ランギの始まりは、とあるニュージーランド人がロマネコンティの畑から、ブドウの苗木を違法に持ち帰ったことが始まりなのです。その苗木は税関で没収。その時、税関職員だったマルコム・エイベル氏はこっそりと自宅に持ち帰り、その苗木を増やしました。そしてアタ・ランギの設立者であるクライヴ・パトン氏がそれを譲り受け、ニュージーランド随一のワインを生み出したのです!

ボトルが透明なのはアレを入れられないため!?あの高級シャンパーニュが生まれた背景とは!

クリスタル

ルイ・ロデレール クリスタル 白 
Louis Roederer Cristal Brut 

シャンパーニュの中でもひと際輝きを放ち、愛好家を魅了し続ける逸品が、ルイ・ロデレールが手掛ける高級シャンパーニュ「クリスタル」。良年にしか造られず、過去に様々なワインコンクールで世界一の称号を得た究極のシャンパーニュです。

際立つのが、その透明なボトル。「クリスタル」という名の通り、キラキラと輝くその美しく透明なボトルが高級感を一層際立たせています。

クリスタルは、かつてルイ・ロデレールを愛したロシア皇帝アレクサンドル2世が造らせたもの。珍しい透明なボトルの理由は、当時暗殺に悩まされていた皇帝が、シャンパーニュに毒を混ぜられないようにと透明にさせたことが始まりです。さらによく見ると、瓶底が真っ平。これは、ボトルの底に爆弾を仕掛けられないようにさせたため。その当時の名残が、今でも受け継がれている非常に珍しいワインなんです。

結びに

ワイングラスと景色

以上様々な珍ワインをご紹介して参りましたが、興味を持って頂いたワインはございましたでしょうか?

改めて思うのは、歴史や伝統だけに固執せずに、自分が旨いと思ったワインを造り続ける情熱を持った生産者が、世界には数多くいるということです。本で勉強しただけの知識では、到底網羅できないワインがたくさんあるんですね。

王道のやり方で造って美味しければそれで良し、既定路線から外れて造ってもきっとそれを求めてくれる消費者がいる、新たな挑戦を拒まない生産者の方々はそういう強い思いがあるのではないでしょうか。

私たちも皆様に向けて、さらに珍しくかつ美味しいワインを沢山ご紹介して参りたいと思いますので、是非いろいろなワインに挑戦してみて下さい!

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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