大人だけのお楽しみ!ソムリエおすすめ スイーツとワインの絶品ペアリング10選

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「ワインのお供、何にしようかな…?」なんて考える時、まず頭に浮かんでくるのは、いわゆるしょっぱい物ではないでしょうか?

しかしながら、中には、スイーツに合わせて楽しむのが定番のワインもあるらしいんです…。

そこで、スイーツもワインも大好きな筆者。甘いものをいろいろと買い込んで、いろいろなペアリングを試してみました。

「スイーツにワインを合わせる」という、大人しかできない楽しみ方。

スイーツの定番 いちごのショートケーキからおまんじゅうまで、実際に合わせてみた感想も交えながら、スイーツに合うおすすめのワイン10本を紹介してみたいと思います。

ワインとスイーツに合わせるコツ

スイーツ(甘いもの)に合うワインって、どんなワインでしょう?

1.甘みのあるワインを合わせる
2.同じ要素を持っているものを合わせる
3.郷に入ってみる

簡単に言ってしまうと、この3つなのではないかな、と思います。

まず、やはり一番合うのは、「甘い」という味の共通項を持ったワイン。

ワインの味を構成しているのは、主に「甘み」「酸味」「渋み」「アルコール」の4つ。

「甘み」の要素が弱く「酸味」の要素が強い、いわゆる辛口のワインとスイーツを合わせると、酸味がより際立ってしまい、お互いの良さを打ち消しあってしまうなんてことがあります。

その点、甘口ワインを合わせると、「甘い×甘い」でとんでもないことになるのかと思いますが…。不思議なことに、ワインの味わいを構成する酸味が甘みを引き立て、スイーツとワイン、それぞれの持つ甘さが重なり合い、お互いがより美味しくなるんです。


次に、同じ要素ということで言うと、ワインと食べ物のペアリングを考える時、それぞれに「共通する要素」を拾いあげて、組み合わせを考えたりすることありますよね。

例えば、魚介料理にはミネラル感のあるシャブリを合わせたり、ハーブを使った料理にはハーブの香りのするソーヴィニヨン・ブランを合わせたり、といった具合です。

そう考えると、ベリー系のスイーツにはベリーの香りのするワインをあわせたり、チョコレートにはカカオの香りを持つ、樽を使ったしっかりした味わいの赤ワインを合わせるなどが考えられます。


そして、そのスイーツの生まれ故郷では、どんな飲み物に合わせて食べているのかを調べてみると、意外にもワインに合わせて食されていることがあったりもします。やはり、同じ土地のもの同士が一番ですね。

 

スイーツ×ワイン おすすめのペアリング

では、実際にスイーツをワインを合わせていきましょう!
スイーツは、筆者の独断と偏見で選ばせていただきましたので、ご了承ください(笑)。

いちごのショートケーキ×フランチャコルタ

ケーキといえば、やっぱり「いちごのショートケーキ」。
説明するまでもありませんが、ふわふわのスポンジ生地に甘い生クリーム、いちごの酸味がアクセントの、押しも押されぬ、王道のケーキです。
そんないちごのショートケーキに合わせたのは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られる、イタリアのスパークリングワイン フランチャコルタのドゥミ・セック。


ベルルッキ61 フランチャコルタ キュヴェ・インペリアーレ ドゥミ・セック NV 

ベリーの香りを持つピノ・ノワールが使われたこのフランチャコルタを造ったのは、「フランチャコルタの生みの親」であるベルルッキ。地元イタリア・ミラノでは、シャンパーニュではなく、あらゆるハレのシーンでフランチャコルタが愛飲されています。

クリーミーな泡と生クリームの食感、口の中で泡がほどけていく感じとスポンジ生地がほろほろ溶けていく感じ、フランチャコルタの程よい酸味といちごの甘酸っぱさ…なんとも言えない美味しさです!

フルーツタルト×プロセッコ

実は筆者がいちばん好きなスイーツは、フルーツタルトです。
フレッシュフルーツとサクッとしたタルト生地、たっぷり詰まった香ばしいアーモンドクリーム、もうたまりません!

そんなフルーツタルトにぴったりなのが、フルーティで女性に人気のスパークリングワイン プロセッコ。本場イタリアでは、乾杯のアペリティフ代わりに飲まれている、今、世界でいちばん飲まれているスパークリングがプロセッコなんです。最近ではロゼのプロセッコが認定され、注目のスパークリングワインでもあります。


ミラベッロ プロセッコ スプマンテ ブリュット NV アドリア・ヴィーニ 白

この「ミラベッロ」はドラジェのソムリエ全員が太鼓判を押すプロセッコ。ぶどう本来のフルーツのアロマと瑞々しいジューシーな果実味は、もぎたてのフルーツを思わせます。

爽やかな泡がサクサクとしたタルト生地と相性抜群!桃やマンゴーなどの甘みの強いくだものが1種類だけのっているものよりも、いろいろなフルーツがのっているフルーツタルトがおすすめです。


シュークリーム×クレレット・ド・ディー

老若男女、誰にでも愛されているシュークリーム。とろんとしたカスタードクリームが、なんだかほっこりした気分にさせてくれるスイーツです。

シュークリームにぴったりなのが、ほのかな甘口、優しい泡立ちのスパークリング クレレット・ド・ディー。フランス・ローヌ地方で造られる、少し独特な製法のワインです。「アンセストラル方式」と呼ばれる造り方で、発酵途中のワインを瓶に詰め、瓶の中で発酵を完了させます。


クレレット・ド・ディー メトード・アンセストラル NV ドメーヌ・ギグレ 白


このクレレット・ド・ディーは、フランスのワインガイド ギド・アシェット誌で「ク・ド・クール 」を獲得した、ワインの専門家もおすすめのスパークリング。

実はこのシュークリームとの組み合わせ、ドラジェソムリエのひとりから聞いたもの。ある試飲会に行った時に、このワインと一緒にシュークリームが出てきたらしく、どうなんだろう?と思いながら試飲したところ、これが衝撃的なペアリングだったそうなんです!

もちろん、筆者も試してみました。このペアリング、本当に絶品!!!
クレレット・ド・ディーの優しい泡となめらかなカスタードクリームの食感。そしてどちらにも共通する優しい甘さ。どちらもお互いの邪魔をまったくしないんですよ…。ワインとシュークリームの垣根がなくなるような、そんな不思議な感覚です。この感覚、みなさんに味わっていただきたい!!!

ちなみに、今流行りのイタリアのお菓子マリトッツォとも、優しい泡とふわふわクリームが相まって、なかなかよいペアリングでした。

バスクチーズケーキ×チャコリ


美食で知られるスペイン北部バスク地方が発祥。カラメルで外側を焦がした濃厚な風味が特徴のベイクドチーズケーキです。

バスク地方の中心都市サン・セバスチャンのバルでは、チーズケーキを置いてあることがよくあるそう。中でも「ラ・ビーニャ」のレシピが一番美味しいということで、世界中に広まりました。今では、コンビニなどでも手軽に手に入るようになりましたよね。

そんなバスク風チーズケーキに合わせたのは、地元のバルでもおなじみのチャコリ。微発泡で少し酸味のあるすっきりした味わいが、濃厚なチーズケーキを食べやすくしてくれます。現地では、しっかりめの赤ワインと一緒に食されることもあるようです。


エヌ・ケー・チャコリ Vol.2 D.O チャコリ・デ・ゲタリア 2019 エヌ・ケー・ワインズ 白

このチャコリ、表示こそないものの「ビオディナミ手法」で、すべて手作業で丁寧に造られたワイン。ラベルに描かれた「Nikiniki Nakanaka」という呪文のような文字、友達を冷やかす時に言う言葉なんですって。レモンを思わせるフレッシュな酸味と、クリームチーズの酸味がぴったり。微発泡なので、少し重たいこのチーズケーキに軽い風味を与えます。

ガトーショコラ×しっかりめの赤ワイン


気温が下がってくると、無性に食べたくなるガトーショコラ。心地よい苦みが堪らないこのスイーツ、コーヒーに合わせることが多いのではないかと思いますが、少し大人な雰囲気で、赤ワインに合わせてみるのはどうでしょうか?


ラヴァナル MR マリオ・ラヴァナル プレミアム  2017 ラヴァナル 赤

今回合わせてみたのは、チリ コルチャグア・ヴァレー最古のワイナリーのひとつ、ラヴァナルが手がけるプレミアムな赤ワイン「ラヴァナルMR」です。

創業者マリオ・ラヴァナル氏の頭文字を取ったラヴァナルのトップ・キュヴェであるこのワイン、完熟したカルメネールとシラーを使用した、豊かな果実味ときれいな酸のバランスがとても良い、エレガントな洗練された赤ワインです。

ガトーショコラにベリーのソースを添えてあることがありますが、このワインを飲みながらガトーショコラを食べると、まさにそんな感じです。控えめな樽由来の、どこかコーヒーにも通じる香りを持つワインなので、相性が良いのかもしれません。

実際に試してみたのですが、正直、食べ始めは「本当に合うのかな?」と思ったところもあります。しかし、食べ進めるにつれて双方が引き立てあい、よい感じに舌の上で溶け合っていきました。すっかりいい気分になったところで、ガトーショコラ完食しました。(笑)

アップルパイ×日本の泡ロゼワイン


甘酸っぱいりんごとサクサクのパイ生地のアップルパイ。これから美味しい季節ですね。少し横道にそれますが、アップルパイをさかさまにしたタルト・タタン、ワインの銘醸地ロワール生まれのお菓子なのですが、これには少し甘口のロワールのワイン「ヴーヴレイ モワ・ルー」がよく合うと聞いたことがあります。

アップルパイに合うワイン…、りんごで造られたシードルもちろんぴったりなのですが、日本のワイナリーがおすすめしているワインを発見しました!日本生まれのマスカットベーリーAを使ったスパークリングのロゼワインです。


ロリアン スパークリング ロゼ ベリーA NV 白百合醸造 ロゼ


白百合醸造は、日本ワインの中心地ともいえる山梨県勝沼にある1938年創業の老舗。フランス語で「東洋」を意味する言葉「ロリアン」をワインの名前に冠し、ヨーロッパに劣らないレベルの高いワイン造りに情熱を傾けています。

山梨県産のマスカット・ベーリーAを使用。柔らかな酸味と爽快な泡、マスカットベーリーAらしいほのかな甘みと無濾過で造られた優しい味わいが、フルーツを使ったデザートにばっちり合うんです。優しい酸味のスパークリングと、さわやかな甘みのりんごのペアリング、ぜひ試してみてください!

パイナップルケーキ×アメリカのリースリング


台湾のお土産でよくいただくパイナップルケーキ。パイナップルを煮詰めた甘いジャムと、少し塩気のあるクッキー生地がサクサクほろほろ、美味しいお菓子です。
トロピカルフルーツを使ったこのお菓子に合わせてみてほしいのが、凝縮したフルーツの香りを持つアメリカ・ワシントンで造られるリースリングです!


ワシントン カン・フー・ガール リースリング 2019 チャールズ・スミス・ワインズ 白

非常に個性的なラベルのこのワイン、映画「キル・ビル」からヒントを得て作られたもの。造り手のチャールズ・スミスは元ロックンロール・バンドのマネージャーをしていた人物。「飲みやすい・手ごろな価格・高品質」と3拍子揃ったフレッシュなワインを造るワイナリーです。

パイナップルケーキとカン・フー・ガールのペアリング、実はこのワインを飲んでいた時に、どうしても甘いものが欲しくなり、たまたまお土産にいただいたパイナップルケーキが近くにあったので食べてみたところ、びっくりするほど相性抜群だったんです!少し酔っていたこともあるのかもしれませんが、ぜひトライしてほしいペアリングです。

オランジェット×熟成ソーテルヌ


オレンジピールをビターチョコでコーティングしたオランジェット。甘苦いオレンジピールと控えめな甘さのチョコレートが、ゆったりした時間を過ごしたいときにぴったりのお菓子です。そんな時、熟成ソーテルヌをお供にいかがでしょうか?


シャトー・ペイロン 2002 白
 

このシャトー・ペイロンは、20年近く熟成したソーテルヌ。アプリコットや金柑の甘煮、はちみつ、アカシアの花、ナッツの香りなどが複雑に混ざり合い、長い余韻が続きます。同じ要素をもつオランジェットと合わせてみたところ、なんとも言えず、素晴らしいペアリングでした。
寒い冬の日、温かい部屋の中で、飼い猫を膝にのせて、ゆっくりとオランジェットとソーテルヌを楽しんだ記憶があります。

ビスコッティ×ヴィン・サント


イタリア・トスカーナ発祥のアーモンド風味の伝統菓子ビスコッティ。「ビス=2度」「コッティ=焼き」という名前の通り、非常に歯ごたえのあるお菓子です。エスプレッソに浸して食べるものだとばかり思っていたのですが、地元トスカーナのレストランのデザートメニューには、「ビスコッティ」に合わせる飲み物として「ヴィン・サント」が書かれているんだそうです。


カステルグレーヴェ ヴィン・サント・デル・キアンティ ハーフ375ml 2013 カステッリ・デル・グレヴェペーザ 白

陰干ししたぶどうから造られ、ナッツやドライレーズン、はちみつ、樽由来のクリームの風味など、複雑でエレガントな味わいのヴィン・サント。イタリア語でVin Saint、つまり「聖なるワイン」なのですが、その深い味わいゆえ「瞑想ワイン」という異名もあります。ゆっくりと物思いにふけりながら、ビスコッティをお供にぜひどうぞ。

おまんじゅう×ランブルスコ


和菓子にもいろいろありますが、日本全国、どこででも愛されているのがおまんじゅうなのではないかと思います。自然薯でつくった生地の「じょうよ饅頭」や「黒糖まんじゅう」など、いろいろなおまんじゅうがありますが、今回は、ドラジェのある埼玉県が誇る、あのおまんじゅうとランブルスコを合わせてみました。


ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ アマービレ NV カンティーナ・セッテカーニ 赤 

ランブルスコ種の中でも、一番渋みの強いグラスバロッサを100%使用して造られているこのランブルスコ、ほどよい渋みと優しい甘さが魅力の微発泡ワインです。こしあんのさっぱりとした優しい甘さと、ぶどうの果実味、微発泡の泡のやさしい感じがぴたりとハマりました!

和菓子にはお抹茶を合わせますが、抹茶の渋みとランブルスコの渋み、共通する部分があるのかもしれません。意外なほどよく合うペアリング、ぜひ体験してみてくださいね。

おしまいに

スイーツとワインのペアリング、いかがでしたか?

本当は、もっといろいろと試してみたかったのですが、今回はここまで。

いろいろ紹介してきましたが、今回のイチオシは「シュークリーム×クレレット・ド・ディー」と「おまんじゅう×ランブルスコ」です!

 

チーズなどのしょっぱいものだけでなく、たまには、ワインにスイーツを合わせて、あなただけのペアリング、探してみてください!

新たな世界が開けるかも…です。私は探し続けます(笑)。

 

この記事が、あなたのワインライフんのお役に立てると嬉しいです。

 

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