皆さんは、一年に一度の結婚記念日をいつもどのように過ごしていらっしゃいますか?
ちょっと遠出して一泊旅行してみたり、ちょっと高級なレストランのディナーを予約してみたり、お子様がいらっしゃるご夫婦は、家族で楽しい時間を過ごすのも素敵ですよね。
中には、記念日すら忘れてしまっている方、いませんか?
一年に一度だけの結婚記念日、普段とは少し違う時間を過ごして、お互いに感謝を伝え合えたらいいですよね。
しかし残念ながら、今年はコロナの影響でなかなか思い通りのお祝いができない!
一年に一度の大切な結婚記念日を、どうやってお祝いしようか悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、元ウェディングプランナーでもある筆者が、自宅で楽しむちょっとだけ贅沢な結婚記念日の過ごし方を、ワインのご紹介と合わせてお伝えしたいと思います。
結婚記念日にはシャンパンで乾杯!
結婚式の乾杯酒として、必ずといっていいほど定番なのが、シャンパーニュ。
スパークリングワインの最高峰といっても過言ではありません。
スパークリングワインの中でも、シャンパンと名乗って良いのは、「シャンパーニュ地方で、限られた製法で作られたものだけ」と言うのは、よく知られています。
では、そもそもなぜお祝いの席での定番となったのでしょうか。
シャンパンの歴史
シャンパンが作られるシャンパーニュ地方は、フランスのワイン産地の中で最も北で、首都パリから北東に約140キロ程の場所に位置します。
ブドウ栽培の北限に近い場所ということで、ワインをつくる時にブドウが完全に発酵しきる前に気温が下がり、泡を含んだ発泡ワインが自然に出来上がりました。そしてガラス瓶とコルクが発明されたことで、発泡ワインをガラス瓶に閉じ込めることができ、シャンパンが生まれたと言われています。
しかし、実は当時の人に発泡ワインはあまり好かれず、さらには非常に酸味が強く、とても美味しいとは言えないものでした。
そのシャンパンの質を高めたのが「ドン・ペリ」で有名な修道士ドン・ピエール・ペリニョンです。
彼は当時ではあまり常識ではなかった、異なるブドウを混ぜ合わせるという発想に加え、発明されたばかりのガラス瓶とコルクを使って、シャンパンの質を高めることに成功したのです。
さらにシャンパーニュ地方の中心地、ランスにある世界遺産ノートルダム大聖堂では、歴代のフランス国王の戴冠式が行われ、そこで催される祝宴に地元のお酒「シャンパン」が提供されました。
ドン・ペリニョンのおかげで向上した質の高さも非常に評価され、お祝い事にはシャンパンという文化が瞬く間に全世界へと広がっていったのです。
ロマンティックな話も・・・
シャンパンをグラスに注いだら、是非グラスにそっと耳を傾けてみて下さい。
グラスから聞こえる「パチパチ」という音。
これは天使からの、祝福の拍手の音と言われています。
また、乾杯の時にグラスを突き合わせると出る「チーン」という音。
実は幸せを妬む悪魔がこの音が嫌いという言い伝えがあり、悪魔除けの意味合いがあります。
さらにある地域では、無数の泡を星に見立てて「星を飲む」という表現もあるそうです。なんともロマンティックな表現ですね。
昔から、お互いの幸せを願って飲まれてきたシャンパン。
お祝い事の乾杯酒として定着するのも納得です。
普段の乾杯はビールでも、結婚記念日はちょっとこだわってシャンパンで乾杯してみませんか?
元結婚式のプロが勧める、今年の結婚記念日のこだわり方
普段よりちょっとこだわったワインで
皆さん、お家でワインを飲むときはどんなワインを飲みますか?
自分の好きな品種や産地で選ぶ方、値段で選ぶ方、季節に合わせて選ぶ方、など様々いらっしゃると思います。
正直申し上げて筆者は、安さを第一に、「自分が」好きなワインをとりあえず飲んでいることが多いです。
しかしながら記念日(結婚記念日やお付き合い記念日など)は「相手にこそ」楽しんでもらいたい大切な日。
そういう日は、相手のことを想った、普段はあまり飲まないちょっとこだわりのワインで、素敵な結婚記念日をコーディネートしてみるのはいかがですか。
ワインを飲みながら結婚式の映像やアルバムを見返して、二人の思い出や歩みを一緒に思い出しながら、結婚記念日を過ごしてみるのも素敵ですね。
後ほど紹介致しますが、ワインのバックストーリーが愛や幸せにまつわるワインも多いんです!
グラスにこだわってみる
ワイングラスには様々な形のものがあります。
最近では、使われているブドウ品種にごとに様々なグラスが作られている程です。
グラス一つで何が変わるの?
と思っているあなた。実は違いが出る理由がちゃんとあるんです。
・シャンパングラス
フルートグラスとも呼ばれる、細まった縦長のグラス。
細くなっていることで、シャンパンが空気と接する面を小さくし、泡を抜けにくくしています。
また、立ち上る泡が非常に美しく見えるようにも作られています。
・白ワイングラス
チューリップ型のグラス。
万能型とも呼ばれており、これ一脚ですっきりタイプの白ワインや軽めの赤ワインなど様々な用途で使用できます。
・ボルドーグラス
名前の通り、フランスボルドー産に多くある、少しタンニンが多めの色の濃い赤ワインに適しています。口元から全体的にグラスが大きいのが特徴で、ワインが空気と触れる面を広げることで、より香りがまろやかとなり、タンニンも和らげる役割をしています。
・ブルゴーニュグラス
こちらも、名前の通りブルゴーニュ産で代表的なピノ・ノワール品種のワイン向けグラスです。ボルドーグラスと違って口元が小さく、中が大きく膨らんでいるのが特徴です。
このおかげで、グラスにワインを注いだ時に空気に接する面積が大きくなり、香りが広がりやすくなります。また飲み口が窄まっていることで、ピノ・ノワールの芳醇な香りをグラスの中に閉じ込めることができます。
いくつか代表的なグラスをご紹介しました。
せっかくワインにこだわるなら、素敵なグラスを選んで楽しみたいですよね。
今ご紹介したグラスは、少し大きめの量販店でしたら手ごろな価格で売っているところも多いので、一年に一度の結婚記念日用として重宝するのもいいと思います。
演出に花を添える
大切な人との結婚記念日、せっかくなら、サプライズでお相手様にお花をプレゼントしてみるのはいかがですか?
何歳になっても、お花を貰うっていうのは嬉しいものですよね。
例えば、結婚式の時にゲストのテーブルに置いた思い出のお花を用意してみたり、季節もののお花を用意してみるなど、普段の家飲みでは滅多に置かないお花をテーブルに飾ってコーディネートしてみると、より一層結婚記念日が華やかになります。
いつかは枯れてしまうのがちょっと、という方へはプリザーブドフラワーがおススメです。カラーバリエーションも非常に豊富で、水やりの必要もなく長期間保存が可能です。
結婚記念日におススメのシャンパン・ワイン10選
それではお待たせいたしました。ここからは、結婚記念日に是非おすすめしたいワインをご紹介します。
中には、ラベルがハート柄のものや、愛をテーマに作られたものなど、結婚記念日にピッタリなワインも沢山あるので、それもあわせてご紹介を致します!
まずは数あるシャンパンの中から、結婚記念日におすすめのシャンパン3種類をご紹介!
アンリ・ド・ヴォージャンシー キュヴェ・デ・ザムルー ブラン・ド・ブラン
Henry de Vaugency Cuvée des Amoureux Blanc de Blancs Grand Cru
結婚をテーマにした、まさに愛のシャンパーニュ。キュヴェ・デ・ザムルーは 「愛し合うカップルのためのキュヴェ」 という意味で、ハート型のラベルの中には結婚のシンボルである鳩の夫婦が描かれています。メゾンに併設されたレストランは、結婚式の二次会で使用されます。併設されている博物館にも18~19世紀の歴史的なオブジェや、当時の結婚式で使用されたアイテムが飾られています。
因みに、このメゾンでの結婚式の引き出物にはシャンパーニュが用意されているとの事です。
ポル・ロジェ ブリュット・レゼルヴ
Pol Roget Brut Reserve
ポル・ロジェは1849年設立の家族経営シャンパンハウスで、「気品と優美」を哲学とした格調高いシャンパーニュを造り続けています。
木樽を一切使用せず、ステンレスタンクで発酵させることで、ブドウ本来の繊細さを生み出しています。2004年には英国王室御用達に任命されています。
そして2011年、ウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式で、フラッグシップキュベであるブリュット・レゼルヴが供されたことがテレビでも話題となり、一躍、結婚式や結婚記念日での人気シャンパンとなりました。
ペリエ・ジュエ ベル・エポック
Perrier Jouet Belle Epoque
エミール・ガレのデザインによる、アネモネが描かれたボトルで一世を風靡したベル・エポック。世界中のセレブやシャンパンラヴァーに愛飲され、フルール・ド・シャンパーニュ(シャンパンの華)と敬意を込められ親しまれています。お洒落なデザインのボトルは、結婚記念日に華を添える芸術品です。
続いてはワインのご紹介です!
サン・タムール ポール・ボーデ
Saint-Amour Paul Beaudet
フランスのボジョレー地区で、聖なる愛の意味をもつ「サン・タムールの村」。ここで結婚した二人には幸せが約束され、神のお導きにより生まれ変わり、5代目には再び巡り会うという聖なる愛の伝説を持つ村として知られています。
同地区では最北部に位置しており、10個あるクリュ・ボジョレーの中でも、 最も優美なガメイを産み出す地とされています。
ラベルは、若手アーティストとして注目を集める田中紗樹さんがデザインを担当。世界中の顧客からの満足を得る努力を続けるポール・ボーデが作る、サン・タムールとのスペシャルコラボボトルです。結婚記念日で飲んだ後でも、ボトルを取っておきたくなる一本です。
フリーマン アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール
Freeman Akiko’s Cuve Pinot Noir
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーは、ケン・フリーマン氏と奥様のアキコさんによって 2001年に設立されました。奥様のブレンダーとしての能力が評価され、アキコさんの名前を冠したキュヴェが造られました。2015年、安倍前首相を招いて行われたバラク・オバマ前大統領のホワイトハウス公式晩餐会に、2013年ヴィンテージの涼風シャルドネが供され、一躍脚光を浴びました。現在、アキコさんはカリフォルニアで唯一の日本人女性ワインメーカーとして、つつましく切れ味を持つ高品質ワインを造り続けています。
イル・バチャレ ブライダ Il Baciale Monferrato
ワイン名「イル・バチャレ」はピエモンテ州の方言で、「婚約」を意味します。 実はこのワイン、ピエモンテの代表品種バルベーラとピノネロ、さらに国際品種であるカベルネソーヴィニョンとメルローをブレンドさせた非常に珍しい造り方をしたワインなんです!結婚をテーマに作られ、まさにイタリアのブドウ品種と国際品種のマリアージュ。その意味合いで、結婚のお祝いにも選ばれています。生産者であるブライダ社はピエモンテの老舗ワイナリーで、それまで酸味が強く若々しさが強調されていた「バルベーラ」を、重厚で落ち着きのある長命のワインに変身させた、バルベーラの革命児です。酸味が特徴のバルベーラとピノネロ、しっかりとした骨格が特徴のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローが絶妙なバランスを成し、完璧な融合を果たしています。
チンクアンタ・エ・チンクアンタ アヴィニョネージ
Cinquanta e Cinquanta Avignonesi
チンクアンタ×チンクアンタは「50&50」のこと。二種類のブドウを50%ずつブレンドして造られます。生産者のカパンネッレとアヴィニョネージのコラボにより1988年に誕生したスーパータスカンです。サンジョヴェーゼとメルローを、それぞれが持ち寄って作られたワインで、どちらかの出来が悪いヴィンテージは生産されません。違う生産者が育てたブドウを掛け合わせて一つのワインをつくるということが結婚に例えられ、結婚式のお祝いや結婚記念日で非常に人気のある縁起の良いワインです。
シャトー・カロン・セギュール
Chateau Calon Segur
メドック格付け3級のシャトーです。
18世紀に、当時カロンセギュールと併せてラトゥールやラフィットを所有していたニコラ・アレクサンドル・セギュール候が言った「われラフィットをつくりしが、わが心カロンにあり。」という言葉はあまりにも有名です。
そんな、カロン・セギュールの畑への愛から、象徴的なハートのラベルが誕生したと言われています。香りはカシスやプラムなどの果実の香りやナッツ、バニラや、スパイスが混ざり合う複雑なアロマが広がります。濃く甘い、タンニンが凝縮した果実味と共に口中に広がり、圧倒的な存在感を味わえます。普段はなかなか飲むことのない、ボルドー格付けシャトーのワインを、結婚記念日に是非いかがでしょうか。
ル・マルキ・ド・カロン・セギュール
Le Marquis De Calon Segur
カロン・セギュールのセカンドラベル 。外側の可愛さだけでなく、中身のワインが高く評価されているからこそ、愛好家から支持され続けているワインです。セカンドラベルの魅力と言ったら、ファーストラベルの片鱗がリーズナブルな価格帯で楽しめるところです。いくら結婚記念日でも、カロン・セギュールは手が出ないという方、このセカンドはカロン・セギュールの3分の1程の価格でお買い求めになれます。さらに特筆すべきことはその「品質」です。ファーストの規定には満たなかった若樹や選別から外れたブドウなどから造る、いわゆる「格落ち品」という位置づけではなく、カロンのテロワールをさらに異なるスタイルで表現したのがこのワインです。
シャトー・ディケムは、フランスソーテルヌ地方にある、世界最高峰の極甘口白ワインである「貴腐ワイン」の生産者として知られています。数百年の歴史を誇るボルドーでも最も古いシャトーの一つです。1855年のパリ万国博覧会の際に、ジロンド県産白ワイン部門の格付けで、これを凌ぐものはない最高級品ということで唯一「特別1級」に指定されました。一本の木からグラス一杯分しか取れないとされる希少な甘口ワイン。特別な結婚記念日の締めくくりに、ディケムと共に優雅な時間を過ごしてみませんか。
結びに
今年はいつもとは少し違う年で、やりたいことも思うように出来ないという方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、今年の結婚記念日は何も出来ないから仕方ないで終わらせてしまうのは、非常にもったいないです。
一年に一度しかない、大切な人との大事な結婚記念日は、普段はなかなか伝えることのできない、感謝の思いや愛を伝え合える日。
ちょっとしたこだわりや楽しみ方、そしてこだわりのワインで、お二人らしく素敵にコーディネートしてみてはいかがですか。
そのお手伝いが、少しでも出来れば幸いです。
この記事を読んで下さった皆様が、今年も素敵な結婚記念日を過ごして下さることを心から願っております。