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マタヒウィ・エステート

Matahiwi Estate


ニュージーランド・ワイララパ地方の「新参画者」と呼ばれる家族経営のワイナリー、マタヒウィ・エステート。1990年の終わりにこの地でワイン造りを始めたのが、オーナーのアラステア・スコット氏。そして自身のワイン造りを自社ワイナリーで開始し始めたのが、2004年のことです。そんな彼のワイン造りは最新設備を導入したブドウ醸造が行われており、その品質と価格のバランスがズバ抜けていることで大変評価を受けています。

マタヒウィ・エステートのヒストリー


ニュージーランドの先住民語のマオリ語で「輝く水」の意味をもつ「ワイララパ」は、北島最南端に位置し、非常に水はけの良い堆積土壌に恵まれ、ゆえに果実味溢れる小作物を作る土壌に向いているとされていました。そしてこの環境下、19世紀の入植と同時にブドウ栽培が盛んになり始めたのです。

マタヒウィ・エステート、オーナーのアラステア・スコット氏は、かつて東京とロンドンを往復し、金融ビジネスをしておりました。1990年の後半に故郷のニュージーランドに戻り、長年の夢だったワイナリー事業の実現に向け、設立準備を始めました。

2002年にワインメーカーのジェーンクーパー氏と出会い、自身のワイナリーに参画を要請しました。2人は、ワイララパ・マーティンボロー郊外のマスタートンの地で高品質なソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールを醸造しようという共通の強い意志を持ち、最新設備を導入したワイナリーを始め、新しいビジネスを立ち上げました。

マタヒウィ・エステートのワイン造り


マタヒウィ・エステートのワイン造りは、ワイン造りの全工程に最新設備を導入していますが、その醸造工程は一種独特です。

畑は完全自社畑で、テヘレニカウの石が多く混じるシルト・ローム層の土壌が特徴。。畑にオーツ麦やチコリ、カラスノエンドウを巻き、ブドウ樹の根に必要な栄養素をふんだんに与えております。

また、ブドウの熟成レベルに非常に注意を払っており、より熟成されたブドウを収穫するためにブドウの葉を抜いたり、除房も行っており、とにかくその手間を惜しんでません。また、より優れたワインにするため、各々のブドウの熟成期間をコントロールし、異なった熟成期間のブドウにするため、途中でブドウに穴をあけるなどの方法で熟成調整を行っております。この作業を施すことで、より円熟されたブドウが出来あがります。

ワイララパのオタキのヴィンヤードとマーティンボローの契約栽培農家からセカンドレベルの葡萄を使用しています。この2つ土壌の異なる畑のブドウをあえてブレンドさせます。発酵は、発酵前に5-7日間冷温で着け置きして、開放式ステンレス・スチールのタンクで低温発酵させ(90%培養酵母)、発酵終了後畑により3-10日間マセラシオンし、その後フレンチ・オーク樽で10か月間熟成させ、フレッシュな味わいを実現しています。

マタヒウィ・エステートのワイン そのテイストの特徴


ソーヴィニヨン・ブラン

マタヒウィエステートのソーヴィニヨンブランの醸造は畑全体の3分の1を使って行われております。その味は、アロマティックなライム、パッションフルーツ、グースベリーなどが上手く溶け込み、さわやかでキレのあるフレッシュでミネラル分とまとまりのある味わいを実現しています。

高級感というよりは、毎日の食事にぴったりのデイリーワインとして、お気軽に楽しめる味になっています。キリっとドライな傾向にあるので、日本の和食とも相性が良く、日本でマタフィ・エステートのソーヴィニヨンブランの愛好者が多い理由には、こういった側面からだと言えます。

ピノ・ノワール

ニュージーランドのワイララパの気候風土に、ピノノワールは最も適しているブドウの品種です。熟したチェリーとプラムにスパイス香が混じり、柔らかな口当たりで細やかなタンニンが伴います。口当たりは柔らかく、樽のニュアンスを備えた親しみやすい果実の風味が口中に広がります。

本場ブルゴーニュに引けを取らない上品な味わいと、カリフォルニアワインのような濃い果実味とフルーティーさも備えていますが、総じてサラリとした飲み口なのは独自のスタイルとも言うべきものでワインの熟成度が比較的若いうちからその味を楽しむことができます。

マタヒウィ・エステートの独特のワインラベルの意味


ワイナリーのロゴとなっている、マタヒウィのラベルのフェニックス(不死鳥)は、禁酒法以来初めてのマスタートンでのワイン造りの復活を誇るシンボルとして、2004年初収穫のワイン年にこの地をワイン産地としての開放・発展というメッセージを込めて付けられました。

ニュージーランドワインの「新開拓者」といわれるマタヒウィ・エステートですが、その評価と賞賛は名高く、2013・2014年のアメリカNY、サンフランシスコのワインショーで金賞、世界のインターナショナルワインチャレンジで銀賞を受賞。着実にその評価を高めています。